第4話

時は、4月12日の朝9時頃であった。


ところ変わって、今治市東鳥生町しないひがしとりうまちにある日本食研ショッケンの製造工場にて…


工場の敷地から20人の従業員さんたちが乗り込んだ特大バスが出発した。


この日は、工場セーゾーの従業員さんたちと本社キューデンの女性従業員さんたちによるお見合いバスツアーが行われる予定である。


残りの従業員さんたちは、通常通りに工場でお仕事をする。


バスが出発してから2分後であった。


思い切りブチ切れた智大ともひろは、工場に行かずに事務所へ行った。


他の従業員さんたちのうち、2〜3割の人が勝手に工場の外へ出ていくなど…険悪状態におちいった。


ところ変わって、工場の事務所にて…


思い切りブチ切れた智大ともひろは、ケーリの係長のデスクの引き出しの中から小切手類とクレカを強引に取り出した。


この時、事務所にいた事務員さんがおどろいた声で言うた。


「ちょっとなにしてるのよ!?」

「うるせぇ!!むしゃくしゃしてるからパチンコしに行くのだ!!おい!!オドレも出せよ!!」


智大ともひろは、事務員さんのこめかみをグーで殴りつけたあと財布を強奪した。


「ふざけんだよ!!会社がコンカツ支援しているのはキューデンだけで工場セーゾーはしませんと聞いたからむしゃくしゃしてるのだよ!!オドレはキューデンで働いていた虫けらだからぶっ殺してやる!!」


思い切りブチ切れた智大ともひろは、事務員さんをボコボコに殴りつけたあと事務所をズタズタに荒らした。


それから20分後に智大ともひろは勝手に工場から出た。


(チーンジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)


ところ変わって、南鳥生町みなみとりうまちの旧道沿いにあるキスケ(パチンコ店)にて…


工場から勝手に抜け出した智大ともひろは、1日中パチスロ遊びをしていた。


2〜3割の従業員さんたちも、勝手に工場から抜け出したあと麻雀店ジャンそう競輪場チャリ競艇場フネ…に行った。


残りの従業員さんたちは働いていた。


しかし、お見合いバスツアーに参加できなかったことに対する怒りを抱えていたので稼働率が大きく低下した。


時は、夕方5時すぎであった。


ところ変わって、大西町脇にある智大ともひろの実家の前にて…


汐夏しおかは、家の前でほうきを使ってはきそうじをしていた。


この時、温大はるとがものすごくつかれた表情で汐夏しおかのもとにやって来た。


汐夏しおかは、にこやかな表情で温大はるとに声をかけた。


はるくん〜」


温大はるとは、キゲンが悪い声で『なんだよ〜』と言うた。


汐夏しおかは、にこやかな表情で温大はるとに言うた。


温大はると、お弁当を残さずに食べれたかな?」


温大はるとは、ものすごくキゲンが悪い声で汐夏しおかに言うた。


汐夏しおか!!」

「どうしたのよ?」

「話がある…」

「えっ?話って?」

「すぐに終わるから聞けよ!!」

はるくん、なんで怒っているのよ?」

「そろそろけじめをつけろ!!言いたいのはそれだけだ!!」

「けじめをつけろって…」

「けじめをつけろと言うたらけじめをつけろ!!」

はるくん!!」

「お前は、いつまで尾儀原おぎわらの家にいるつもりだ!?」

「アタシは、お役に立ちたいから尾儀原このいえにいるのよ!!」

伯父オジキが亡くなって何年目になるのか数えろよ!!」

はるくん!!」

「お前はどうしたいのだ!?」

「アタシは、はるくんの素敵なお嫁さんになるために、尾儀原このいえで花嫁修行をしているのよ!!」

「オレの花嫁になりたいだと!?」

「アタシは、はるくんのお嫁さんになりたいからはるくんのお弁当を作っているのよ!!」

「お嫁さんになってくれと頼んだ覚えはない!!」

はるくん!!ひどい!!」

「ひどいはオドレの方だ!!」


温大はるとは、ものすごく怒った声で汐夏しおかに言うた。


「オドレは、マッチングアプリでテキトーにオレを選んだんだろ!!」

「違うわよ!!」

「ふざけるな!!」

「アタシは、本気で結婚したいからマッチングアプリに登録したのよ!!」

「オレはオドレと結婚する気はないのだよ!!」


温大はるとは、ものすごく怒った声で言うたあとより厳しい声で汐夏しおかに言うた。


「それじゃあ、汐夏しおかに聞くけど…大学はどうするのだ!?…お前は、獣医さんになるために岡山理大りだいに進学した…と言うのはウソだったのか!?」


温大はるとに怒鳴られた汐夏しおかは、ぐすんぐすんと泣き出した。


「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」


温大はるとは、ものすごく怒った声で汐夏しおかに言うた。


「おいコラ!!泣いてあわれみを乞うんじゃねえよ!!」

「だって…気持ちが…大学に向かないの…」

「気持ちが大学に向かないだと!?」

「だって…獣医学部のカリキュラムが分からない…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」


温大はるとは、ものすごく怒った声で汐夏しおかに言うた。


「獣医学部のカリキュラムが分からないからキューガクしただと!!」

「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」

「おい!!なんとか言えよ!!それじゃあ、お前は獣医学部のカリキュラムが分からないから岡山理大りだいをやめたいと言うのか!?」

「だって、分からないものは分からないもん…ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」

「このやろう!!ふざけるな!!」

「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」

「もういいよ!!来週からお弁当を作るな!!」


(ガーン!!)


思い切りブチ切れた智大はるとは、ぐすんぐすんと泣いている汐夏しおかにお弁当箱を投げつけた。


その後、温大はるとはサーモスの水筒タンブラー汐夏しおかの頭を殴った。


温大はるとに殴られた汐夏しおかは、ぐすんぐすんと泣きつづけた。


温大はるとは、ものすごく怒った表情でアパートの部屋に入った。


この時であったが、汐夏しおか温大はるとは双方の価値観に大きな違いが生じたのでうまく行かなくなったと思う。


軽い気持ちでマッチングアプリを始めたことが原因で、汐夏しおかは知らないうちにもめ事を抱え込んだ。


汐夏しおかは、そのことに全く気がついていないようだ。



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