東京第三ダンジョン 水色編

第8話 探索者協会

 探索者協会。

 それは、世界各地に支部を持ち、世界中の探索者を取り纏め、管理する強大な組織である。

 また、何時出来たのか、誰が立ち上げたのか、何を目的としているのか、本部は何処にあるのか、それらの詳細が一切不明な謎の組織でもある。


 探索者協会は、この世界の主神とされるテラスから祝福を受け取った者を祝福者と呼称し、協会に名を連ねた者を探索者と定めている。


 探索者は、実績、信頼、実力、といったものを基準に、協会による独自の選別方法により、七つの等級へと分けられる。

 等級は、下から七級に始まり、六級、五級、四級、と上がっていき、一級探索者が形式上の上限となる。

 しかし、探索者協会にまつわる都市伝説の中には、一級という枠組みに収まりきらない実力をそなえた、人類最高峰の探索者のみで構成される超級探索者なる等級があると言われているが、飽く迄噂の域を出ない。

 また、それぞれの等級の中にも、非公式ながら序列関係が成されており、序列の低い者ほど冷遇される傾向にある。

 探索者協会への登録を終えた直後の等級は、どれだけの実力や信頼、実績や富を持っていようと、例外無く七級探索者からとなる。


 探索者は、外出時、協会より進呈される各等級の資格証を如何なる時であっても身に付ける義務が課せられており、紛失、破損は認められず、これに背いた場合、厳しい罰則が与えられる。

 また、資格証は、より上位の探索者のものになるほど高価な素材を用いられるようになり、利便性も大きく向上していく。

 三級以上の資格証が齎す、情緒的価値及び機能的価値並びに社会的地位の向上は計り知れない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る