ミミズ
ミミズたちはまいにち土だけを食べていました。
同じものだけを食べるのに飽きてしまったミミズたちは年に一度神様に会える日に土以外の物を食べたいとお願いしてみようと相談しました。
いよいよその日がやってきたのでミミズたちは神様の前に進み出て「わたしたちがこのまま土だけを食べているとそのうち全ての土がなくなってしまうかもしれません、どうか他の物も食べる事をお許しください」と言いました。
いぶかし気な神様は「そなたたちがこの地上の全ての土を食べてしまうと言うのか」と聞きました。
ミミズたちは長い体をくねくねさせながら「はい、いずれはそうなると思います」と自信たっぷりに答えました。
それを見た神様は「この地上にどれだけの土があるのかも知らないで身の程を知れ」と一喝しました。
ミミズたちは小さく縮こまってしまいますがなおも少しだけでいいのでと言い募ります。神様は仕方なく「それでは毎年この同じ日に地上に出て好きな物を食べるが良い」といいました。
ミミズたちは大変喜んで神様に感謝しました。それから一年に一度だけ今日と同じ日に地上に出て好きなものを食べようということになりました。
一年後、地上に出たミミズたちはあっという間に鳥に食べられました。草むらに潜もうと逃げるとトカゲや蛇に食べられます。
その日は一年で一番暑い日でしたので食べられずに生き残ったミミズたちは干からびて結局死んでしまいました。
こうして一年に一度、ミミズの数が減るので地上の土がなくなることはありませんでした。
おわり
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