第20話 ライブの企画

 モントークから帰ってきて、梨花はアリーナとチャリティライブの企画を始めた。

 まず最初に、アリーナの両親のバレエ団のスケージュールと、広場の使用ができる日を調整をした。

 その結果で予定日は、8月の最終日の日曜日にした。

 演出はアリーナが考えて、バレエ団に機材や照明などを協力してもらうことにした。

 振り付けは、イヴォンヌが申し出てくれた。

 企画を練り、テーマと構成を考えた。

 テーマについてアリーナは梨花と、イヴォンヌに意見を聞いた。

「差別」と梨花は言い、イヴォンヌは「偏見」と言った。

 アリーナは暫く考えてから「戦争と平和」と言った。

 それは以前から続いていたことでもあり、パンデミックでより身近に感じたことだ。

 戦争や紛争は、世界中で起きている悲しい出来事だ。

 そこで、テーマは「差別と偏見、戦争と平和」に決めた。

 踊りの構成は4部構成にして、4つのパートに分けて踊ることに決めて、

 時間は30分程度に短くした。

 最初と最後にゴスペルを歌う。

 ダンスの間には、MCバトルが司会になり、ダンスのコンセプトを説明する。

 構成が決まると、ダンサーを決めることになった。

 ダンスの発表会と違ってチャリティなので、ダンサーは素人ではなく、ある程度踊れる人たちにしたいのが、アリーナの希望だった。

 子供達のダンスは、海斗のクラスメートのママ友達の協力で、ダンス教室が参加したいと申し出てくれた。

 イヴォンヌはハイスクールで教えているダンスの生徒に声をかけた。

 他にも、チャリティに共感したプロのダンサーを目指す仲間が何人か踊ってくれることになった。

 これによって、かなりグレードの高いダンスが期待できた。

 装置や照明やそれに関わるスタッフの人件費は、全てボラティアでの参加になり費用は発生しないで済んだ。

 衣装などの諸経費は、梨花の父親の真がライブで集まったお金で負担してくれた。

 構成が決まったので、次は音楽と振り付けを考えることにした。

 日程や構成は決まったが、まだ音楽が決まってなかった。

 観客が楽しめるように、みんなが知っている『アニソン』を入れようと3人の意見が一致した。

 音楽が決まると、梨花は踊りに合わせた衣装を考えた。

 作るのが大変なものは、古着をリメイクしてカバーした。

 子供の衣装は梨花がデザインし、ママ達が作るってくれることにになった。       

梨花は夏休みになると、海斗のママ友の家で週末に集まり、衣装の進行状況を確認しあった。

 子供達の衣装は、アニメのコスプレだったので、皆が喜び練習も楽しみにしていた。

 イヴォンヌは決まった音楽に合わせて、振り付けとダンスの練習を仲間と始めた。

 梨花は、マリアとリムにも話をして、ゴスペルでの合唱の参加を頼んだ。

 マリアは快く引き受けてくれて、教会の仲間に参加を募った。

 

 長かった夏休みは終わり、梨花達はもうすぐ4年生になる。

 そして、いよいよライブの日が間近に迫ってきた。

 通し稽古は広場ではできないので、学校の体育館を借りて行うことにした。

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