第7話 幻の大剣


『アーク様!! 重力発生装置、発生限界領域に入りました!!』


「構わん。そのまま上げ続けろ」


 隊舎の隣に設置したトレーニング用にクラフトした重力発生装置の中、俺は最大出力の重力魔法と装置で発生させた重力を負荷にして、一億トンの重石を担ぎ鍛錬──スクワットをしていた。


『限界領域突破!! 増幅機関オーバーヒート!! 爆発します!! グアアアア!!』


 爆発音が聞こえるとともに装置が倒壊し、外界の景色が露わになった。


「材料が揃ってたからクラフトしてみたが、重力ではやはり物が耐えられんか。現状、サノスリングを量産するのが現実的か」


 爆破に巻き込まれた装置の操作を任せていた騎士にヒールを掛けようと思うと、むくりと立ち上がって周りに散らばった破片を片付け始めた。

 前に爆発に巻き込まれた時は瀕死になっていたが、明らかに頑丈になっている。

 自分の部下ながら不思議な生物だ。


「アーク様! 武闘会の参加要請が来ています! どうなされますか?」


「武闘会か。興味がないな。詳細だけは聞いておこう」


「優勝した景品は幻の大剣『デモリッシャー』とのことです」


 デモリッシャーか。

 極悪デバフ装備でゲーム時代にプレゼントで贈られてきて、手に取ってデバフによりHPが最大値0になり殺されると言うPKが横行したため、クレームが殺到し、1週間も経たずに運営に消された伝説の武器だ。

 なんのつもりでこんな禍々しいものを景品にしているかはわかないが、俺に取っては喉から手が出るほど欲しいものだ。


「参加すると伝えておけ」


「は! 承知しました! アーク様!」


────


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