9月第5週 水難の相
『ピノ ネロ
2021
アントヌッティ』
イタリア北東部に位置するフリウリにて一世紀に渡ってテロワールを表現し続けている家族経営のワイナリーである。
彼らは現在も粛々と自らの仕事に取り組み、クラシックなフリウリのスタイルを持った、コストパフォーマンスに優れたワインを造り続けているという。
今回はピノネロ、ピノノワールのイタリア名である。
では開けてみよう。
ガーネット色でやや控えめな濃さ、比較的軽やかなボディを思わせる。
香りはラズベリーなどのベリー系の甘酸っぱいフルーティーさを感じる。
口当たりはフレッシュでタンニンを感じることなく、ジューシーな果実味が広がる。
クセなく飲みやすいタイプ、それ故に付き合いやすく飽きにくい。
『やまちゃん風手羽中の唐揚げ』
鴨肉にしたかったがなかったので、鶏にすることにした。
ちょうど良く手羽中が安かったので山ちゃん風にしてみよう。
本格的に再現すると面倒くさ……大変なので簡単レシピを探す。
https://cookpad.com/jp/recipes/17884283-%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%B1%B1%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E9%A2%A8-%E6%89%8B%E7%BE%BD%E5%85%88%E5%86%99%E7%9C%9F%E3%81%AF%E6%89%8B%E7%BE%BD%E5%85%83
レシピ通りにタレを作って二度揚げし、タレにくぐらせて味を絡ませてスパイスを振りかければ完成だ。
実食。
甘辛いタレとピリッとするスパイス感、確かに美味しいが山ちゃんほどのビール飲ませになることはない。
だが、これはこれでありだと思う。
ワインと合わせよう。
もちろんビールとの相性は良いだろうが、この比較的フレッシュな赤ワインとは合わせやすかった。
フルーティーなタイプであったので、スパイスと甘辛いタレと調和している。
これが山ちゃんほど強い味だったらワインの風味が損なわれていたかもしれない。
自己主張が強くなれば様々なところで存在感は示すことができるだろう。
しかしながら、何事も周囲との調和も大事なのだろうと思う。
☆☆☆
「アッ―――!」
……ヤラレ、いや殺ッちまった。
先週末に降り続いた大雨による長雨……とは関係なく大量のお茶をこぼしてしまい、パソコンが水没してしまった。
そして、あっさりと昇天してしまったのであった。
しかし、このパソコンには大事なデータ(もちろん卑猥なモノではない)があったわけで、どうにかデータだけは救出できないだろうかと手を尽くした。
幸いにしてスマホは無事だったので、近隣のパソコン修理屋を検索、月曜日は呪日であったため開店しているところは少なかった。
だが、県庁所在地にちょうど良さそうなところが一軒あった。
開店時間が10:30と遅い時間だったため、事前連絡する前に直接持ち込むことにした。
やや距離があるのでちょうどタイミング良く開店時間に到着できた。
すぐにできるわけではないようなので、一旦パソコンを預けて帰宅、予定の収穫準備をすることにした。
意外にもすぐにこの日の昼頃連絡が来た。
残念ながらパソコンは死亡してしまったが、データは無事に回収できたようだ。
どちらにせよ、古くなっていたのでここで買い換えることにした。
痛い出費となったが、ネタ話料ということにしておこう。
さて、この日の午後から収穫が僕の畑であるが、自分用ではない。
近隣にして同郷の農家仲間にほんの少しだけだが譲り渡すためだ。
もちろんタダというわけでなく、定価価格からワイン醸造を手伝ってもらった分を差し引くという約束にしている。
持ちつ持たれつ、お互いにできる範囲で協力していこうというわけだ。
警報級の大雨が200ミリ超えというので、やはりブドウがかなり水分を吸っているようであった。
収穫直前でこれではかなりガックリと来てしまう。
しかし、病気がそこまで広がっていなかったことだけは幸いか。
そうしてすぐに収穫が終われば、天気予報のチェックだ。
しばらくは晴れ間が続きそうなので、自分用の収穫は当初の予定よりも1週間程延期することにした。
これで多少は水分を消費してくれれば良いが……
そうして他の畑をやりつつ、土曜日は自分のロゼ用になるブドウの収穫だ。
少し待ってみたが、水分が多くかなり重量感のあるブドウの房だ。
これは、量は多いが軽いタイプのワインになるだろうと思われる。
だが、これはこれでやりようはあるので早く飲めるフレッシュタイプのワインになる方針だ。
ロゼ用は少量なので独りで収穫、無事に予定通り1日で終わった。
そして、翌日である本日日曜日はこの収穫したブドウを絞ろうと思う。
今年は水難の年のようで、どんなワインになっていくのか不安も大きい。
しかし、それでもできる限りは楽しめるワインにしたいと思う。
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