第34話 スキルの謎
あれから暗殺者は襲ってこない。平和な日々が戻ってきた。これが普通なわけだけど、大変な目にあったな。ということで警戒を解き低レベル冒険者に戻る。お金がかなり貯まったから皆と相談。
「欲しいものがあるんだー」
猫なで声のリーナ。魔装を展示している店へ。リーナが欲しい武器を指差す、「光の弓」、光の魔法属性を有している弓。わかったとルーラーさんに連絡、偽装を施してもらい送ってもらった。こうして魔弓を手に入れる。この武器もスライムに対して有効。
「闇属性にも有効なんだよね」
この世界は全6属性、火、水、風、光、闇、無属性。水は火に強く、風は水に強く、火は風に強い。光は闇に強く、闇は光に強い、お互い特攻。無属性は特に弱点も特攻もない、といったRPGではよくある属性の並び。相手に対して属性を使い分ければ大ダメージを与えることが出来る。しかし魔装は高いから気にするとしても上級者からかな。魔法使いなら序盤から気にすべきことではあるが、あの強さの魔法群ではあまり属性も関係ないんだよね、威力高すぎて。
「私にもスライムを倒せる時が来た!」
スライムに遭遇、弓を構え攻撃するリーナ。矢が当たると一瞬スライムが光った。魔法ダメージを与えているようだ、ドロドロに溶けて水に変化した。能力的には赤熱の剣の光属性バージョン。こちらも低レベルではかなり強力な武器になる。俺も盾を更新、鋼の盾に変える。こうしてさらに強い魔物と戦えるようになる。資料室で勉強し、魔獣狩りをする。そしていつもとは違う変わった魔獣を見つける。
「あいつは」
宙に浮いていてるガラス状の球体、周りを小さい玉が回っている惑星のような不思議な生物、魔法生物だ。魔法によって作られており、魔法の攻撃に強く、かなりダメージを抑える。スライムほど魔法が効かなくなるわけではない。それでも魔法使いの天敵ではある。魔法効果の魔装は効きが弱まるが手持ちの武器は鋼の武器相当はあるので問題なし。むしろこれからは魔法生物ばかり狩る予定だ。魔法には強いが物理には普通、HPは少なめ、狩り向けの魔物。
「やぁっ!」
ガラスが割れるような音がして魔法生物の上部が砕け動かなくなる。特に苦戦はしないな。皆強くなったのもありサクサク狩れる。レベルが上がりランク三の冒険者試験に合格。順調に強くなっていく俺達。お金はまだまだあるな、俺の用のスキルを買おうか。超破壊力の物理攻撃が欲しいいかな、斧のスキルなんていいね。店に寄り「スターディバイド」を購入。飛び上がり力任せに斧を振り下ろす技だ。あまりの威力に地面に亀裂が走る。フルスラッシュに似ていて、強いほど亀裂が長くなる。スキルのお試し会をしよう、ガウスさん宅へ。家の近くに亀裂はまずいから森に入る。三人が見守る中スキルを使う。はは、今回も皆が驚くかな!
「スターディバイト!」
大きく飛び上がり、斧を地面に叩きつけた。前後に亀裂が発生、伸びていく。結局フルスラッシュは長すぎて正確な数値は測れていない。斧はどうかな、1キロくらいあるかも!? 10メートル、20、30、40! ……、40? あれれ。
「どうして」
ガウスさんの話だと30近くは聞いたことがあるそう。本来なら凄まじい威力だが他と比べると正直弱い。
「実際の威力から算出されている可能性があるようじゃな。現在の威力なのか、それとも過去未来も含まれるのか、そこまではわからんが」
亀裂の先端から先端を眺めながらガウスさんが話す。30から40、俺のスキルが世界一位の威力になっている。つまり実際にあのフルスラッシュに近いスキルを払う使い手がいるってこと? そんな事が可能なのだろうか。
「出来るとしたらレアスキル、それかとんでもなく高レベルといったところかのぉ」
俺のような特殊なレアスキル所持者ならあるかもな。それから一応レベルを上げれば超高威力のスキルを使うことは可能。しかし通常の上げ方となると数百年とかとんでもなく時間がかかるのではと語るガウスさん。この世界の生物は長くても百年で寿命を迎える。普通に戦い続けレベルを上げるのは不可能だ。
「お前さんのような者もおるんじゃ、レベル上げも抜け道があるのかも」
ゲームのRPGなんかだと様々な上げ方が存在する。こちらの世界で可能かどうかはわからないけど。とはいえ現在そんな上げ方は聞いたことはないとガウスさん。ふむ、少しずつ謎が解けてきたな。それから今後は新しく買ったスキルは使う前に試し打ちをしたほうがよさそうだ。実戦であの威力だと倒せず危険な状況になってしまうからね。しっかしそうかー、全スキルが超威力ってわけじゃないんだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます