第13話 プレゼントを受け取る次期当主候補筆頭


「何をやってるんだ!! ハメルノは!! 会場に出れば勝ちは確定していると言うのに!!」


「ディアブロ殿! お届け物です!」


 隣のピエールに聞こえないようにディアブロが不平を溢すと、強者特有の圧を放つ騎士が大きめの箱を運んできた。

 内心でその騎士に怯えを抱きながらも、箱を受け取ると開ける。


「ほ、ほう! 差し入れか! 感心な騎士団も……ギャアアアあ!」


 中のものを見てディアブロは絶叫をあげた。

 中には身体を髪状にされたハメルノの生首が入っていた。


「ディアブロ……命が惜しくば第一騎士団第一隊隊舎に来い…アーク様よりの言伝だ」


「ああああああ!?」


 喋れるはずのない生首が喋り始め、ディアブロは喫驚して尻餅をつく。


「行くわけだなかろう! お前の二の舞に私はなるわけがない! あギャアアア!」


 箱を蹴り飛ばして要求を突っぱねると心臓を握るような感覚に襲われた。

 拒否した瞬間に訪れた不可解な感覚に思わず要求してきた本人であるアークを見ると、右手が何かを握るような形を取っていた。


「ヒィぃいい!! この状態でも私の命を奪うと言うことか! 拒否権などないではないか!」


『勝者 アーク・ブレイ!』


 もう一人の解説であるピエールがアークの勝利宣言をすると、ディアブロは恐怖でおぼつかない足で隊舎に向けて走り始めた。

 


────


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