物忘れが激しいぜ☆



 ADHD、注意欠如・多動症の特徴として、気が散りやすいだとか活動に集中出来ないなんてものがあります。これのせいで、仕事に支障が出やすかったりします。


 仕事中に良く起きるものとして、ある作業をしている最中で他の作業の事を思い出し、今の作業を投げ出してそっちに手を出してしまうなんて事が多発します。これは後でやろうとその場で記憶しておけばいいのですが、気が散りやすいという特徴からか後にするとほぼほぼ忘れてしまう為、衝動的に手を出してしまおうとします。


 そして問題なのがその後になります。思い出した作業をしている間にまだ別の事を考えてしまい、またそっちに手を出してしまう。そうなると始めにやっていた作業は忘却の彼方に飛んでいってしまいます。哀れ、最初の作業。


 これが起きるとどうなるか……そう、上司に怒られるぜ☆ 当たり前だよなぁ!


「お前、さっきの作業はどうしたんだ!!」


「すみません! 忘れてました!」


「忘れてたじゃないだろ! ふざけてるのか!」


「ふざけてません! すみません!」


「いいから早く終わらせろ! いいな!」


「はい! すみませんでした!」


 まぁ、おおよそはこんな感じになります。ちなみに言っておくと、内向的な人だとこうした上司や先輩とのやり取りで甚大なる精神的なダメージを負い、次はこうならない様に気を付けないと……みたいな感じでこの事ばかりに意識が偏ってしまい、また別のミスを犯してしまうという最悪な負のスパイラルに陥ったりします(経験済み。何敗してるかもう分からない)。


 この負のスパイラルに陥った場合、大概は自分は駄目な人間だとか、自分はこの仕事に向いていないだとか、もうやりたくないだとか、自分の心に対して自傷行為を働こうとする場合もあるので、注意が必要です。部下にそうした傾向のある人がいる場合は下手に追い込み過ぎると危険ですので気を付けましょう。


 ちなみに私の場合、すぐに忘れてしまうという特性があると把握してからは、必ずメモを取って自分が忘れない様に仕向けました。が、今度はそのメモの存在を忘れてしまうという問題へと更に変わってしまった為、だったら見える位置にメモをすればいいと考えた結果、自分の腕や手にメモ書きをする様になりました。


 これなら嫌でも目につくし、忘れる可能性がかなり減ったので、自分にとってとても効果的なやり方でした。私はしてやったりとした気持ちでいましたが、ある日これを上司に見られてしまい……


「お前、馬鹿か!」


「えっ!?」


「腕や手に書くとか馬鹿なのか!? ちゃんとメモ帳を使って書け!」


「いや、でも……メモ帳だとその存在ごと忘れてしまうので……」


「は? 意味が分からん。そんな訳ないだろ!」


「え、だけど、その……」


「いいから、今後は手や腕に書くのは禁止な! 分かったか!」


「……はい」


 と、言った感じで私の起死回生の一手は見事に禁止カードとされてしまいました。未だにエラッタもさせてくれません。


 まぁ、今はADHDの薬を飲んでいるからか、昔よりは気が散ったり集中出来ない事も減ってきた為、改善案として自分の周りにはメモ代わりの紙をそこら中に張り付けています。ただ、これでも衝動性が抑えられない事もあったりはしますけど、以前に比べれば大分は向き合える様にはなってきているとは思います。


 皆さんでこういった事に悩まれている方がいれば、ぜひとも自分にとっての一番良いやり方を模索してください。他人にとっての良いやり方ではなく、自分にとっての一番を見つける事が大切です。


 でないと、そのやり方が合わなかった場合はとても苦労します。合わなくてやっていなかった場合、教わった相手から「何でやっていないんだ!」と詰められますのでね☆


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