第3話 鳴れよ鼓動!
『4つ目!存在しない記憶と無尽蔵な体力!』
まだあるのかって?あるだなこれが!
顔面宇宙だけでも頭一杯なんだが他にも不可思議な点はあるのだ。まず記憶、俺はこの森について全く知らなかった。前世に不思議な夢を見たとかそんなことも一切ない。なのに何故かこの森を歩けば歩く程知らなかった筈のことがドンドン頭に入ってくるのである。
『この木は美味しい実がなる』
『この先に水がある』
『この道は危険』
『この…』
入ってくる情報はランダムで偶に被ることもあるが必ず俺の知りたいことであったのが共通していた。
そして次に、これはこの体が食事を恐らく必要としないということであった。
俺は3時間程散策しており、その内2時間は生き物を探す為に走り続けていた。そしてふと鼓動の音が聞こえないことに気がつく。日常的に聞いてる訳でないが人間走れば鼓動の音が煩く聞こえてくるものだ。人によるかもだが前世の俺はそういう人間だった。そして気付く、俺心臓なくね?と。
まあ、顔が無いのだから臓器が有るのは可笑しいかと今考えれば普通に受け止められたのだが、当時の俺は結構パニックになって2時間も走りっぱなしだった。それでも鼓動は鳴らず、辺りの静寂さも増したことで俺は無理矢理気分を落ち着かせ最初の目的であった食料と水を探し始めた。それらが必要無いと薄々察していても俺は兎に角冷静になることで精一杯だったのだ。
そしてその先で見つけた川で顔面宇宙に気付くのだが、その前に驚き疲れたのもあり、思考停止するだけで焦ることは無かった。
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