第2話:再びアンシェルちゃん。

僕は天使のアンシェルちゃんと出会って以来、ずっと彼女のことが頭から離れ

ないでいた。


寝ても覚めてもってやつ。

彼女の面影が目に焼き付いてる。

笑顔で手を振る天使。


会いたい・・・もう一度会いたい・・・。


それは休みの日、自転車で街にでかけて買い物を終えて帰る時のこと。

僕はいつでも駅に寄ってロータリーを回ってから家に帰るのが普通になっていた。

で、その日もロータリーを回っていたんだ。


そしたら、見たことある姿がちらっと目に入った・・・。


「あっ、アンシェルちゃん?」


駅の入り口の付近でひとり立ってるアンシェルちゃんを発見した。

僕はそのまま前転するんじゃないかってくらいの急ブレーキで自転車を止めた。


「やっぱりアンシェルちゃんだ・・・間違いない」


こんなことろでなにやってるんだろ?

僕は自転車をそこに放置したまま、アンシェルちゃんのところに向かった。


「アンシェルちゃん」


そう呼ばれて彼女は、キョトンとした顔をした。

そして僕を見て、あって顔をした。


「ヒューイ・・・さん?」


「アンシェルちゃん・・・こんなところで会えるなんて、神様に感謝だな」

「でも、なにしてるの?こんなところで?」


「あ・・・特には・・・」

「そう・・・あのさ、もし支障がないなら聞かせてほしいな?いろいろと・・・」

「ダメ?」


「あのね、ほんと言うと私、地上に降りてからなにも食べてなくて、泊まる

ところもなくて・・・だからずっと寝てなくて?」

「もっと、すみやかに問題解決できるって思ってたから・・・」

「まだ、なにも解決できてないのに天界へ帰るわけにもいかなくて・・・」


「そうなんだ・・・ホームレス状態なんだね」

「天使だもんね・・・天使にビジネスホテルは似合わないよ」

「そのぶんだと、ご飯もろくに食べてないんでしょ・・・」

「よかったら僕と昼ご飯一緒に食べない?」


「お金、持ってません」


「なに言ってんの・・・女の子にお金なんか出させないよ」

「ね、行こうよ・・・僕さ、またアンシェルちゃんに会えて嬉しいんだ」

「今度は僕がアンシェルちゃんを助ける番」


天使だってお腹は空く・・・睡眠だって必要ってことだよね。

ってことでまずは腹ごしらえからね。

僕は駅にあるレストランにアンシェルちゃんを連れて行った。


「ごめんなさい・・・迷惑かけて」


「いいの、いいの・・・むしろ僕はアンシェルちゃんになにかして

あげらてることが嬉しくてしょうがないんだ・・・」


僕は、最近になくトキメイてるんだから・・・。


ふたりでレストランのテーブルに向かいわせで座った。

真正面から見るアンシェルちゃんのアップ・・・めちゃ可愛い。


「なんでも好きな物食べていいからね」


アンシェルちゃんは、よっぽどお腹が空いていたのか、注文した大盛り

カレーをあっと言う間に平らげた。


「なにか可笑しい?」

「カレーあっと言う間に食べちゃったから・・・可愛いなって思って」


「可愛い?・・・私が?」


「我を忘れたみたいに一生懸命食べてる姿がいいって言ってるの」


「恥ずかしいです」


「ちっとも・・・」

「僕は好きだよ・・・ご飯いっぱい食べる子」


「あのさ、お腹いっぱいになって落ち着いたら聞かせてくれない?」


「なにをですか?」


「君が・・・アンシェルちゃんが地上に降りてきた理由」

「人に話すのを禁じられてるならしょうがないけど・・・そうじゃないなら

知りたいんだ」


「分かりました・・・でも特別ですよ」

「ヒューイさんだけですからね」


で、アンシェルちゃんはなぜ地上に降りてきたか、その理由について

語り始めた。


「本来、天使は神に仕える存在なの」

「天使は神様と人間とを仲介し人間の守護にあたることもあるのね」

「天界は神様の守護の下、ずっと平和を保ってたんだけど・・・」


「天使の中には神様や人間にかならずしも好意的じゃなく密かに不満を

持ってる天使たちがいて、いつか神様に成り代わろうと企んでいた一人の

天使が不満を持っていた天使たちと加担して神様に逆らって、結局三分の一の

天使が神様に反乱を起こしたの・・・」


とぅ〜び〜きんて乳。










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