はいしんにっき 8日目

ー前書きー

分かりづらくなったので明記しておきます。後半わかります

〔〕→渡来

「」→雪音

です。それでは本編

↓↓↓↓↓


「ふぇ、、、、。ヨバイ、、、よばい、、、夜這い!?」

「てへ☆来ちゃった☆」

「来ちゃった☆ っじゃあないんだよ!?女の子だって送り狼なんだからね!?てか君灰くんじゃないでしょ!?もう、ちゃんと止めてよ!」

「出させないよ?今は僕の時間なんだからね。それに君は襲ったりしないでしょ?」

「う、、、ま、まぁ、、、(なんでこんなに仕草が可愛いのぉ!?もっと可愛い男の娘にしたい、、、めちゃくちゃにしたい、、、じゃなくて!)」

「ん?どうしたの?」

「んっ゛!なんでもない。それよりなんで僕の部屋に?」

「雪くんと一緒にいたかったから、、、じゃだめ?」

「っ、、、、、」

「それになにか要らないこと考えてそうだったし、、、」

「、、、、、、。」

「だから、、、ね?」

「っ、、、。いいよ。入って。」

「やったっ。おじゃましまーす、、、っ流石に綺麗だね。」

「お母さんに強制されてるから(遠い目」

「あーーーーなるほど。すごく理解した。あの人綺麗好きだもんね。」

「まあ、、、色々大変だよ。」

「だろうね、、、ところで、なにか僕に用でもあったの?」

「っ、、、、、!!!!!」

「その手に持ってる枕をとりあえず置こっか」

そう、こいつ、手に枕を持っていたのだ。まさかこいつも夜這いに来る気だったのか?


「ベット、座ってもいい?」

「いいよ。」

「ごめんねなんか鋭くて。それで?話聞くよ?」

「ありがと。あんなふうに言われちゃったらさ。僕も怖い怖い言ってる場合じゃないなってせっかく白くんも灰くんも黒くんも教えてくれたんだから。」

「それこそちょろっとしか言えなくてごめんね?」

「いいよ。それにあそこまで言われたし、元々君は知ってるんだからね。勇気出そうって。聞いてくれる?」

「うん。ドンと来い、、、!」

「僕は知ってる通り性同一性障害なんだよ。だからね、女子のグループにはまじれないし、男子のグループにもまじれないし。それで、どちらでもないキモイやつって両方から言われてて。」

「うん」


「そんな中でも、君は、君だけは一緒にいてくれた。虫取りに誘われたり、プール膨らませて一緒に入ったり、プラレールしたり、戦隊ごっこしたり、高学年になってきたらゲーム、漫画、鬼ごっことかドッチボール、エッチな話もよくしたよね。そんなふうに、性別とか何も気にせずただ”僕を”僕として扱ってくれたことがすごく嬉しくて、周りなんてどうでもいい。浹がいてくれるなら、それだけで十分だった。でも、あんまりに周りがうるさくて、浹にもいじめとかが移りそうだったから、あのころの僕、『宇治田うじた 葵結あおい』は転校。そうして僕、宇治 松也が転入、ってことになったんだよね。」

「葵結、、、、いい名前だね。どんな意味があったの?」


「葵の花ってね、たとえ花と葉っぱ、茎だけになっても地面にさせばもう一度そこから根を生やすんだよ。それぐらい、強い植物なの。だから、何回折れても挫けずにに生きていけるようにって。」

「まさに君にピッタリだね。」

「へ?」


「だって、実際強く生きれてるじゃん。何回折れても、自分が居てれるように努力して、それで楽しくできてるなら。」

「でもっ、、、、色んなこと隠してばっかだし、偽ってでないと居られないし、、、」

「じゃあ男装はしたくなかったの?」

「ううん。むしろ男らしく入れてよかったと思ってる。」

「なら出来てるじゃん。雪くん、、、いや、葵結だって言ってたじゃん。隠し事無くなんて生きていけない。だから、それでもいいからって。」

「、、、、、。」

「実際そうじゃない?性同一性障害だって、解離性同一性障害だって、言わなければ分からない。でも、そんなふうに隠してでも、僕はみんなの前に出ることは出来なかった。やりたいことなんて何一つできなかった。」

「そんなの僕だって、、、、」

「でも君はできてる。」

「え?」


「自分が今やれることを精一杯やって、楽しく生きれてるじゃん。僕は自分を保つことなんてできなかったし、好きなことなんて全部隠して、やりたいことも一切せずに、ただただみんなに合わせてた。だから、それは充分すごいことだし、君が誇っていいことなんだよ。自分は一向にできなかったけど、人に甘えることだって、自分を褒めることだって、誰かを支えることだって、全部できてる。だから、十分すごいんだよ君は。」

「、、、、、」


「よく頑張ったね」

「っ、、、、、!!!」

「泣いてもいいんだよ?弱いところを見せていいんだよ。それを咎める人なんて、いじめる人なんて、ここには誰も居ないから。ほら。」

そう言って、両手を差し出した俺に、葵結は抱きついてきて、

「怖かった!ずっと認められないんじゃないかって思ってた!またあの日みたいに、全員消えていくんじゃないかって、どれだけ仲良くしてても、どれだけ好かれていても、全員、全員消えるんじゃないかって!また、僕一人になるんじゃないかって!浹さえ、消えるんじゃないかって!まだ何されたかとか、何に悩んでるとか、本当は何したいとか全然言えないけど、それでもいいの!?ただなんでか分からない男でも女でもない変人でいいの!?」

「君は言ったよね。僕も同じことを言うよ。松也だから、葵結だからいいんだよ。」

「うん、、、、、!」


「他でもない君と一緒にいたい。誰よりも僕に寄り添ってくれて、こんな僕でも見放さないでいてくれた君がいいんだよ。お互いまだ怖い気持ちばっかで、なんにも話せてないけど、それでも君と一緒に居たいの。君も、僕と、俺と、俺と、一緒にいてくれる?」

「そんなの、、、、、あたりまえじゃん、、、、、!」

「ありがとね、、、。これからもよろしくね?葵結。」

「よろしく、、、、浹、、、、、。」


その後は、まるで今までの時間を取り戻すかのように色んな話をした。思い出からやりたかったこと、あの時どう思っていたか等々、本当に沢山話した。気づけば僕たちは眠っていたようで、、、。


チュンッ チュンチュンッ


「朝チュンとか、、、ほんとに経験するとは思ってなかったな、、、」

エッチなことは何もしていないのに罪悪感が、、、などと思っていると、

「ん、、、、あ、、、んうぅ、、、ぉはよぅ、、、きょう、、、」

「起きたかってまだ眠そうだな。もうちょい寝たいなら寝てていいぞ?どうせ今日も休みなんだし。」

「んぅ、、、ねるぅ、、、。きょうも、、、、」

「はいはい、、、一緒に寝ればいいんでしょ。」

「ふぇあ、、、きょうのにおい、、、」

そう。昨日と今日とで変わったことが一つだけある。それはまつ、、、改め葵結がめっちゃ甘えてくるようになったことだ。なんかいろいろ吹っ切れたみたいで、今も背後からみっちり抱き着かれてる。まあよく考えたら昔はこんな感じだった気はする。細かいところまでは覚えてないのよね。すっごい甘えんぼさんで、でもやるときはバシッと決めてて、すごい尊敬する人だった。そんなところは、やっぱり彼女を作る根幹はどんなに外面が傷ついても変わってないんだなって、思えた。

「だから、完全に壊れきる前でよかった。」


そうだ、もしも、心を壊していたら。俺よりももっとひどいことになっていたのなら、葵結は、どうなっていたのだろう。もっと、それこそ僕たちよりも、ひどい状況になっていたかもしれない。だから、そんな風になる前でよかった。

「君は前に言ったよね。同じことを言うよ。生きててくれて、ありがとう。」

この言葉も、感謝の気持ちも、本音も、どれ一つとして彼女には伝えられないけれど。こんな形でなら、、、、、。

もし、もしも願いが叶うなら"あの娘"にも、、、、、


そうして二時間後


「ふぁぁ、、、よく寝た、、、おはよう、浹」

「おう、おはよう、葵結。なぁ、葵結。」

「ん?」

「こうやって添い寝とか、、、なんだか恋人みたいだな。」

「ん゛ん゛っ!!!」

「うお、どうした!?すごい声出たぞ?なんかあったか?」

「いや、、、なんでもない、、(なんでこんなに浹のことばっかり気になるんだろう、、、、それに、浹のことを考えていると、何故か胸がドキドキする、、、、)」

「? まあいいや。それで今日はどうする?昨日言ってたみたいにイ〇ン寄ってから帰る?」

「うん、とりあえずそれで良いんじゃないかな。他に寄りたいところあるなら寄ればいいし。今日の枠も二人で八時からやるんでしょ?」

「八時か九時のつもり。だからまあそれまでは遊んでも問題ないな。」

「遊ぶ、、、かぁ、、、そうだ!なら二人でカラオケ行こうよ!」

「え?」

「カラオケだよカラオケ!久々に歌いたくなったんだ!」

「カラオケか、、、まあ別にいいけど。」

「よしなら決まり!早速行こう!」

「待て待て。まずは用意して朝飯食ってからな。」

「あ、、、そだったまだ朝ごはん食べてないや、、、」

「おいこら忘れてんなや」

「てへ☆」

「まあはよ行きたいなら用意するぞー」

そんなこんなで朝飯食べてからカラオケ行って帰ることになったのだが、、、、


「やっほーー〜みんな声入ってるーーー?」

[入ってるよ]

[問題ない]

[バッチリ]

[可愛いお声が聞こえてるよ]


「かわっ、、、も、もう!初っ端から弄らない!というわけで、今日は配信withカラオケでやっていくよー!!!我が名は雪音!そして相方のー」

「渡來です。カラオケ行くとか言い出したと思ったらゲリラ配信し始めてて混乱中です。どうしてこうなった。」

[混乱中w]

[www]

[予定してたんじゃねーのかよww]

[本人すらビビるゲリラw]

[どうしてこうなったw]


「仕方ないじゃん。たまたま歌いたくなってきたらついでに配信しちゃおっかなーって思っちゃったんだから。せっかくノートパソコンもあるんだしね」

「まあ確かに持ってたけれどな。俺が。」

[へーちゃんと準備してたんだ]

[さすが雪くん]

[ってお前かい]

[おまえかい。]

[なんじゃい]

[優秀だったのかと思ってらお前かよww]


「なんで俺が叩かれなきゃいけないんだ?」

「それはリスナー碧い鳥たちに言ってよ。」

「まあね。」

「って雑談しててもあれなんで本題に入っていこうと思いまーす」

「歌うぞーーーー」

「やった渡来が乗ってくれた」

「たまにはね。」

「? まあいいや。じゃあ歌おっか。まずはーーーこれ!」

「おーいいじゃん。」

「何他人面してるの?渡来も歌うんだよ?」

「え゛」

「デュエットだよ。ほら歌うよ!」

「お、おう」

[何歌うんだろ]

[かっこいい曲がいいな、、、]

[デュエットだろ、、、、、?]

[ん?]

[このイントロは、、、、、!!!!]

[花音様verだ!]


〔リマインド巣食らう午後〕

「ねぇねぇ眠る間際に会おう」


〔「流線形のように、、、」〕


「というわけで『流〇形メ〇デー』でした!」

[8888888888888]

[888888888]

[うめーーーwww]

[息ぴったりじゃん、、、]

[やっぱサイコーだわこのコンビ]

[二人の声の音域がきれいに違うからめっちゃきれいにハモってる、、、]


「やっぱ花音様神だわ。ライブverMV選ぶとか運営神だろ。もっかい握手会行きたい。」

「こぉーら。ほかの女の事考えないで。僕だけを見て」

「え?それって、、、」

「え、、、 っ!な、なんでもない!それより、もう何曲か歌ったら本気で歌うよ!いいね!」

「お、おう、、、」

[ん????]

[お????]

[これって、、、、]

[ちょっと進展した?もしかして。]

[てかこれ本気じゃなかったの?]

[露骨な話逸らし]

[十分うまかったのに、、、]


「よーしそれじゃあ次行ってみよーーー!」

「おーーーーーー。」

「だから落差ぁ!」



──────

〔〕→渡來

「」→雪音

でした。次回も続きます。

何でこうカラオケ回って書くの難しいんでしょうね、、、、、?

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