第8話

「風が気持ち良いな〜」

 フルダイブってすごいな本当に自分が風にあったているみたいだ。

 俺は巨鳥に乗せられて一番近くの街へノエルと向かっていた。

「ん、決めた、ノアよろしく」

「ガウッ!」

 名前か……。

「名前はニクスにしたよ!よろしくなっ」

「ピィーーーーー!」

 ニクスが嬉しそうな鳴き声を出す。

「ニクスあの平原に降りれるか?」

「ピロッ!」

 ニクスが『わかった!』と言うように鳴いた。

「聖香〜あそこの平原に行こう!」

「うん、!」

 俺は森を駆けている聖香に言う。




「お兄ちゃん、あの壁……たぶん目指してる街」

「おっけー!」

 俺は聖香と地上で合流し平原から見えている街と思われる石造りの壁を目指して歩くことにした。

 このゲームは自分でマップを開拓していかなければ表示されないのであれが街と確定しているわけでは無い。

「ノア小さくなれる?」

 いや、そんな馬鹿な……。

「ガウッ!」

 俺はそんな思うように小さくなるわけ―――と思ったが、聖香がノアと名付けた巨狼はみるみる内に小さくなっていく。

 そして大型犬サイズになった。

「ワンッ!」

 いや、それはもう犬じゃん……。

 小さくなったらノアは鳴き声も可愛らしくなるのだろうか?

「ニクスもできるか?」

「ピィー!」

 ニクスにノアがしたことをできるかと聞くと『できるよ』って感じで胸を張って鳴く。

「できた……!」

 どうやらニクスもできるようだ。

「ピヨ」

 俺の肩に乗れるほどのサイズになってしまったニクスの鳴き声はスズメの様に可愛らしいものだった。

「聖香ってどうしてそんなにゲームについて知ってるの?」

 攻略情報でも調べたのだろうか……。

「感、だよ?なんとなくわかるんだ」

 あっ、聖香ってきっとスポーツとかも言葉で言われるより自分でやって何と無くわかってしまうタイプか。

 友達にも居たわ〜。体育の時にどうやるの?って聞いたら『セイッてやってチョッだよ』って答えてきた運動神経抜群のやつ。

「なるほど―――」

「えへっ!」

 聖香が得意げそうに笑う。

 可愛い―――。可愛い=最強である。

 結構遠いな……。俺は思っているより遠かった街までの道のりを聖香とノアとニクス。

 1人と2匹で聖香との会話を楽しみながら歩いていった。




1:名無しの異界人

オリエント・アリア・ファンタジーの攻略班って今どこまで行った?


2:名無しの異界人

ついこの間出てたネットの書き込みは始まりの平原にある初期街から3つ進んだ4つ目の街まで進んだって書き込まれてたで


3:名無しの異界人

そやそや、なんか5つ目へ行く4つ目の街の街道にめっちゃ強いモンスターが一体居るらしいで。


4:名無しの異界人

〈〈〈3

街道の外に森があるやん、なんで行かないん?


3:名無しの異界人

森はだめや。わんさか強いモンスターが居る上にモンスターからのドロップ品が出なさすぎて最初は何人かそっちルートを挑んでいたが、もう今は誰も挑戦しとらんで。


4:名無しの異界人

そか……。つまりある程度時間が立って攻略班が育成されるまで街の開放は無いん?


5:名無しの異界人

恐らく、そうなるやろな〜。


6:名無しの異界人

攻略班に期待や


7:名無しの異界人

頑張ってくれ〜


8:名無しの異界人

ん?


9:名無しの異界人

〈〈〈8

どした?


10:名無しの異界人

ワールドアナウンスや!


11:名無しの異界人

〈〈〈10

本当か?


12:名無しの異界人

ワイも聞いたで、でも街開放ではないっぽいで。


13:名無しの異界人

なんや……。冷めたわ。


14:名無しの異界人

でも神々と契約が―――。って出てるで?


15:名無しの異界人

おっ?新要素か?


16:名無しの異界人

これは期待!




―――――――――

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