第22話 プロムへの参加

 シニアはハイスクール1番のイベント、プロムが行われる卒業シーズンだ。

 学校が始まるとパートナー選びが始まる。

 もちろん男女のペアが基本だが、相手がいなくても参加できる。

 ペアの相手は学校が違っても参加は可能で、学年が違っても構わない。

 参加には正装が必須条件だ。

 金額に制限はないが、ドレスや髪のセットにかかる費用と車代で、10万円以上がかかる一大イベントだ。

 生徒たちは一生に一度だけのイベントなので、頑張って準備をする。

 梨花達3人は、参加するか迷っていた。

 なぜなら、3人にはボーイフレンドがいないからだ。

 もちろん、仲良しグループでの参加もできる。

 3人はいつものようにカフェテリアで、ランチを食べながら話をしていた。

「ねえ、大学も受かったし、後は卒業とプロムだけよね?」

「梨花とマリアはプロムには出席するの?」

「うーん、私は適当な相手がいないしね。一人の参加は寂しいしな。マリアはどうするの?」

「これから、プロムの為にボーイフレンド作るのも大変だし。リムは?」

「うーん、でも一生に一度しかないし、ボーイフレンドがいなくて平気らしいから、3人一緒なら行きたいな」

 マリアが急に、手を叩いて叫んだ。

「そうか3人なら参加してもいいよね。何故、今まで気が付かなかったのかな。ハイスクール最後のイベントだよ。ママも楽しみにしているから、行こうよ」

「じゃあ、今からドレスを選ばないと」

 リムはすぐに、携帯電話のネット通販のフォーマルドレスの画面を開いた。

「通販はダメよ。試着しないと失敗するって」梨花が忠告をした。

「私は、自分で作るから」

「そうね、梨花はデザイナー志望だからね。私はデパートで探すわ。2人とも一緒に付き合ってよ」リムが2人に頼んだ。

「もちろんよ、ねえマリア」梨花が同意を求めた。

 マリアは、親指を立てて『いいね』とジェスチャーをした。

「車はどうする?」梨花が二人に問いかけた。

「リムジンを3人で借りようよ」

「いいね」と3人は了解した。

「それから週末に、またゴスベルを歌いに行こうよ」マリアが誘った。

「そうね、シンガポールに行ったら、もう歌えないしね」

「梨花も行くよね」マリアが催促をした。

「もちろん」と梨花が、嬉しそうに同意した。

 3人は、楽しそうにはしゃぎながら、プロムに何を着ていくかを話し始めた。

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