はいしんにっき 2日目
今日も、憂鬱な、それでいてちょっと面白おかしい一日が始まった。俺が死のうと思ったのは周りが煩かったからであって生きるのに諦めてわけではないから、日常は楽しいんだよ?まあ、日常(笑)な所があるけど。そもそも引きこもりの俺に日常とか、、、まあこれ以上考えても嫌になるだけだから、なんて、馬鹿みたいなことを思いながら布団から出る、、、とでも思ったか。出る訳が『はよ起きろ』はい、すいません。
人格同士でこんなことをしながら布団から出て、鍵開けて、顔洗って、歯を磨いて、スウェットからジャージに着替えて、昨日の残りをサクッとチンして食べる。昨日が節分だったから今日のメニューは恵方巻きとお吸い物(残り物なのでめっちゃしょっぱい)やつを食べる。
「『『いただきます』』」
三人格分のあいさつ。くっそ食べるのが遅い俺たち。いつも道理だな。三十分ぐらいかけやっと食べ終わって、ここから、何の変哲もないいつも道理の引きこもり生活が始まる、、、と思ったのだけれど、
ピーンポー「ガチャ」ン
「来てやったぞーーー」
煩いのが来た。
「あのさあ。毎度言うけど返事を待つどころかインターホンが鳴り終わるまでにはいってきたら意味無いのよ。せめて待て。」
「だって待ってたら追い返されるじゃん?」
「当たり前だろ。人と会いたくないから引きこもってんの。」
「その割には親切に鍵開けてくれているのよねー(ニヤニヤ)」
「煩いぞ。そんなこと言うなら帰れ。」
「ちょ!? 待て! 追い返そうとするな! あ! やめっ! おい!殴るな!」
この煩いのの名前は
ちなみにうちに来るやつはあと数人いるんだよね。両手で数えられるほどだけど。だけど、こんな状態になって早四年来るというのに未だにそいつらは来てくれるから正直助かってる。そいつらだけが唯一安心できるよね。ある意味親よりも。だからまあこんな風に戯れても追い払ったりしない。向こうも分かっているから止めないんだよな。ちなみにこいつの弱点は脇。戯れすぎて覚えた。
「はーー 遊んだ遊んだーー」
「そうだな。」
「はぁ、お前なんで息上がってねーんだよ。体力お化けか。」
「これでも趣味は筋トレだからな。そこらへんの奴には負けないぞ。」
「いいよなーーーおまえは。ある程度運動もできて。」
「まあある程度、だがな。本気の奴らには負けるよ。」
「それでもできるだけいいじゃん。まあそれより、はいこれ、テストの解説と先生からの
伝言。」
「センキュ。コレは学校行かないと貰えないから正直助かる。」
「テストだけなんだしそろそろ学校来たら?」
「行かない。」
「あっそ。ならいいんだけど。もし行きたくなったら何時でも言ってくれよな。いくらでも手伝ってやるから。」
「、、、、、。」
そう、こんな奴なんだよ。言うだけ言って、踏み込まずに、自分の意志で動こうとするのをいつまでも待ってくれる。優しいやつだよな。俺につるむのは勿体無いくらい。昔そう言って突き放そうとしたんだが、
『お前がどう思おうとも、僕が君と居たいからここに居るの。それに君と居ると安心するしね。君がどんな過去を持っていても、ね。』
未だに何があったかは話してないし話してくれない。俺もあいつもお互い上辺だけなら言ったけどね。でもあいつは今の俺だけを見て一緒にいてくれる。だから俺も離れようにも離れられないんだよね。
「それより、だ! 初配信おめでとーーーーー!」
まっちゃんは急にテンションを変えていつも道理煩くしながら俺に一万円札を渡してきた。
「なんのつもりだ?」
「お祝いリアルスパチャ。」
「そんなもんはいらねーよ。自分のために使いやがれ。」
「お口わるわる助かる。」
そう言いながら押し付けてきた。
「なんかコメントに染まってね―か!? ってだからいらないって。」
「なら今日の僕の分の昼飯と晩飯代にでもして。」
「あーならいい、、、ってかお前晩まで居るの!?」
「いんや? 泊まってくけど?」
いやいや何当たり前のような顔で言っているんですかねぇこの女ァ!
「あのなぁ!コレでも俺男だぞ?狼だぞ?」
「でも今日が初めてでもないしね。」
「そうだけどさぁ。」
そう、こいつ月一ぐらいのペースで俺ん家に泊まりに来るのだ。ちなみに親公認。認めんなし、止めろし。
「おまえなぁ。泊まる日ばらばらなんだから前もって言えと言ったよな?」
「さーあ片づけでもしてあげようかなー」
「露骨に話をそらすな。ちゃんと言え、こっちにも準備ってもんがあるんだよ。」
「なになに?エロ本隠すの?」
「ちげーわ。てかねーよそんなもん」
「なんでよ!それでも男なの?」
「俺はWEB派だよ。てかそれ以外だよ。来客用の布団の準備とか、着替えとか。
「どうせすぐ出せるでしょ?」
「まあな。はあ、なんで俺こいつ相手だと振り回されるのかなぁ。」
三重人格でも相手しきれないこいつってなんなん。マジで。テンションやばくね?
結局、言い合いじゃれ合い時々勝負しながらも俺が折れてこいつは泊まっていくことになった。
なんでやーーーーー!なんで勝てへんのやーーーーーーー!
え?内容が欲しかった?それはピーーーでピーーーでピーーーだったりしたからちょっと無理かな。エッチなことはしてないよ。ほんとほんと。サキッチョだけだから。
まあ冗談なわけだけど。
そんなこんなで二時間も潰した。七時に起きてこいつが八時に来たからもう十時だよ。ホントこいつには勝てない。運動でも勉強でもゲームでも。なんでなん。驚きすぎてエセ関西弁なってしもたやん。まあここ関西やから素なんやけれども、さておき、だ。こいつと居ると疲れるなぁ。精神が。陽キャの光は眩しいぜ☆
「はぁ、疲れた。素直に泊まらしてくれればいいのに。」
「誰が男の一人暮らしの家にか弱い女の子を泊まらせるか」
「ぶぅ〜〜〜ケチ。あんぽんたん。意気地なし。」
「あんまり言うようならまじ追い返すぞ。」
「ハイハイ分かりましたよーだ。まあ茶番は置いといて、今日は何するの?」
「お前の場合茶番じゃなくて半分本気だろ。まあ、小説の続き書くのと、作りかけの曲、主旋律ぐらいは作りたい。あとなかなか進まん俺のアバター差分のモデリングをしよっかな〜なんて思ってたけれど。どれも期限とかあるわけじゃないから無計画。」
「なら僕のアバター作ってよ。」
「はあ!? 何いってんのマジで?狂った?とうとう狂った?」
「誰が狂ったボクっ娘野郎じゃゴラァ!」
「ヒィ! すいませんすいません、、、ってお前マジで怖いんだからやめろよ。まじのヤンキーかよ。」
「おおっといけない。素が出るところだった。
「お前それが素なの?」
「じょーだん☆」
「やっぱこいつ殴ろう」
「やめろお前の
「ヤンキーにハマるってなんだよ。まあいいとして。」
こいつと話していると話が進まんからな。色んな意味で。
「ちょっと今なんか失礼なこと考えなかった?」
「いえ何も。てかまじでアバター欲しいの?」
「うん。昔書いた異世界同位体のイラストがあるでしょ?浹も使ってるじゃん。あれ使えばイラスト書かなくて済むだろうし、設定もあるしね。あと個人的に僕が気に入ってる。」
異世界同位体とは、我らが花の中2(厨ニ)のとき。その欲望の赴くままにそれぞれがこんな能力を持ったやつが異世界に居たらな。という自分の妄想の化身を『同位体』と称してイラストに仕上げていったのがそれ。あのとき俺は”ある奴”にイラスト教えてもらいながら二人で書いたんだよな。あの当時、俺がいつかVやりたいと言っていた頃、あいつも一緒にVやりたいとか言っていたし、今誘ったらやってくれるかな。でもいま若干疎遠なんだよな。まあ今度久々(一年ぶりくらい)にLINM《ライム》でも送ってやるか。
「まああれ使えば楽だけどさ。でもなんで唐突に。」
「君に嫉妬したんだよ。結局何もかも偽ってしか居られない僕と違って、素の自分を全部出して楽しそうにしている君に、ね。それに、あんなに楽しそうな君と、一緒に居られないのは苦しいから。」
「、、、、、。まあお前も色々あるもんな。いいよ、なら作ってやるよ。」
「ついでに君の箱に入れてくれる?」
「まあ人数が集まったらな。よし!なら早速仕上げるか!ちなみにデビュー日は今日な。」
「うん、、、ってえぇ!?まじで言ってんの!? 流石にこの僕でも気持ちの整理とかができてな「まあなんとかなるから」い、って本気かよ! 第一アバターはどうするんだよ?」
「実はすでに作ってたりするからあとは調整のみ。」
「なんでこんな時に限って!も〜う、久々に振り回されてる〜〜〜!誰かこいつを止めてえぇぇ〜〜〜」
ふっふっふ。いつもの鬱憤晴らしてやる。(八つ当たり)
そんなこんなあって、イラストの調整、髪型差分、表情差分を五時間ぐらいでぱぱっと仕上げ、モーションもつけ、モーションキャプチャーに読み込ませて、完成。
時刻は午後六時。丁度いいな。
「すごい、、、3Dになるだけでこんなにもかっこよくなるんだ。」
「中性的な見た目だが設定上は女だからな。嫌なら男に変えるけど。」
「なら男がいいかな。」
「OK。あとで変更しとくは。とりあえずは俺のサブpc貸してやる。しばらくはコレで配信しろ。」
「ありがと。ソレは助かるよ。」
「そしてその他の説明だが、、、」
みたいな感じでモーションキャプチャー用のカメラがなかったから器具の方(リン○フィットみたいなやつ)の使い方を説明して、スライド作って、どんなことしたいかをまとめて、動画の上げ方、キャプチャーボードの使い方、軽い編集の方法などなどの最低限を教えながら俺の方のつぶやいた―で告知。
【お仲間デビューーー!!!】
《今日19時から僕の相方がデビューするよ!いわゆるサプラーイズッってやつだね!僕達と一緒で面白いやつだから、ぜひぜひ見てね☆》
「とりあえず機器類の使い方はいけるか?」
ピコン!
「うん、なんとか。ていうか今スマホ鳴ったよね、、、あ、つぶやいたーから通知だ。ってコレ浹のやつじゃん。」
「フォローしてるのかよ。」
「あ・た・り・ま・え☆」
「行動がうざい。ってか遊んでないで続きやるぞ。」
「え〜ん、浹がボケに乗ってくれない〜〜〜、スパルタだよぉ〜〜」
「お前ならできるだろ、ほら、早く。」
カタカタカタカタ、、、
「よし。とりあえずスライドもできたな。」
「う、うん、、、なんとか、だけど。」
「よく頑張ったよ。まっちゃは。んでだ、まず最初に自己紹介。んでそこから軽く雑談。なんでVやり始めたかとか、夢とか、どんな人間ですとか、身バレしない程度に日常のお話もOK。」
「あーそういう感じね。了解」
「ただし俺の名前は出すなよ」
「なんでよ!」
「何を勘違いしてるのかは知らんが、渡來と言え。浹は無しだ。」
「あーね。ごめんね。渡來、違ったわ。」
「それでいい。あとは始まりの挨拶とかそのスライドにリストアップしていることをやって、最後に時間が余っていれば雑談とか、ゲームとか、歌とか。ただし歌は利権の問題があるから、その紙にリストアップされているもののみな。まあ、今日は避けてくれるとありがたい。」
「了解!。はぁ〜緊張してきた!。」
「気負うな。とは無理だがいつも道理でいいんだよ。それこそ俺と話すときみたいにな。」
「ありがと。でもなんかあったら渡來を呼ぶね。」
「おう。隣で見ているよ。」
なんて相変わらず遊んでばっかだがとりあえず準備はできた。俺は隣の部屋で待機。何かあったら助っ人で登場、って感じ。さあ、頑張ってこい!
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