4月第5週/5月第1週 GWとはガッツリワーク
『カステルグレーヴェ ヴィン サント デル キャンティ
2016
カステッリ デル グレヴェペーザ』
『ヴィンサント』は陰干しした白ブドウから造られ、「聖なるワイン」と呼ばれるトスカーナ州伝統のデザートワインである。
伝統的にイースターの時期に復活祭のお祝いのお酒として飲まれている。
今回のヴィンサントは、トスカーナの伝統を守るキャンティ・クラシコ最大の生産者による共同組合のものだ。
では、敬虔な気持ちはないが開けてみよう。
実に濃縮感を期待できる琥珀色、ナッツのような香ばしさや桃のコンポートのような甘さも香る。
味わいは濃厚な甘みの中に、はちみつやレーズンの味わい、極甘口なのに酸味がはっきりとあるので後味もスッキリだ。
これは危険だ、つい飲みすぎてしまう。
『ビスコッティ・アマレッティ』
「2度焼きした」という言葉が語源となっているイタリア中部のトスカーナ地方が発祥のカリカリのクッキーだ。
通常のクッキーよりも食感が軽いメレンゲ菓子の一種であり、小麦粉の代わりにアーモンド・プードル(アーモンド・パウダー)を使った焼菓子であるらしい。
我が家にオーブンが無いので、今回は買ってきた。
器にモリモリと盛って後は実食だ。
カリカリのザクザクな食感、その中に甘味と僅かな苦みもあり、実に面白い。
クッキーというよりもビスケット、マカロンをカリカリにしたような感じの味わいだ。
ワインと合わせる。
ワインとお菓子、知らなければ不思議に思うだろうが、イタリアではヴィンサントとビスコッティは伝統的に復活祭のお祝いに合わせて飲まれている。
さらに厳密には、カントゥッチというビスコッティをヴィンサントに浸して湿らせて食べるそうだ。
残念ながら、カントゥッチは手に入らなかったので丸型のビスコッティと共に楽しむ。
これがまたよく合うのだ。
仄かな甘味のビスコッティなだけに、濃厚な甘みを持つヴィンサントがさらなる味付けをしたように深みを持たせる。
デザートととして締めくくりの1品となるわけだ。
キリストが十字架に張り付けにされた後、復活したことを祝うイースターである。
日々の激闘でズタズタになった筋繊維もこれで復活することだろう。
☆☆☆
世間はゴールデンなウイークらしいが、そんなものとは無縁仏の日々が続く。
先週末から始めた苗木の植え付けは、無事に翌二日、合計四日で終わった。
600本あったが、一人でもやることができた。
想定外に夏のような気温、それ故に生育が早すぎるのだ。
生育が早いということはそれだけ早く植えてあげないと今後の生育に遅れが出てしまうのである。
本来は、6日かけてやろうと計画していたが、想定外の事態であった。
だからこそ、休みもろくに取らずに急いで植えたわけだ。
来年は例のクラウドファンディングで『植樹祭』を行うので、今年のような仕事モードではなくお遊びで気軽にやろうと思う。
本数も今年の半分以下、遊びながらやっても1日で終わる楽勝なイベントになる予定だ。
……誰も来なかったら泣くが……
苗木の植え付けが終われば、もう一つの畑の面倒も見ないといけない。
こちらも例年以上の生育の早さ、昨年に引き続き第1回目の芽かきを始める。
場所なのか、木によるのか。
芽が充実して出ている場所と不揃いな場所が極端に出てしまっている。
原因は何なのだろうか?
剪定があまり良くなかったから、木の中の貯蔵養分が上手く全体にバランス良く行き渡っていないのか。
それとも、今年の雪が全く無かったせいで、地下水分の不足のせいで芽出しが悪いのか。
それとも、異常な暑さと乾燥のせいで渇水気味なのだろうか。
これら全てが原因か、それともまだ分からない原因があるのか。
これからの観察次第だろう。
そんなわけで第1回目の芽かきをザックリと行いつつも、生育の悪い部分は多めに取って残っている芽に力を集中させるようにする。
これで正解なのかはこれからの生育で答えが出るはずだ。
こうして芽かきがザックリと終われば草刈りだ。
昨年、シーズンが終わってから納入された乗用草刈機のモアちゃんの試運転を兼ねて初登場させる。
保護ビニールを剥がし、エンジンをかける。
……おや?
何かかかりが悪いぞ?
説明書を読み、もう一度挑戦だ。
バルンバルンと軽快にエンジンが踊る。
うむ、初めて使う機種なので勝手が分からなかったが、無事に動いてくれたようだ。
そうなれば、軽トラに積み込む。
アルミのブリッジで荷台に乗り込んでいくのだが、実はこの作業は初めてだ。
踏む外したら大惨事となるので、慎重にブリッジを登る。
載せてみると危なかった。
サイズが軽トラの荷台ギリギリだったのだ。
もしもサイズオーバーだったら洒落にならなかった。
さて、そういうわけで草刈りを開始だ。
新車なだけあって実に軽快に刈り込んでいく。
序盤は色々と調整しながら走っていたが、始まればあっという間に終わってしまった。
キレイさっぱりとなったところで、展葉、新芽の葉が増え出した。
そうなれば、次の防除、農薬散布を行う。
ここらで早くも虫対策と初期の病気予防となる。
しかし、スピードスプレイヤーの異常で下から水がボタボタと溢れてしまうではないか。
いつも通りに撒いたはずなのに、なぜか全く足りなくなってしまい、どうしたことかと思っていたら水漏れが発覚、仕方がないので2回も出動することになってしまった。
こんなトラブルではあったが、畑に意図せず散水をできたので生育が良くなることを願う。
その後は、また苗木を植えた畑に戻り、今度は刈払機で草刈りだ。
こちらは苗木周辺とネット際の狭い部分を刈り込む。
これだけもずいぶんとスッキリとしたものだ。
苗木周辺の草がキレイに無くなった。
そうすれば、また次の作業の準備が整う。
完熟堆肥でマルチングをしようと思う。
マルチングは大体ビニールで行うことが多いが、僕は堆肥によるマルチングの方がこの畑に向いていると思い採用した。
効果としては、土の乾燥を防ぐ、雑草を生えにくくする、雨などで肥料が流れるのを防ぐ、地温の調節ができる、他にも土壌中の生物多様性につながる。
そんなわけで、2tダンプが2台来て、畑の入口にドカッと山ができた。
そこから運搬台車でエッチラオッチラと運んでいくわけだ。
台車は小型車両なので、軽トラと同じように軽自動車税を取られるが、ガソリンエンジンなのでこの作業では重宝した。
ただ、台車1回分でも60穴ぐらい乗らないし、乗せたり撒いたりも人力のスコップである。
これもまたなかなかの重労働、さらには30度超えの異常な暑さだ。
こんな感じで実に目まぐるしく働いたわけだ。
GWとは、ガッツリワークの略ではないだろうかと思った。
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