第7話

再臨とは神々の言葉でキャラクタークリエイトと呼ばれる力は簡単に言えば自分をもう一度作り直すというものだ。

例えば性別、例えば外見、例えばジョブ……

そういったものを変更し新たな自分になることを再臨という。

とはいえ何でもできるかと言えばそういうものでもなく、例えばジョブであれば選ぶことができるジョブに限られるし、元の自分からかけ離れてしまえば日常生活に支障が出る、性別を変えれば心と体が不一致を起こしてしまい問題が起きる。

その為できることと言えば体についた傷を消すだとか、身長を少し伸ばすなどがメインとなるだろう。


そのくらいならそこまで時間もかからずに戻ってくるだろうそして4人が4人とも美男美女なので早く終わる、そんなことを考えていると10分も経たずに一人目である剣士、改め剣聖のセリーヌが終えたようだ。

改めてこの世界に現れた彼女は青い髪を腰まで伸ばし釣り目気味だ。

身長は170cmほど全身はすらっとしており胸やお尻は小さいこれは剣士として体を動かすことで肉が落ちたからだろう。

頬や指先には小さな傷が多く残っておりキャラクタークリエイトで消すことはなかったようだ。

俺が少し不思議そうにその細かい傷を見ているとセリーヌはそんな俺の視線に気づいたのか


「この傷は俺が歩んできた歴史だからな、消すつもりはないぜ?傷一つ一つに思い出があるからな」

にっと笑い体の調子を確かめるように筋を伸ばしていくすらりとした美女が体を伸ばしてうーんと悩ましい?声を上げている姿は非常にフェチズムを刺激されるな……!


「ところで神様よ、俺は新しくなった体を試す為に動かしてきたいんだがいいだろうか?」

セリーヌがこちらに向かって訪ねてくるこちらとしては特に行動を縛るつもりもないし、いいぞと答えると後ろからサブロウがそれなら俺も一緒に行こうと言って二人で森の中へと消えていった。


あの二人相性よさそうだなぁ等と見送りながら考えていると2人目がクリエイトを終えたようだ。

二人目は魔法使いのレイナのようだ、彼女も元々美形でほとんど変わったところはないようだが本人曰く体についていた傷などを消したらしい。


「イチロウ、先ほどの再臨とはどういう現象なのか説明はしてもらえる?」

レイナはこちらに聞いてくるが説明は難しい、人間がどうして立って歩くのかを説明しろと言われても難しいようにできるからできるとしかいいようがないのだ……


「なるほど、確かに感覚的にできるからできるものを論理的に説明しろと言われても難しいか、貴方は神様初心者だしねぇ、ふむ……」

レイナは何かを考えこみながら地面に寝ていたシロウの上に座る。

シロウは急に自分の体重がかかったことに、んんー?と声を上げて状況を確認したが、すぐに目をつむりレイナのやりたいようにさせるようだ、のんびり屋だなぁわが弟ながら……


3人目に戻ってきたのは勇者だった、だが不思議と違和感を覚える。

顔も体系も変わった気配はないのだが、言葉にできない違和感がある、なんだろうなぁ……

俺が勇者のことを見ながら首をかしげていると王と共に一度砦に戻り会議をしていた第三王女が戻ってくる、名前はシャルロットだったかな?


「ラ、ラシル様、な、何故なのですか、どうして女性の体に!」

さすがは勇者のストーカーというべきか、俺には理解できなかった違和感を服の上からあっという間に見抜いたようだ、というか性別変えてたのか、全然気づかなかった……

しかし急に性別を変えるといろいろと問題があることは伝えたつもりだったのだが


「ごめんねシャル、もともと僕は男でも女でもなかったんだ神様が魔王と倒した後に性別が決まっていないほうが優秀な子を残しやすいからといって両方の性別をもって生きていたんだけどね、この機会に性別を固定したいと思ってそれで僕は、ごめんねシャル、君の気持には気づいていたけど答えることはできないんだ」


勇者自身も彼女が自分に対して異性としての行為を持っているのは気づいていたのだろう、だが勇者は男としてではなく女として生きていくことを選んだ、それはつまりシャルロットとのけつべt


「構いませんわラシル様いいえ!ラシーお姉さま、ええ、構いませんとも!」

第3王女はラシルの手を取ると頬を真っ赤に染めて鼻息荒くラシルに近づく、いやラシー?


「えっと、シャル受け入れてくれるのは嬉しんだけど、ラシーお姉さまって?」

困惑するラシルに対してシャルロット第三皇女は手をぶんぶんと振りながらラシルの目を見て


「ラシルは男性名です近い響きの女性名はラシーですわだからラシーお嬢様ですわ!お嬢様私と体系が近いですし、私のドレスなどが着れるはずなので一緒に服を選びましょうこれから王都に戻るにもそのままの格好ではあまりにも女性らしさが足りませんわ!」


そういってラシル改めてラシーの手を取り砦の中へと歩いていく二人、結局ドレスはちょっとということで元の勇者としての防具出戻ってくるまで1時間着せ替え人形にされたとぐったりしながら俺に愚痴を言ってくる。

そんな勇者を慰めながら1時間たっても戻ってこない僧侶の戻りを待つのだった。

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