第12話 危険分子を排除する悪役


 昼休憩が終わり、第三回戦が始まったので、会場に向かおうと思うと、見知らぬ騎士が通せんぼしてきた。

 金髪に細面。

 どことなく軽薄さが滲んでいる雰囲気がディアブロに似ている。


「ごきげんよう! 君の次の対戦相手のハメルノ・スキーだ! 実はお近づきの証にプレゼントをと思ってね!」


 リボンのラッピングされた箱を渡して来た。

 開けるのも面倒なので鑑定で中をかけると、中にレヴィリア──ヒロインの髪と脅迫状が入っていることがわかった。

 とんでもないやつだ。


「髪か。趣味が悪いな」


「な、なんで開けていないのにわかって!? アギッ!!」


 スキルの隠形をかけて俺とハメルノの周りを見えない状態にしてから、首を掴んで持ち上げる。

 流石にヒロインに手を出されると土台が消えて、危険人物の主人公が宙ぶらりんになる可能性が高いからな。

 こんなことをお手軽にやられても迷惑でしょうがないし、少しわかってもらう必要がありそうだ。


「お前の趣味に答えたお返しをしてやろう」


「ああああ!!」


 宙吊りにしたハメルノを手で細かく割いて髪と同じ状態にしていく。


「や、やめてくれ!! あんたの兄貴のディアブロに命令されてやっただけなんだ! 私はただそれを渡すように言われただけで!」


「ほう。あれの仕業か。あれも始末する必要があるな」


「ぎゃああああ!」


 とりあえず、こいつを髪状に割いて箱に詰めたら、解説席にいるディアブロに送りつけるか。



────


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