第7話 チェックやってみる?

 2回目の練習をしている俺の後ろには保坂さんがいて、背中合わせの状態だ。一方前にいる田辺さんは、俺にエロい誘惑をしてからかっている。


そのせいで、俺のはほぼ完全に大きくなってしまった。これを保坂さんに見られるのはマズイ! 早く冷静にならないと!



 …アラームが俺の後ろから聴こえる。練習前に保坂さんが「5分やる」と言った時にセットしたようだ。


「時間ね」

保坂さんはそう言ってから、俺の前に移動する。


田辺さんも彼女の隣に移動した。さて、肝心の練習の結果だが…。


「目黒君、それについて言い訳したいなら一応聴くけど?」

テントを張ってるを指差す保坂さん。


やはり冷静になる事は出来なかった。陰キャの俺には刺激が強すぎたんだよ。


「……」


「昨日よりひどくなるってどういう事よ!?」


「めぐろくんはスケベだよね~♪」


仮に田辺さんのやった内容を言ったとしても保坂さんの事だ。「誘惑に負けた目黒君が悪い!」とか言うに決まってる。説明するだけ無駄だな。


「他の男子に構う余裕はなさそうね。目黒君に付きっきりになりそう」


「あたしも手伝うよ~♪」


元凶がそれを言うか。だが、どんな事もいずれ慣れるはず。時間が経てばきっと…。



 「ほさかさん、昨日あたしがやったのをめぐろくんにやってあげてよ」

突然意味不明な事を言い出す田辺さん。


「昨日やった事って何?」


「あれだよ。大きくなったかチェックするやつ」


尻を俺のに擦りつけたアレか…。


「何でよ!? チェックするまでもなく大きいじゃない!?」


「今はそうだけど、微妙な時はチェックしないとわからないよ?」


「……」


「ほさかさんはいずれ、他の男子にも練習するんでしょ? その時はあたしいないんだから、できるようにならないと」


「でも…」


保坂さんが躊躇するのは当然だ。この件に俺が口を挟む資格はないな。


「あの時女子の気持ちを知っておくと、もっと練習に熱が入るかもよ?」


「…確かに。感覚というか感触は気になってたから」


「だって。めぐろくんもそれで良いよね?」


「はい、良いですよ…」


真面目でお堅い保坂さんがアレをやる? 失礼なのは百も承知だが、興味はあるんだよな。あまりリアクションしないようにすれば大丈夫か?


「ちょっと待ってね」


保坂さんは深呼吸し始めた。そんなに緊張する? そして、覚悟を決めた彼女は尻を少しずつ俺のに近付けていく。


…ついに彼女の尻が当たる。今のところ、田辺さんとの違いはよくわからない。


「……うわぁ」


保坂さんは嫌悪が伝わる声を出した。それからすぐ、チェックを止める。


「こんなの当てられたら『痴漢!』って言いたくもなるわ。あの時の女子は大袈裟じゃなかったわね」


仕方ないとはいえ、あそこを“こんなの”と言われるのはショックだ。


「目黒君。今日はここまでにするけど、練習はこれからも続けるからね!」


「わかりました…」


「んじゃ、教室に戻ろっか~」


先を行く保坂さんと田辺さんに続き、俺は歩き始める。

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