第8話

時は、4月22日の朝8時50分頃であった。


ところ変わって、今治市東鳥生町しないひがしとりうまち日本食研ショッケンの工場にて…


休憩室にいるお弁当係の従業員さんたちが注文の電話をかけていた。


そこへ、智大ともひろがやって来た。


(ガーン!!)


思い切りブチ切れた智大ともひろは、お弁当係の従業員さんの左腕のつけ根を激しく殴りつけた。


「なにすんだよ!!」

「なんでオレの分を注文した!?」

「上の人が表に記載されている人数分を注文しなさいと言うたんや!!」

「オドレぶっ殺してやる!!」


(ガツーン!!ガツーン!!)


思い切りブチ切れた智大ともひろは、お弁当係の従業員さんのこめかみをグーで殴りつけた。


殴られた従業員さんが倒れた。


思い切りブチ切れた智大ともひろは、倒れた従業員さんの頭を踏みつけながら言うた。


「ふざけるなこのやろう!!先々週、おれたちをないがしろにしてお見合いバスツアーに参加したことを怒ってるのだよ!!」

「お見合いバスツアーは、班の割り当てで…ああ!!」


(ガーン!!)


思い切りブチ切れた智大ともひろは、従業員さんの背中をけとばした。


「ふざけるなこのやろう!!オドレが出会ったオンナよこせ!!オンナよこせよこのやろう!!」


思い切りブチ切れた智大ともひろは、従業員さんをボコボコにけとばした。


その後、智大ともひろはお見合いバスツアーに参加した従業員さんたち20人に対して殴るけるの暴行を加えた。


ふざけるな…


オドレらばかり幸せになりやがって…


やっつけてやる!!


それから数分後であった。


智大ともひろは、20人の従業員さんたちが持っている財布から金を抜き取ったあと勝手に工場から出た。


時は、午前10時半頃であった。


ところ変わって、富田新港にある本社キューデンにて…


この時、敷地内で社内恋愛で結婚を決めたカップルさんたちの事前撮りが行われていた。


「オドレらぶっ殺してやる!!オンナよこせ!!ワーッ!!ワーッ!!」


思い切りブチ切れた智大ともひろは、男性従業員さんに体当りして倒したあと周りにいた人たちに対して殴るけるの暴行を加えた。


その後、智大ともひろは、館内のエントランスホールでめちゃくちゃに暴れまわった。


時は、午前11時過ぎであった。


またところ変わって、智大ともひろの実家の大広間にて…


大広間に紗希子さきこあらたあらたの身元を引き受けたご夫婦がいた。


あらたは、ナイフで竹宮たけみやりつけた事件と竹宮たけみやが出入りしている事務所で殺人事件を起こしたあと上納金カネを持って逃げた。


あらたがどこの警察署に保護されたのかは分からない…


警察署に保護された時、あらたは『ヤクザに追われている…』と申し出た。


あらたは、当日の朝6時過ぎに身元引受人の夫婦と一緒に警察署を出た。


そして、この家に帰宅した。


あらたの身元引受人の夫婦は、新が勤務していた(JA)おちいまでかつて働いていた人であった。


ご夫婦は、ものすごくつらい表情であらたに言うた。


あらたさん…あらたさんは、これからどうしたいのかな?」

あらたさんが新しいことにチャレンジしたい気持ちはわかるよ…それは(JA)おちいまでもできるのよ〜」


ご夫婦から言われたあらたは『おちいまで新しいチャレンジなんかできん!!』と言いながら怒鳴り声をあげたあとよりし烈な怒りを込めながら言うた。


「おちいまでチャレンジしろだと!!ふざけるな!!」


ご夫婦は、困った声であらたに言うた。


あらたさんは、おちいまで働くことがそんなにイヤなのかな?」

「おちいまの人たちは、あらたさんとお仕事がしたいと言うてるのよ〜」

「拒否する!!」

「なんで拒否するのだよ…」

「あんたらはおれにどうしろと言うのだ!?」

「私たちは、おちいまにいてほしい…」

「オレは貸金業マチキンやで働いていた人間だよ!!そんな人間のフクショクを申し出たら上(愛媛県信連)がなんて言うのか分かっているのか!?」

「そのことについては、わしの知人の弁護士さんを通じて上(愛媛県信連)の人に頼むから…」

「できるわけないよ!!」

「それじゃあ、あらたさんはどうしたいのかな…あらたさんのお兄さまがDVでケーサツに逮捕された〜裁判で懲役20年を言い渡された〜ケームショに行った〜仮出所でここへ帰って来た〜(宅間の)漬け物工場で本出所をめざしてがんばっている…と言う姿を見てなんとも思わないのか?」

「今から漬け物工場へ行って、お兄さまががんばっている姿を見たらどう?」


ご夫婦からあつかましく言われたあらたは、ひねた表情を浮かべていた。


またところ変わって、宅間にある漬け物製造工場にて…


浩介こうすけは、できあがった製品を段ボール箱に箱詰めする作業をしていた。


浩介こうすけは、佐永さえに対してどぎつい暴力をふるうなど…DV法にテイショクした容疑で逮捕〜裁判で懲役20年の刑を言い渡された〜刑務所暮らしを経て、仮出所した…


仮出所して帰宅したあと、保護司の紹介でここ(漬け物製造工場)に再就職した。


浩介こうすけは、本出所が認められることをめざして日々の仕事に取り組んでいた。


時は、正午を過ぎた頃であった。


社長さんが浩介こうすけにやさしく声をかけた。


浩介こうすけさん、お昼のお弁当を食べようね。」


ところ変わって、休憩室にて…


浩介こうすけは、給与引きで注文したお弁当を食べていた。


この時であった。


やきそばヘアでサングラスをかけていて、ももけたハラマキ姿で地下足袋タビをはいている竹宮たけみやがやって来た。


竹宮たけみやは、入院先の病院から脱走したあとここへ来た。


竹宮たけみやは、気色悪い声で浩介こうすけに言うた。


「あっ、ここにいやしたか〜」


浩介こうすけは、怒った声で言うた。


「なんだよあんた!!」


竹宮たけみやは、なれなれしい声で言うた。


「まあそないに言わんでもええやん…久しぶりに会えたのによ~」

「帰れ!!帰れと言うたら帰れクソチンピラ!!」


この時、竹宮たけみやはものすごく怒った表情で浩介こうすけに言うた。


「おいコラクソガキ!!わしのことをクソチンピラと言うたな!!」

「クソチンピラをクソチンピラと言うたらいかんのか!?」

「なんやオドレ!!オドレは今仮出所中だろ…仮出所の身の人間がそななもめ事を起こしたらどないなるのかわかったんか!?」


浩介こうすけは、居直った声で竹宮たけみやに言うた。


「仮が取れるようにと思ってがんばって来たけど…ムショに戻りたいんだよ…」


竹宮たけみやは、怒った声で言うた。


「なんや…ムショに戻りたいのか?」

「ああ…」

「やめとけやめとけ…仮でも出所できたことに感謝せえよ…まあええわ…」


竹宮たけみやは、ひとテンポおいてからこう言うた。


「おいコラクソガキ!!」

「なんだよ〜」

「4月12日の夜…クソガキがオレをナイフでりつけた…そして、オレが出入りしている事務所くみ組長おやぶんたちと構成員シャテイたちを皆殺しにした…その上に…上納金くみのカネを持って逃げた…どないしてくれるんや!?」

「知らねーよ!!」

「なにィ!!知らねーだと!!」

「あんたはオレにどうせえと言うのだ!?」

「コースト(代償)をはらえといよんや!!」

「コースト払えだと!?」

「払うのか払わないのかどっちだ!?」

「あんたに払うコーストなんかねえんだよ!!」

「ないだと!?」

「あんたがあらたを誘ったんだろ…あんたのせいで、あらたがどんな思いをしているのかわかってるのか!?分かっているのだったら帰れよボケ!!」

「なんやオドレ!!」


思い切りブチ切れた竹宮たけみやは、浩介こうすけのえりくびをつかんだあと殴りつけようとした。


この時、別の従業員さんが通りかかったので竹宮たけみやわらいながら言うた。


「ああ、どうもすいやせん…なんでもございませんので…へえ…」


別の従業員さんが休憩室から立ち去ったあと、竹宮たけみや浩介こうすけに対して怒った声で言うた。


「きょうはこのくらいにしとくわ…せやけどオレは、クソガキが犯したコーストを全額はらうまではなんべんでも来るぞ!!…分かったか!!」


竹宮たけみやは、ひとテンポおいたあとポンポンと肩をたたきながら言うた。


「あんたも、晴れて仮が取れる日をめざしてせいぜいがんばれよ…ほな…」


その後、竹宮たけみやは『ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…』とわらいながら立ち去った。


あのやろう…


仮が取れる日をめざしてせいぜいがんばれよ…ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…だと…


ふざけるな!!


浩介こうすけは、全身をぶるぶると震わせながら怒り狂った。


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