第42話 ザ・蛇足 設定資料 ①

タイトル:

UFOを呼び出す呪文、「ベントラー ベントラー スペースピープル」から。

なんじゃこれ? どういう話?

と興味を持ってもらえるようなタイトルを考えました。

本編はUFOとも宇宙人とも特に関係ないです。


ゆっきー:

普通はつけない名前にしてしまえ、と思って、歌舞伎役者みたいな名前に。

でも雪之丞では呼びにくいから、ニックネームで呼ばれる。本名で呼ばれることは親からもほとんどない。

苗字は最初、銀(しろがね)だったが、某有名マンガと同じと気づき急遽変更。


桜子:

なぜか名前だけは、はじめから決まっていました。桜だから苗字はお花見に。

どんぐりお目目とボブが特徴。

私の書いたお話の登場人物で、ボブの女性はこれで三人目。

癖がバレちゃいますね……。


マジョルカ:

この単語の語感が好きで、以前も別のお話に使ったことがあります。

マスコット的な立ち位置にするため、人間型ではなく動物型に。

オウムやヨウムの頭の良さと若干とぼけた感じが面白いので採用。しかし某人気マンガおよびそのアニメの影響は否定できず。

ベロが太く長いので言語発声に長けている。

マジョルカは本名ではなくコードネーム。


パンケーキの世界:

パンケーキのように、いくつもの世界が重なっているイメージ。

別の表現をすると、一本の軸にいくつもの世界が同心円状に連なっている感じ。

しかも同心円状の世界を連ねる軸はほかにもあり、それらは角度を変えて交差している。

そのせいで重なり合う世界が複数存在する。

例えば、第三世界の第二層は、同時に第八世界の第六層でもある、といったふうになります。


魔界:

六つの階層は、六道から。

第一階層は天道→天界。

神格化された高次元の存在やドラゴン、巨人、天使などが住む。

第二階層は人間道→人間界。

ヒューマノイドが住む。ごく稀にエルフやドワーフなどもいたらいいな。

第三階層は修羅道→戦争界。

戦いこそが全てという奴らが、他の階層から移り住んで日夜戦いまくっている。

俺より強いやつに会いに行く。

たしか『み』てみろ。

ある意味、最も危険な階層。

第四階層は畜生道→原始自然界。

ケモノ型や鳥型、魚型など多様な魔物が多く生息する。

原始的なドラゴンや知性の低い獣人も。

第五階層は餓鬼道→冥界。

ゾンビやスケルトン、リッチなど、アンデットの住まう世界。

第六階層は地獄道→魔界。

吸血鬼をはじめ、おもに知性のある魔物たちが文明を築いている。

獣人やドラゴン、魔獣も多数存在する。


サナギのときに角が生えてくる:

昆虫系の動画サイトで見ることができます。

ハンドペアリングの動画も。


ドゥオモオオカブト:

イタリア語で神の家を意味するドゥオーモから。

オスは最大80mmになる、魔界の北、標高の高い山に生息するカブトムシ。

魔界での名前の直訳は『雷を呑んだ虫』。

外翅は白く固い。

頭角は短く、七本の胸角が垂直に伸びる。

幼虫期から体内に黒い結晶を作り、成虫ではビー玉ほどになる。

これは衝撃を与えると破裂して、スタングレネードのように爆発する。

使い勝手はいいが空気に触れるとすぐに酸化してただの脆い石になる。

なので使うときは角と足をもいだ生体を持ち歩き、必要に応じて取り出す(グロい!)。

本来は天敵に襲われた際の対応策(食べられた個体は死ぬが、天敵は二度と襲わなくなる)。


イリスルミナス・オオツヤクワガタ:

オスメスともに体長60mmほどのクワガタ。

魔界の西、暗い密林内に生息する。

二十四色の発光器官を持ち、その光は見る者を惑わせる。

魔界での名前の直訳は『魔性の月を宿す虫』。

鮮やかな光は求愛行動に用いられる。

後述のクラドノータとの交雑で産まれる合いの子は、外翅に催眠作用のある紋様と光を有するようになる。

これは簡単に耐性がつくため乱用はできない。使用者はわざと何度も催眠を受けることであらかじめ耐性をつけておく(マジョルカ自身が効かなかったのはこのため)。


クラドノータミカヅキクワガタ:

名前はツノゼミの属から。

形は実在するミカヅキツノゼミによく似る。

大きさは50〜70mm。魔界の東の海に浮かぶ島々に生息。島ごとに固有種がいる。

魔界での名前の直訳は『恥知らずの突起』。

だいたい分類の科まで同じ生物なら交雑するという、とんでもない繁殖能力を持つ。

産まれるこどもは、二分の一で繁殖元の生物、二分の一でクラドノータになる。

稀に両者の形質を受け継ぐこどもが産まれることがある。この合いの子は繁殖能力は持たない一代限りの生物である。


インゲンス・マンモスオオカブト:

ラテン語で巨大を意味するインゲンスから。

厨二病みんな大好きラテン語。

魔界での名前の直訳は『巨大な樹の如き虫』。

魔界の南の大森林で静かに暮らしている。

とにかくデカいカブトムシを描きたかったのに、唯一成虫が登場していない。

成虫はゾウカブトとヘラクレスを足して二で割ったような姿をしている。

体長は頭角を合わせて250cm、体重は150kgにもなる。重すぎて羽があるのに飛べない。

幼虫は食用にされ、味は泥臭くゲボ味がある。煮ても焼いてもそれは変わらない。

栄養価は高くバランスもいいので完全食となる。でも不味い。


パンテオンヴィルガオオカブト:

ギリシャ語のすべての神々を意味する単語、

Pantheon から。

ヴィルガは……なんだったかしら。

魔界での名前の直訳は『森の守護神』。

魔界の南の大森林でコロニーを作っている。

オスは未登場。

メスは体長30cm、体重は10㎏ほど。

頑丈で熱、圧力、宇宙線など、ほとんどのエネルギーに耐えられる。

複眼のほかに複数の単眼を持ち、死角はない。

飛行能力は高い。単純な力も強い。

オスメスともに外翅の表面から電気を発生させて頭角や胸角から電撃を放つことができる。

前脚は長く枝分かれしており、道具を使えるほど細かい動きが可能。

知能は相当に高く、学習をすれば一年くらいでヒトと同等のレベルに達する。

『僕の考えた最強のカブトムシ』。


こんなん、取れまちた〜:

◯◯山麓にお店を構えている、某昆虫系YouTuber のネタ。


階層の穴:

各階層間をつなぐ大小さまざまなトンネル。

大きいものはジャンボ機が通れるぐらい、小さいものだとナノサイズの極細のものまである。

この穴は時空を超越しており、微生物もそのままの状態で瞬時に移動する。


このお話を考えたのがコロナが流行っていた時期だったので、異世界に渡るタイプの小説を読むと「未知の感染症にかかったりしないのかな」と心配になっていました。

そこをうまく説明するために考えたのが、この世界の穴。

穴を通じて細菌やウイルスも各層に移動して広まっているので、位相が同じ階層では同じ微生物群が存在することになります。

つまり人間界にも魔界にも、インフルや麻疹、梅毒など共通の感染症があるのです(人間界でインフルが流行っているときは、魔界でもインフルが流行っていることになります)。

だから魔界へ渡っても、今までに獲得した免疫である程度対応できるというわけです。

それでも現地で変異した感染症にはかかってしまうと思いますが。

余談ですが、同様に発酵食品も似たものがあり、作物や果実から酒が作られたり、哺乳類の乳からチーズが作られたりしています。

魔界産のお酒、チーズ、食べたい。


ゆっきーの祖父:

約三年前に行方不明になる。

孫であるゆっきーとは良好な関係だったとは言えない。

関わろうとするゆっきーのことを、わずらわしく思っていた節がある。

几帳面な性格で、カブクワ飼育のノウハウをファイリングして残していた。


ゆっきーの父:

未成年にもさん付けをして呼ぶ大人。

理知的だが、息子の私生活に関わると途端にポンコツになる。

精神世界の上位存在のオーラを肩に背負うのが得意技(冗談です)。


桜子の姉:

桜子とは八つもはなれている。そのためあまり姉妹らしい付き合いはしていない。むしろ叔母と姪に近い。

社会人。医療系。ナチュラル氷属性。

やるときはやる。恐ろしい。


パンテオンの産卵:

土だんごに産卵する形態は、おばけコオロギのリオックなどを参考にしました。

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