4月第2週 水を確保しよう
『アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ モンティゴーリ
2019
カンティーナ ヴァルポリチェッラ ネグラール』
イタリア高級赤ワインの1つ、アマローネがなぜか6割引だったので試してみることにした。
アマローネとは、イタリア東北部ヴェネト州で干しブドウから造られる辛口赤ワインである。
陰干しする期間が大体3から4ヶ月もあり、その間にブドウの水分が約40%失われることで濃厚で甘美な味わいになるわけだ。
通常のワインの2倍近くもの量が使用されるので、必然的に高額となる。
今回のワインは、そのアマローネが誕生したきっかけとなったカンティーナ ヴァルポリチェッラ ネグラール、生産者協同組合のものだ。
誕生したきっかけが失敗だったところが、世界中で愛される様々な郷土料理と共通しているところも面白い。
では、開けてみよう。
実に濃厚な黒色であるが、縁はやや赤茶けたガーネット、香りには立ち上るほどの華やかさはないが濃厚なベリー系やスパイス、樽由来のウッディさがある。
味わいは濃縮された果実味と甘さ、タンニンは滑らかでどっしりとした重量感だ。
しかし、アマローネとしてはコクは軽めか。
が、値段を考慮すると実に充足感はある。
『ニンニクの芽のカルビ丼』
まだ今シーズンは始まったばかりだが、早速スタミナを増強させてみよう。
甘辛濃いめの味付けでいってみる。
クックパッドでレシピを調べてちゃちゃっと炒め、白米の上に乗せれば完成だ。
ニンニクの芽のシャキシャキ感、牛肉の甘みと濃厚なタレが白米を進ませる。
丼物らしく一気に米をワシワシとかきこむ。
これならば実にビールが進むことだろう。
しかし、ワインと合わせなければこのエッセイは成り立たない。
アマローネの濃厚な果実の甘さが、カルビ丼の甘辛なタレによって、やや感じにくくなってしまっている。
少し酸味や渋みを筋っぽく感じてしまう。
ちょっとばかり食事の相性はよろしく無いように思うが、こういう時もある。
何事も試してみることは大事な経験だ。
☆☆☆
まるで初夏のような暖かさになり、桜も満開となった。
ブドウも水を上げ、着々と芽吹きに向けてウォーミングアップを始めたようだ。
だが、ブドウは桜よりもやや始動が遅いので、まだ芽の膨らみは小さい。
昨年開拓した方の畑であるが、整地直しもほぼ終わりとなり、苗木植え付けに向けて順調に進んでいる。
今年の造成に向けてのクラウドファンディングは第一目標を達成した後は減速、それでもコツコツと支援が入り、感謝ばかりである。
さあて、
俺達の戦いはこれからだ!
……次に必要な準備をしよう。
ブドウの苗木は、植え付け前後に水をたっぷりと必要になる。
それ故に大量の水を準備しなければならない。
水道水は簡単に手に入るが、水道料金が一気に跳ね上がる。
そのため、別ルートで水を手に入れる必要がある。
そこで井戸を使って地下水を汲み上げることにした。
問題の井戸であるが、実は僕の住んでいる家は以前の家主も農家だったことから電動井戸ポンプが設置されているのだ。
しかし、何年も未使用で放置されていたことから使えるかどうか不明であった。
この陽気であれば、今シーズンは水が凍ることも無いだろうと井戸ポンプを試しに起動させてみた。
延長コードのドラムを買ってきてコンセントを接続……だが動かない。
これは想定通りであったので落胆はすることもなく、原因を調べてみることに。
一旦コンセントを外して分解してみよう。
YOUTUBEなど、電動ポンプの構造や修理の動画を見て大体はわかった気がする。
とりあえずバラしてみてすぐに分かった問題箇所、経年劣化のゴムパッキンの交換は必須だ。
ホームセンターへ行ってみたが、井戸ポンプ用のゴムパッキンが無い。
これは困ったと思っていると三件目の農家の店でゴムパッキンの一枚板を発見した。
コイツを同じ形で切り抜けば使えるだろうと早速試してみる。
ザクザクと切り、少し雑だがパッキンとして機能する形にはなった。
そうして、次の段階、呼び水をしてみよう。
井戸ポンプの原理を説明すると眠くなるだろから詳しくは語らないが、大気圧を利用して水を汲み上げているわけである。
そういうわけで、ポンプ内に真空状態を作り出すために水を注ぎ入れる。
ポンプには呼び水を入れるための注ぎ口があるので、その部分の蓋を開けて水を入れる。
呼び水の準備ができれば再起動だ。
……まだ動かない。
再び分解し、また次の原因を調べる。
どうやらモーターが動いていないようだ。
コンセントを接続した時に通電している音はしているので、完全に壊れてはいないことは確かだ。
内部の配線をチェックしてもどこも切れている部分は無いし、コイルにも問題はなさそうだ。
分からなくて困ったぞ、と思い、モーターの蓋を開けて試しに回してみる。
すると、モーターが難なく回った。
簡単な原因だと判明し、モーターの駆動部分と蓋との接続部にオイルを差して再び組み直す。
無事にモーターは回転し、またポンプ内に水を満たす。
何度か動かし、呼び水が減った分を何度も継ぎ足す。
そして、ついに水が開通した。
始めは錆が多く濁っていたが、やがて透明の水になっていった。
これで農業用水を確保し、苗木の植え付け、次の畑の造成準備がまた一歩前進した。
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