第6話 あなたにサバイバル精神はありますか?

         そろそろあいつの名前考えないとなぁ。


           と思っていたらもう来た。


           『あるじーこれでいい?』


  「うん速いねぇ、どうやったらそんなにどっちゃり採って来れんの?」


          『すごいでしょぉー(フンスッ)。』


       いやフンスじゃなくて質問に答えて欲しいなぁ。


           「で、毒草とか大丈夫?」


          『んー大丈夫なんじゃない?』


            うわーめっちゃ不安!!


   ええい!こっち腹減って死にそうだしうまけりゃいいんだうまけりゃ!


   なんやかんやで30分後俺は無事料理を完成させたのだった・・・。


        『わぁーおいしそー!もう食べていい?。』


               「いいよ。」


                ハグハグ


               『んっ!?』


      「急にどうした!もしかして口に合わなかったのか?」


                『お。』

 

                「お?」


               『おいしー!』


             「なーんだよかったぁ。」


               ・・・俺も食うか。


              モグモ・・・・。


              「うぅんま!!」


 なんかよく分からない肉となんかよく分からない香草の旨味が口にひろがっ


                て・・・。


  これは会社のツテで行った時の三つ星レストランのような味だぁ・・・・。


           いかんもう食べ切ってしまった。


            「・・・・・・ゔっ!!」


        な・んか・・・急に・・・・目眩が・・・・。


       頭も・・・・いでぇ、ぐわ・・・んぐわん・する。


     『あ!あるじを助けなきゃ!スキル<ホーリーフィールド>!』


      「お・・・・・・お?なんだか急に治った・・なんで?」


『僕のスキル<ホーリーフィールド>だよ。能力は対象の生き物をどんな傷や猛毒をも


             治すやつだったと思う。』


   「あぁあれかそんな能力だったんだ。てか自分でも曖昧なのかよ。」


    もう周りや自分がチートすぎてあまり驚かなくなっちゃったよ。


           「さてとこれからどうするよ?」


           『僕はあるじについていくよ。』


          あ、名前だ名前こいつに名前つけんと。


              『んーどしたの?』


             「いやお前に名前をな。」


               『名前っ!!』


            「おお、急にどうした。」


           『僕に名前をつけてくれるの?』


             「う、うんそうだよ。」


             『早くつけてつけて』


       この犬は嬉しそうに俺の周りをぐるぐる回っている。


           「ちょ、ちょっと待って。」


どんな名前にすっかなぁポチとかでもないしなぁ・・・・・・・・・・・・・・あ!


        「よし決めた!お前は今日からハチだ!」


        名前の由来は御察しの通りかもしれない。


       『わあぁぁ僕今日からハチなんだぁわーい。』


     ちょっと反応薄いけど元々っぽいし可愛いから許すか。


          「気に入ってくれて何よりだよ。」


  ハチはジャンプしながら俺の周りを数回回ってから何やら顔をしかめた。


            『・・・・・あるじー。』


              「ん?どした?」


          「あ〜〜そうか知らないのか〜。」


               『?なにが?』


           「俺追放されたんだよ、家。」


        『・・・・えー!こんなにいい人なのに?』


    「いい人って言われたら照れるけどまー色々あったんだよ。」


           俺は今までのことを全て話した。


    『ふぇ〜そんなことがあったんだ、僕は絶対ゆるせないね!』


「ま、そう言う事なんだけど、その前にこの森からどっか別の所に行かないとな


                 ぁ。」


       『そうだねこの森にずっといても楽しくないもん。』


             「んじゃレッツラゴー!」


      ハチは俺の隣で「乗ってきな!」みたいな顔をしている。


             「・・・・乗るって事?」

         

                『うん!』


              「じゃあ失礼して。」


               『いっくよー!』


                ビョァオォン


   そして俺は変な走り出し効果音と共に大きな一歩を踏み出したのだった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る