9月第3週 ラベルデザインについて考えてみよう

『ダーニ ロゼ

 2022

 ヴァイングート スールナー』


 中欧オーストリア・ドナウ川に向かって開けた高台に所有するブドウ畑はビオディナミ栽培で育てられ、「自然と共に働いて生きる」ことをモットーに、「魂と個性とエネルギーがこもった、飲んで美味しく体に良いワイン」を目指しているワイナリーだそうだ。


 今回のワイン名は、オーナーの妻の愛称「ダーニ」から付けられたという、海外らしいリア充な名前である。

 

 そんなワインを爆h……開けてみよう。


 透明なボトルのなのでグラスに注がなくてもハッキリと色合いの鮮やかなサーモンピンク、フレッシュな甘酸っぱいイチゴの香りとミントのような爽やかな青さが香る。

 野生酵母で発酵されているが健康なブドウで上手く醸造されているのか、不快なエグみを感じないスッキリとした酸味と軽やかなベリー系の風味が心地良い。


 残暑が厳しいこの週を癒やしてくれる爽やかさだ。


『ソーセージとごろごろ野菜のミネストローネ』


 ミネストローネ、日本人にとって名前だけ見るとオシャレそうな料理だが、イタリアの野菜スープ、田舎の家庭料理という趣がある。

 わりと素朴でお手軽に作れるので、参考にした味の素のレシピでサクッと作ってしまおう。


 https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/703933/


 ザックリと材料を切って煮込めば実食だ。


 トマトの酸味と甘味のあるあっさりとした素朴な味わい、そこにウインナーという加工肉であるがタンパク質の重みが料理に厚みを与えてくれる。

 やはり人間は雑食、肉も野菜もバランス良く心身ともに欲しているのだろうと思う。

 

 ワインと合わせてみよう。


 トマトとワイン、特にロゼワインは相性が良いと思う。

 ロゼはわりとスッキリとしたフレッシュな味わいの物が多いので、トマトの素朴な酸味と甘味の良い相棒になれるのだろうか。


 ワインとミネストローネは当然ながら楽しみ、スープにバゲットを浸すとまたまた食が進む。

 バゲットで皿も鍋も拭って食べてあげると野菜と肉の味わいが染み込んだ良いソースとなるのだ。

 これがフランス流のフードロスの少ない食事の知恵、貧乏人のサバイバル術でもある。


 コメがなくとも今ある物を無駄なく食す、無い物ねだりで浅ましく生きるよりもある物を工夫した方が豊かに食事を楽しめるものだ。


☆☆☆


 ハンターライセンスをゲットだぜ!

 

 以前の話で諦めていたハンター試験であったが、無事に合格したのだ。


 2週間程前のことだが、市の職員の方が造成中の畑にやってきて、ハンター試験ダメだったという話をしてみた。

 実はその時にはオンライン上で合格発表をしており、確認してもらったのだ。

 そこに僕の受験番号があったので合格を知ったのであった。


 そんなわけで、この週にハンターライセンスが届いた。

 まだ手続きが色々とあるが、これからハンター協会じゃなかった猟友会に加盟することになるだろうが、畑を守るために色々と手を尽くしていこうと思う。


 さて、醸造シーズンも始まり、地元ワイナリーへお手伝いに行ったが、悪天候が続きブドウの熟度は今ひとつのようで本格的なピークはまだまだであった。


 とりあえず、最初の品種ピノ・ノワールを収穫したが、去年のような比較的乾燥した年の赤ワインとは違って、みずみずしいロゼやスパークリングワインになる予定だそうだ。


 1日で収穫が終わる量、その後2日間はワインにするために仕込んでいったが、僕の出番はまだそれほど多くはなかった。

 そういうことで、自分の畑へと繰り出し、造成中の畑の外周をスッキリと伐採していく。

 

 そして、畑以外でも今年造るワインやジュースのラベルデザインの打ち合わせを行った。


 ワインというものは、中身の原材料となるブドウ、ブドウをワインへと醸造していく技術は当然ながら、中の品質としては大事な要素であることは誰もが間違いなく理解できると思う。

 だが、外側の見た目もまた重要な要素となる。


 ワインに限らず、どれだけ手を尽くした高品質な商品も買い手の目に付かなければ話にならない。

 人目に付かなければ売れるものも売れないのは当然で、どれだけ必死に働いたところで食って行けずに生きることすらできない。


 採算度外視という愚かなことをしても、産業をダメにして潰していく行為なので、対価は当然もらわなければならないのだ。

 人間は霞を食って生きてはいけない。

 

 そのためには、1年を掛けて育てたブドウという成果をワインへと昇華し、商品として販売して金という生きる原動力に変換していく必要があるのだ。

 この流れをどのように戦略立てて実行するのかがワイン生産者を含む、農業というビジネスがようやく始まるわけだ。

 

 さて、今回はワインという商品の顔となるラベルをどのようにデザインしていこうかという話であるが、僕としては和風のデザインにして日本らしさをイメージしようと思う。

 

 日本らしいものとして様々なものがあるが『書道』を選択した。

 

 文字だけで商品名が分かり、それ自体がデザインとなるという非常にユニークであり世界に誇れる日本の文化だろう。

 

 しかし、残念ながら僕にそのようなセンスは皆無であり、習字すら義務教育でしかやったことはない。

 それ故に、ラベルデザインは外注することにした。


 便利になった昨今、ネット上で検索すれば近隣で活躍している書道家も簡単に調べられるようになった。

 隣の市という近距離に書道アートを営んでいる方を発見、米袋のラベルデザインに一目惚れしてすぐに連絡を取った。


 その後、依頼を受けてくれることになり、アポイントを取ってお互いに近いアメリカの某コーヒーチェーン店で直接会って打ち合わせをすることになった。

 小汚い僕の自宅よりも遥かに打ち合わせ場所に向いている。


 色々とどのようなラベルにしていこうかと話をして、有意義に進めることが出来たと思う。

 ワインについてはまだ余裕があるが、実はジュースの方が急がないといけなかった。

 例のクラウドファンディングの返礼品にジュースがあり、できれば年末のサタンの日に間に合わせたいからだ。


 さて、打ち合わせも無事に終わり、ラベルの原案候補を待とうと思う。

 酒好きということも事前に教えてもらったので、例のクラウドファンディングの返礼品に使ったロゼワインもサンプルとしてプレゼントした。

 こんなワインを造る奴なのだと認識してもらい、楽しんでもらえれば嬉しい。

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