特殊能力なんだよ

古 散太

特殊能力なんだよ

影がせまってくるとき

目を閉じても耳をふさいでも

影がせまってくることは変わらない

だから目を開けて耳をかっぽじって

すべてを見届けてしまえば

影は思っていたほど

影じゃないことが分かるんだ

嫌がっても拒んでも事実は変わらない

それが真実かどうかではなく

自分にとって事実かどうか

それがいちばん大切なんだ

どんな不安も受け取ってみなければ

どうすればいいか分かんないから

精いっぱいふんぞり返って見届ける

生きているかぎり

いろんな影にぶつかることがあるから

向こうからやってくることがあるから

笑ってふんぞり返って見届けてみる

余裕がなくても余裕を見せつけて

影みたいなモノやコトを見つめてみる

それでダメなら

笑ってごまかすか一目散に逃げるんだ

笑ってごまかすことも

一目散に逃げるのも

ぼくたちに与えられた特殊能力なんだよ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

特殊能力なんだよ 古 散太 @santafull

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ