はいしんにっき 7日目
あの後誰が通報したのか知らないが警備員さんが来て、俺が上手く歩けなかったからまつが事情を説明してくれて、、あいつらと同じ電車に乗りたくなかったのと俺がとてもじゃないけど家まで帰れそうになかったからまつの家に泊まっていくことになった。ので俺がある程度落ち着いてから2人で帰った。
道中はずっと無言だった。
というか俺は様々な感情が渦巻きすぎていて話すどころじゃなかったし、まつもまつで何か考えているのか全く話しかけてこなかった。自己嫌悪とかフラッシュバックが酷すぎてどうやって帰ったかもあんまり覚えてない。
そんなこんなで気づけば家の前まで来ていた。
「、、、お母さんただいまー」
「、、、お邪魔、、、します、、、」
「あらぁ〜 おかえり〜 きょうちゃんも泊まっていくの?」
「そうですね。おじゃまします」
「どうぞどうぞゆっくりしていってね〜」
もう時間も遅かったし、体も冷えただろうということでお先に風呂に入ることになった。
カポーン、、、
「はあ。やっぱり嫌だったよな」
俺は若干エコーのかかった声でそう呟く。
あいつには本当に久々に弱いところを見せた。そうだ、あいつも屑山に虐められてたはずで、俺よりももっと怖かったはずで、結局情けないところばっかり見せて、最後は唯一体が動いたけれど、なんにも出来なくて。それに、あいつらとまつが話している時の会話をどれ一つとして覚えてない。
「はぁ、幻滅されたかなぁ。もしかしたら黒い部分もばらされたかもだし。やっぱり、、、誰とも関わらない方がいいかもしれない。それこそ、、、」
まつとも、関わるのを辞めようかな。
そう言いそうになった時。急にドアが空いて
「しっ、、、失礼します、、、」
まつが入ってきた
「っ、、、おまっ、なんで入ってきてんだよ。」
「いやぁ、、、ね?」
「ね?っで分かるかぁ。俺は超能力者じゃねえんだから。」
「き、今日は、、、さ?あんなことが、、、、あったじゃん?だから落ち込んでないかなぁーって。それと、なんだか遠くに行っちゃいそうで。」
前言撤回、こいつの方が超能力者だ。確かに離れようとはしてたけど。口に出してないぞ?俺。
「いやだからと言って入ってくるなよ。俺男、お前身体女、OK?」
「昔よく一緒に風呂はいったじゃん。」
「それガチの昔じゃね?絶対小学校低学年の頃の話だろ。」
「うぐっ、、(記憶がないからと言っても騙せないか、、、)」
まぁ多分それだけじゃないんだろうな。こいつも多分同じだから。いらんこと考えそう、、、とか?まぁそんな所かな。
「お前はそれでいいのかよ」
「良くなかったら入ってきてないよ、、、こんなこといちいち言わせないで!? 恥ずかしいんだから、、、」
なんだこいつ可愛いかよ。
カポーン、、、
「今日はすまんな。お前も、怖かっただろ」
「それならきょうの方が酷かったでしょ?大丈夫?」
「、、、なぁ。やっぱり俺と関わらない方がいいんじゃないか?」
「、、、、。え?」
「だって俺と居るとあんな事も多々あるし、やらかしたこと、黒いことだっていっぱいある。 、、、最悪もっと怖い目にだって、、、」
「止めて!!!!!」
「へ?」
「そんな事言わないで! もっと頼ってよ! もっと迷惑かけてよ! もっともっと、一緒に居てよ! 誰にも迷惑かけずに生きていけるはずなんてない! そうやって、また1人で抱え込んで、抱えて、抱えて、抱えて! そうやって潰れて行くんでしょ!?」
「……。」
「僕は、君と一緒に居たいんだよ!」
「、、、、ッ」
心の中で、ナニカが弾けた、気がした。
「みんなから虐められても、認められなくても、死にたいって思ってても、君は、君だけは僕の太陽だった! まだまだあの頃のことなんて思い出したくもないし、今でもずっと逃げて逃げて逃げ続けてる! だからまだまだ浹にだって言えない! 浹だって同じじゃないか!」
「ぅ、ん、、、」
「でも、君だから、君となら傷ついてもいい! 寧ろ浹と居れるならいくらでも傷ついてやる! こうやって、また2人で逃げてでも、一緒に居てよ、、、! もう、、、目の前から、、、僕の傍から、、、消えないで、、、。」
「、、、ッ ごめん、、、。」
「もうちょっと、、、自分を大切にしてよ、、、」
「ごめん、、、、」
少しの静寂
最初に破ったのは、俺だった。
「ちょっと、、、話を聞いてくれる?」
「いいよ。いっくらでもぶつけて。」
「、、、、、、。 やっぱり、嫌われたくないんだよ。見放されたくない。失望の目で見られたくない。”あの日”みたいに、全員から嫌われるなんてもってのほか。だから、いつも以上に自分を低くして、誰とも深くは関わらないで、誰にも、自分なんか見せない。俺から嫌われる方が幾分もマシだった。だから今でも誰一人として話してないし、自分なんか見せれてない。全てを知られて、どうしようもないほど失望されたら、もう、耐えられないから。」
「うん、、、」
「まつにだって、言えない。これ以上関係を壊したくない。師匠にだって、
「あ、、、うん、、、、、。でも、僕は居なくならないよ。たとえ何を聞いても。多分、僕も酷いから。」
「まぁね。君たちが痛みを知ってるから、人の痛みなんか言うわけが無い。だから話せる。上辺だけだけど。」
「それでも楽になるなら、、、」
「あの頃の恐怖が、僕を縛るんだよ。こんなこと、たとえ得意なこと、好きな事でも、言ったら嫌われるかもしれない。幻滅されるかもしれない。誰も周りから、居なくなるかもしれない。それが怖い。怖い。怖い。結局かまって欲しいんだよ。誰かに。だから居なくならないで欲しい。そのくせ自分を見られたくない、ハハッ。なんて卑怯だよな。近づいて欲しいのに近づかないで欲しいんだから。」
「そんな事、、、誰にだって見られたくない事はあるよ。」
「俺は何もない俺が嫌いだった。やりたい事も、嫌なことも、信念も、全部、全部、持ってるのは僕君とか俺くん。俺には何も無い。ただちょっとでも気を抜いたら現れる虚無が嫌いだった。それを見られるのも嫌だった。誰にも知られたくなかった。理由は散々言った通りだ。」
「、、、。(それは知らなかったな、、、基本灰くんは真ん中で話してた白くんか最初に話した黒くんとかと混ざってるし。)」
『『『嫌われたくなかった』』』
「ただそれだけだったんだよ。まぁそれ以外もたっくさんあるけどね。まだまだ上辺だけ。なんで?とか、結局自分はどうしたいとか全部言えないけど。ごめんね?聞いてもらって。」
「ううん?いいよ。それで君が軽くなるなら。」
「♪ただ夜の奥 鼓動の音 寂しさ二人で分け合った」
「へ?」
「僕も、僕たちも、こう在りたかったんだよ。だから、また何かあったら話してね。」
「、、、。」
「こんなに言ったんだから、君が潰れちゃ困るからね。それに、君とは一緒にいたいから。」
「、、、」
「ほら目を逸らさないっ、、、!」
そうやって、僕はまつの顔を掴んで
「僕も顔を見るのは苦手だよ?目で全て分かるからね。でも約束して。僕とも、痛みを共有すること。」
「、、、」
「今が苦しいなら逃げていい。嫌われたくないなら隠せばいい。でも、それでも、上辺だけでも、相談してよ。嫌わないからさ。嫌えないから。絶対に。死にたいのなら明日僕と話す為に生きて。生きるのは死ぬのの何倍も苦しい。それをわかってて言うよ。君の全てを背負うよ。だから、生きて。」
「っ、、、、!」
「僕の為に生きて。」
「、、、、、、、、っ!!!!!」
そういって身体を抱きしめた。
「ほら、人の温かみっていい物なんだよ?」
「え!、、あ!、、そっ、、、そうだけど、、、恥ずかしいよ、、、これっ、、、!!!!!」
「だぁーめ。君が安心出来るまで抱き締めてあげる。こうやって温かみを感じたこともないんでしょ?」
「///、、、」
「どうせ男の感性だからおばさんには甘えてないしおじさんとは距離とってたんでしょ?だから、離してあげない。ちゃんと相談する?」
「ぅ、うぅ、、、、、わ、、、、分かった、、、分かったからぁ、、、離して、、、恥ずかしいってばぁ、、、」
「フフフッ。(可愛いなぁ。) さぁ、のぼせちゃうし上がろうか。」
「ぁ、、、、。」
「ほら両手を彷わせてないで、上がるよ?」
「うん、、、(は、恥ずかしかったけど、、、やっぱり、こう、すんなり離れられると虚しいな、、、)」
「ほら、先出て?(なんだか虚しそう、、、やっぱり傍に居てあげよう。)」
「、、、、、ありがとう」
こうして大波乱の風呂は終わったのだった。ちなみに2人とものぼせてた。
~夜風にあたること数分後~
ある程度火照りも取れたので2人でリビングに行くとおばさんに、
「あらぁ~。お楽しみだったようねぇ~」
「違っ、、、僕何もしてないよ!?」
「まぁ何もされては無いな。うん。」
「その割には反応が、、、ねぇ?」
そう言われるのも無理は無い。何せ2人とも目を合わせてないのだ。正確には合わせられない、のだが。まぁどこぞの野郎(人格)がなにか企んでるから後でどうにかなりそうだけどな。おばさんは誤魔化せなかったらしい。
「まぁ~、夕飯出来上がってるから召し上がれ~」
「うん。」
「いただきます。」
こうして夕飯が始まった。沈黙の空間が広がる、、、訳でも無くおばさんに質問攻めにされたので全然沈黙ではなかった。寧ろまつがいらんこと言うのを阻止するので手一杯だった。あんの野郎。根に持ってるだろあの出来事。
まぁそんなこんなで時間は過ぎ、来客用の部屋に案内されてそこで俺は寝ることになったのだが、
『まぁ僕に身体貸してよ☆ ねっ?』
っとか言われながらほぼ強引に身体を白僕に乗っ取られた。何しに行くんだろ。
「こういう時は童顔が良かったなぁ、、、まつみたいに。昔僕が強制メイクされた時はわりかし可愛かった、、、らしい。」
身長小さいから昔ココ姉ェに着せ替え人形にされたのよね。中学校入ってたから割かし恥ずかしかったんだよあれ。
そんなことを考えながら僕は、枕を持ってまつの部屋をノックしていた
「はーい」
中から声が聞こえて、扉が開いた。
「え?浹?」
「夜這いに来ましたっ、、、!」
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