第7話

「お兄ちゃん、や、っほ!」

 気がつくと森の立っていた俺の隣に少し遅れて聖香もやってきた。

「おう!聖香も来たか」

「うん、!」

 でもチュートリアルが終わった後のリスポーン地点って森だったかな?

 ネットには始まりの平原って載ってた気がするけど……。

「お兄、ちゃん、あの木の中なんかある」

 聖香が真っ直ぐ指を指す。

 その先には周りから抜きん出て大きい大樹の根本にできた空洞があった。

「気になるし行ってみるか」

「んっ」

 やっぱこういうゲームは冒険だよね!

 俺と聖香は大樹の根本をくぐり抜けた。

 中は暗く空間の中央付近に石台が2つまるで俺達に準備されていたかの様に鎮座している。

 片方には剣が片方には弓が飾られている。

「これ取って良い、かな?お兄ちゃん」

「良いんじゃないか?」

 貰えるならもらって置きたい。

「しの、剣が良いな……!」

「じゃあ、俺は弓を貰うかな」

 それぞれ石台の前に行き武器を取る。


『神弓:Ullrウルを装備しました(解除不可)』

『称号:神の使徒 を獲得しました、種族の変更を行います』

『プレイヤーが偉業を成したためワールドアナウンスを行います、初めて異界の民が神との契約を結びました』

 

「何々!?」

 弓を取った瞬間一気にチュートリアルの時と同じ声が頭に響く。


『異界の民が神と契約を結びました』


「お兄ちゃん、この剣Tiamatティアマトっていうらしいよ」

 そう言いこちらにやってきた聖香の頭には獣耳、背中にはモフモフの尻尾が生えていた。

「し、聖香、頭に耳付いてるよ!?尻尾も!?」

「み、耳?尻尾?」

 キョトンと聖香が首をかしげると頭に付いた獣耳がピコピコっと動き、尻尾がユサユサとなびく。

 可愛い―――。

「わ、わっ!な、なにこれ!」

 聖香が耳と尻尾を触りながら言う。

 俺も触りたい…… 。

「でも、なんか、、可愛いから良いや!」

 ニコッと聖香が笑う。

「お兄ちゃん、の弓には、、名前あった?」

「ああ、俺の弓もUllrウルっていうらしいよ!とりあえずこの森出て街に行こう」

「うん!《召喚サモン》」

 聖香の側に聖香の髪とは対照的な黒い毛並みの巨狼が現れる。

「ガウッ!」

「よろ、しくね」

「え、どこから出したの?」

 チート……!?

「お兄ちゃん、も唱えてみな、、!」

 そんな都合よく……。

召喚サモン

 ほらやっぱり―――。

「羽?」

 羽が空から落ちてくる。

 不意に上を見上げると、綺麗その一言に尽きる巨鳥が飛んでいた。

「ね、っ?」

 まじか……。

「《ウィンドウ》」

 俺はウィンドウを開きステータスの画面を見ると。


name:アステール Lv1

種族:使徒

STR:100(x2)

DEX:100+500(x2)

VIT:100(x2)

AGI:100+500(x2)

INT:100+500(x2)

MND:100(x2)

特殊―――

なし

スキル:《召喚サモン》《集中》《狙い撃ち》《致命射クリティカル・ショット

能力:《神術行使》

称号:神の使徒 神具使い 天賦の才(弓)


使い魔

name:(未定)

種族:神獣

スキル:《飛翔》《隠密ハイド》《羽矢》《全属性魔法》

能力:《神の怒雷イラ・サンダー


 うーん、とんでもないステータスだな……。絶対これおかしいよね。

「お兄ちゃん、街あっち……」

「がう!」

 巨狼に跨った聖香が呼ぶ。

「ピィーーーーッ!」

 俺が召喚した巨鳥が乗れと言わんばかりに鳴き地面に着陸する。

 でも、ちょっとしたイレギュラーがあっても良いよね!

「面白いじゃん!レッツゴー!」

 俺達は街を目指して移動を始めた。




―――――――――

少しでも面白ければフォローと✧星評価✧をぜひ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る