第4話 ある日ぃ森の中ぁ
『顔に手突っ込んでも何も変わらないし、取り敢えず検証タイム!』
思考停止で止まっていた俺は無意識のうちに深く突っ込んでいた腕を引っ張り出しこの体を調べることにした。
『まずはこれだろう…、お約束だし』
俺は近くの木を正面にし片腕を突き出し唱える。
『鑑定!』
何も出ない、何も聞こえない、なんか恥ずい…。
『…まあ、期待を裏切られるのもお約束ではある。忘れて次だ!』
スキルが無いならフィジカルだ。力isパワー!人外の力を試させてもらおうではないか。
『ふぅぅっ、せい!』
全集中の正拳突き、手応え…無し!そして
『ああああいあいいいったたたああ!!』
やるんじゃなかったという後悔と、この体痛みとか感じるのかよ!というツッコミで脳が満たされる。走り回った時に足腰に痛みが無かったので勘違いしていたがこの体も完全に人間離れしているという訳ではないのだろう。
『ちくしょ、ちくしょう…』
完全に自業自得な結果に納得できないので足元にあった小石を拾いせめてもの腹いせにと思い全力で投石する。
『右手の仇ぃ!』
身勝手な殺意を木に向け投石を——瞬間、殴った木が消えた。
『へ?』
目標を失った石は当人の思いもよらぬ場所へと飛来して——「ヴヴオオ!」
『マジかよ…』
思いもよらぬ結果に俺は痛みを忘れて固まることしか出来なかった。
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