第7話

時は、4月14日の正午過ぎであった。


またところ変わって、道後温泉街どうごにある(ホテル)椿館つばきかんにて…


エントランスホールにあるカフェテリアに紗希子さきこ温大はると温大はるとが大学にいた時にお世話になった教授夫妻と教授夫妻の知人夫婦の家族3人の7人がいた。


温大はるとは、マッチングアプリを利用したバツを受けるために教授夫妻の知人夫婦の一人娘・和久田実央わくたみお(32歳)とお見合いすることになった。


紗希子さきこは、温大はるとに対してより厳しい声で言うた。


温大はると、紹介するわよ!!…あんたが松山大学まつだいにいた時にお世話になった教授夫妻の知人夫婦の一人娘むすめさんの和久田実央わくたみおさんよ!!温大はると!!」

「(温大はると、めんどくさい声で言う)おばさま…聞いてないよ〜」

「あんたがマッチングアプリで出会ったボロい女と結婚したいとねぼけているから伯母おばさんは怒っているのよ!!」

「ねぼけてないよ〜」

温大はると!!バツとして和久田わくた一人娘むすめとお見合いして結婚しなさい!!和久田わくたの家のムコに入りなさい!!」


勝手に決めないでくれよ…


温大はるとは、ものすごく困った表情でつぶやいた。


教授夫妻は、ものすごくあつかましい声で温大はるとに言うた。


温大はるとさん、君は伯母おばさまの家に対してもうしわけないことをしたと思っていないのか!?君が松山大学だいがくに行くことができたのはだれのおかげだと思っているのだ!?」

「教授…」

伯母おばさまと亡伯父おじさまは、君が片親でふびんな思いをしているからなんとかしてあげたい…と思って、まわりのみなさまにタンガンショを作った…そのおかげで、松山大学だいがくに入ることができた…君の授業料は…伯母おばさまと亡伯父おじさまの3人のお子さまの学資保険を全部解約したおカネを充てた!!…他にも、貯蓄すべてを崩してまで君のために回したのだぞ!!…君はまだ分からないのか!?」


教授夫人は、困った声で温大はるとに言うた。


温大はるとさん!!温大はるとさん!!」

「なんでしょうか?」

「ぼんやりとしている場合じゃないわよ!!温大はるとさんは、なんでマッチングアプリを利用したの!?」


温大はるとは、反抗的な声で言うた。


「マッチングアプリを利用したらいかんと言いたいのかよ!!」


教授夫人は、ますますイラついた声で言うた。


「マッチングアプリは危ないと言うてるのよ!!」

「それじゃあ、どうすればいいのだよ!!」

「じっと待っていれば、出会いは自然に来るのよ!!」

「理解できません!!ふざけるなババァ!!」

温大はると!!」


紗希子さきこは、あわてた表情で温大はるとを止めた。


温大はるとは、ものすごく怒った表情で教授夫妻に言うた。


「ぼくは、和久田わくた一人娘むすめと結婚しません!!」


それを聞いた教授が怒鳴り声をあげた。


「お受けしません…オドレクソアホンダラ!!」


教授夫人は、よりあつかましい声で温大はるとに言うた。


実央みおさんは、今月始め頃に挙式をあげる予定だったのよ!!…相手の男性は海上保安庁の航空部隊で働いていたのよ!!…今年1月に羽田空港で発生した事故で亡くなったのよ!!…和久田わくたのご夫婦は、代わりの人を探し回ったのよ!!」

「ふざけるなババァ!!…オレは代わりはイヤだ!!…亡くなった海保安官ホアンカンの代わりに結婚しろなんてイヤだ!!…オレ…汐夏しおかじゃないとイヤだ!!」


思い切りブチ切れた温大はるとは、和久田わくたのご主人さまの頭をグーで殴りつけたあとカフェテリアから出て行った。


紗希子さきこは、ものすごくオタついた表情で和久田わくたのご夫婦と挙式夫妻にわびた。


温大はるとはお見合いを断ると言うた。


しかし、和久田せんぽうの家は温大はるとをなんとかしてあげたい気持ちでいっぱいだった。


紗希子さきこと挙式夫妻と実央みおの両親は、温大はるとのいないところで挙式披露宴の日取りと結婚生活をどうするかなど…を一方的に決めた。


これにより、温大はると実央みおが結婚することが早々と決定した。


さて、その頃であった。


またところ変わって、JR大西駅のすぐ近くにある公園にて…


公園にあるベンチに汐夏しおかとなさけない男がいた。


なさけない男は、50代後半でやせ型の背が低い男で汐夏しおかがマッチングアプリで見つけた男だった。


なさけない男は、泣きながら汐夏しおかに愛を求めた。


「甘えたいよ…甘えたいよ…」


汐夏しおかは、なにも言わずにふくよかな乳房に男をやさしく抱きしめた。


「キュー…キュー…キュー…キュー…キュー…」


なさけない男は、泣きながら言うた。


「ああ、安らぐよ…安らぐよ…」

「キュー…キュー…キュー…キュー…」


汐夏しおかに抱かれている男は、右手で汐夏しおかが着ている赤色のスカートをまくり上げた。


「ああ…外ははずかしいわ…あそこへ行こ…」


汐夏しおかは、男に対してレンタルのニッケンのトイレに行こうと言うた。


それから数分後であった。


レンタルのニッケンの個室トイレの中にて…


汐夏しおかとなさけない男は、狭い個室の中で抱き合った状態でより激しいキスを交わした。


その後、なさけない男は汐夏しおかが着ていた衣服とブラジャー・ショーツを全部脱がして全裸はだかにした。


「ああああ!!甘えたいよ!!」

「ああああああああああああああああ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


汐夏しおかとなさけない男の非常に激しい叫び声が粗とに響いた。


(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)


この時、駅のホームに下りの特急列車が通過した。


汐夏しおかとなさけない男は、約600分にわたって激しく求め合った。


真剣に結婚相手を見つけるためにマッチングアプリを始めた汐夏しおかは、アリジゴクから抜け出すことができなくなった。


温大はるともまた、アリジゴクから抜け出すことができなくなった。


ふたりは、どうなってしまうのか?


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