blood bullet

室西アプリ

プロローグ

源優樹菜みなもとゆきなは自分の誕生日が嫌いだ。

─僕が死んで、ボクが生まれた日。

丁度去年のこの日、優樹菜はボロボロの貴族服を着た男に噛まれた。

その時から、魂が訴えてくる。


血を、血を、血を、


魂が訴えてくる。

優樹菜は一人乾きと闘っている。

「ボクはもう、人間じゃない…でも、まだ化け物じゃない。」

まだ、自分は化け物じゃないと、足掻いている。



─あぁ、ここにいたのか我が運命。


男が一年前、優樹菜を噛む前にこぼした言葉だ。





「…ふざけるな、何が運命だ。」

優樹菜は貴族服の男に噛まれた時のことを思い出し嫌悪の言葉を吐き捨てる。


魂が訴えてくる。

血を、血を、血を、


カーテンの隙間から見えた月は真紅まっかだった。
























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