第2話震電

教官「その名は…震電だ。」


俺はガッカリした。


この戦闘機は羽が短くて零戦の操縦席を90度回転させただけの姿だった。


「教官!これじゃ、飛べません!」


教官はニコニコしながら「純平、お前は震電の本当の性能を知らない様だな!試しに乗ってみろ。」



俺は疑いながら震電に乗った。


暑い訓練所で教官が、「飛んでみろ!」とだけ言った。


教官の合図と共に震電が飛び立った。


しかもエンジンを作動した瞬間プロペラの音が「ボーロロロロロロ」と、とても大きな音だった。


飛行すると、思っていたのと違い、


操縦がしやすく、軽くて素早い動きができた。


自分にしっくりくる機体で気に入った。





俺は、教官に聞いた。


「何であんなに軽いんですか?」


「空気の抵抗を少なくしているからだ!ハッハッハ」





俺は、(コイツを使えば、アメリカ軍から日本を守ることが出来る!)と思った。


しかし3年後、俺たちは日本が負けることをまだ知らなかったのであった。





次回へ続く…

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