06_2033年3月25日
もうこの日がきた。諦め、虚しさ。家族は泣き叫び、私をとめてくれた。だが、私はとまれなかった。未来を知ってしまった苦痛。今の事態を知っていたにもかかわらず無力だった私。何のための私なのか。
いつころかタイムマシンに憧れた時期もあった。恐竜を見に行くとか、ビッグバンを見に行くとか。今、思うにそれは過去の人達(生き物達)に不利益だ。絶滅する未来を知った恐竜は生き方を変え、種の保存につとめることはなくなるだろう。翼竜は火山に飛び込み、肉食恐竜は食欲以外の殺戮を行う。発展性の欠片もない。
でも、まてよ。線路が引かれる前、ビックバンの前には何があったのか。それは..
椅子が倒れた。もう音もしない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます