七枝ふたたび(弐)




 符がある。

 紙ではなく、何らかの繊維を編んで作った長方形の布だ。金属光沢があるのは、細く叩いて糸にした銀を織り込んでいるからだ。遠目で編み目が見えないのは、それが極めて細かく複雑に織り込まれたためなのだろう。


 符には、紋様が描かれている。刺繍されているのでも、織り込まれているのでもない。漆に似た顔料を、毛筆で描いているのは理解できる。それが果たしていかなる顔料で、いかなる材質の毛筆で描いたのかは想像もつかない。


 片手に余る大きさのそれを、文彦はベルの胸元に貼った。糊付けしたのでもピンで留めたわけでもないのに、符は吸い付くようにベルのスウェットに張り付いた。試しに身体を動かしても、符は微動だにしない。理屈を考えても仕方がなく、そういうものだと納得してベルは文彦を見た。


 これはなに?


 口に出さずとも理解できる質問なので、目線で訴える。

 即答せず、文彦はベルと似たようなスウェット姿で準備運動を済ませる。


「言葉で説明できるほど、おれは頭良くねえからさ」


 身体で覚えてもらう。

 文彦はそう告げると、武道家のように構えた。

 するとどうであろう。

 体術の訓練を受けているとはいえどちらかといえば足技中心だったベルが、分野違いに等しい構えをとった。それは文彦と全く同じものであり、そのタイミングも完全に同調していた。


「……え」


 自分のものではない感覚、しかし間違いなく己のものである肉体の反応に驚きうろたえるベル。普段は使わないような筋肉が盛り上がり、血液の流れも一気に変化するのを知覚している。


(同調している?)


 否。

 それはむしろ「支配」に近かった。呼吸のタイミングも、心臓の鼓動までもが文彦の支配下にあるようだった。神経に負荷の大きい呼吸と鼓動のリズムとは裏腹に、ベルの心身にこれまでにない魔力の高まりを自覚する。


「練気と結印、それに詠唱。感覚を掴んで、それを無理なく行えるように身体を鍛えてもらう」


 魔力の引き出し方と、その操作方法を知る。その上で、これを可能とするための基礎がどの程度必要なのかベルに自覚してもらう。

 それが文彦の目論見だった。

 影使いとしての文彦が炎術師に教えられるのは、術の基礎部分だけである。だが、実戦で最も求められるのは基礎であり、真っ先に鍛えなければいけない部分でもある。だから容赦しない。


「まずは、練気!」


 叫ぶと全身を巡る血液が一気に勢いを増し、同時に身体の内圧が膨れ上がる。ベルは鼻血を吹き出し、全身の毛穴より血の汗が流れ落ちる。筋肉の何割かが断裂したかもしれない。激痛がベルを襲うが、悲鳴を上げようにも身体は動かない。


「続いて結印!」


 ベルが知る誰のものよりも素早く正確に指と腕が動く。それだけで腕の筋肉と筋が、普段使わない部分まで曲がったり伸びたりするために構造上の限界を迎え、指関節の軟骨に亀裂が生じ爪が割れる。更に、極限にまで高められた魔力が身体の数箇所に収束し、それがベルの身体的許容量を越えているものだから、その箇所より噴水の如く血が噴き出す。鼻血は既に止まっていたが、こちらの出血量は身体機能を極端に低下させ生命さえ危機に陥らせるほどのものがあった。文彦はそれを自覚していたが、これにもかまわず作業を続ける。


「詠唱!」


 舌が動く。

 空気が振動を伝えるより早く、正確無比な舌と咽喉が次の動きを完成させ新しい振動を生む。複雑に重なった言葉はもはや人間の発する音声を超越し、衝撃波さえ生みそうである。無論そのような喋りを普通の人間が出来るはずもない。ベルの口中は血まみれとなった舌が出たり入ったりしつつも動きを止めようとはせず、溢れ出る唾液は気管に垂れて咳き込もうと刺激を送る。もちろん、咳をして唾液を吐き出すことなど出来ないから地獄の苦しみが更に追加されるわけだ。


 術はまだ発動していない。

 発動してはいないが、ベルの心身は限界を迎えていた。ここで術を唱えれば、まず間違いなく彼女の肉体は術式の反動に耐えられないだろう。文彦はそこで全ての動きを止め、ベルの胸元より符を外す。途端にベルは糸を失った操り人形の如く地面に崩れ落ちたかと思うと痙攣を始めた。

 口からは泡を吹いている。

 身体の自由を取り戻したはずなのに起き上がることも、喋ることも出来ない。現時点で既に生命の危機を迎えており、下手に動かすことも躊躇われるほどの有様だ。


「つまり、みっちり鍛えないと術に耐えられないってことなんだが」


 それより先に病院だと、文彦は慌ててベルを転移させるのだった。




◇◇◇




 紙飛行機があるとする。

 何の変哲もない紙飛行機だ、それこそ新聞の折り込みチラシを使って作ったものでもいい。折り方も工夫できるだろうが紙飛行機の限界を超える性能を発揮することは難しい。大きさも普通だ、意表をつく必要はない。

 その紙飛行機に、どういうわけかジェットエンジンを搭載してみる。超音速攻撃機に使っているようなものを、そのまま搭載するのだ。大きさとかバランスの狂いなど無視して、とにかく飛ばそうとする。


 紙飛行機を。

 音速で飛ばすのだ。


「すると紙飛行機はどうなると思うデスかぁ?」


 パトリシア・マッケイン博士は笑顔で迫る。額に青筋が浮かんでいなければ赤面もするだろうが、こういうときの彼女が激怒していることを村上文彦は経験から理解していた。


「加速にさえ耐えられず、紙飛行機は即座に潰れる。下手をすれば空気取り入れ口に吸い込まれて消し炭に」

「いえーっす、多分間違いなく正解デース」


 きちんと解っているデスねー。

 幼児を褒めるように文彦の頭を撫でるパトリシア。ただし、その力加減はアルミ缶を縦に潰すほどである。文彦の頚椎がぐぎぎぎと悲鳴を上げるが、言いようのない恐怖に縛られて文彦は視線を外すこともできない。


「では質問その2デース」


 新婚家庭の新妻がとっておきの献立を夫に紹介するような、年齢を考えれば問題ないはずなのに何故かトウが立っているような可愛らしい仕草に明確な殺意をにじませ、パトリシアは真横のベッドを指差した。

 真っ白な洗い立てのシーツ上には、全身に包帯を巻きつけ素肌さえ露出していない人間が横たわっている。両手両脚が異様に膨れているのは骨折した部位をギプスで固定しているからであり、よくよく見ればそれらの処置がほぼ全身に及んでいるのがわかる。

 出来の悪いロボット、例えるのならガンダムに出てくる水陸両用モビルスーツを連想させる姿だ。

 誰であろう、ベル・七枝その人である。

 筋肉の断裂、骨格の破損、神経節の破壊、部位によっては内臓の破裂。三課関連の病院に担ぎ込まれた時に心肺機能は停止しており、魔術により身体組織の再生が果たされた現在も人工呼吸器が外されていない。


「それが解ってて、どーしてこんな事したデスかー」


 質問ではない。

 語尾は上がっていないし、空いた手が文彦の頬を思い切りつねり上げている。ゴム細工のように頬を伸ばしつつ、文彦は他人事のように「それがなあ」となんとも不思議そうに首をかしげている。文彦としては十分に加減をした上で訓練を施したわけで、基礎訓練を真面目に修めていた術師ならばここまでひどい損傷を受けるはずはない。


「ああ」思い出したように手を叩く文彦「精神集中で術を組み立てる炎術師に、いきなり練気を体験させても耐性ある訳ないか」


 瀕死になるのも無理ねえや。

 爽やかに笑って全てを流そうとした文彦の側頭部を、パトリシアは金属ハンマーで容赦なく殴打した。




 その日の夕刻のことである。

 寝たきりのベルに意識が戻った。

 感じたのは、自分が知らなかった術の世界だ。

 限界と思っていた先の領域に、極めて繊細で力強い世界が待っていたのだ。そこに到達するためには何をすればいいのか、ベルは理解した。闇雲に心身を鍛えるのではなく、はっきりと見える目標があるから迷わずにトレーニングを積むことが出来るだろう。


 あの一瞬。


 自分は術を唱えるまで身体をもたせる事が出来なかった。魔力を増幅し収束させておきながら、それを解放するまで心と身体が耐えられなかったのだ。

 なんという屈辱。

 小手先気の技術云々ではない。術師としての基礎がはるかに及ばなかったから、この体たらくなのだ。


(治療の専門家が到着するまでの二十時間、指一本動かせない)


 応急措置をした術師仲間の言葉が脳裏にて何度も繰り返される。それは、現代医療では手がつけられないほど彼女の身体が損傷していることを意味している。術で身体機能を再生させたとしても、復調するまでにはしばらくの時間を要するだろう。

 その時間。

 その時間が惜しかった。身体に残る感覚、それを己のものとするためには身体を動かし術を組み立てたい。寝たきりでは、せっかく手に入れた感覚を忘れてしまう。喪失する前に自身のものとしなければ、文彦がそれを施してくれた意味が無くなるのだ。


(動け、私の身体っ)


 言葉にならない咆哮を上げる。

 言葉にもならず、まして自発呼吸もできない身体では声も出ない。悔しくて涙を流したくても、それすら適わない。

 と。


「身体に巡る力の流れを感じるか」


 声が聞こえた。

 視線の届かぬ場所に立っているのか、文彦の声だ。そう言われ、ベルは自身の身体を巡る幾つかの力を知覚した。それは元素魔術を行使するための魔力であり、気功使いたちが源としている生気の流れだった。かつての彼女ならば気付かなかった力の流れ、それこそ細胞の一つ一つに至るまでの経路というものを知覚する。


「知覚できたら、それを操作してみろ」


 呪文も結印でもなく、精神集中のみで。

 それは術師が最初に訓練する内容に近かった。文彦の言葉は最小限で説明不足だったが、なぜかベルは彼が言わんとすることの詳細を把握することが出来た。件の訓練で身体が同調した際に、ひょっとしたら気持ちもつながったのだろうかと苦笑し、文彦の指示通りに魔力の流れを操作する。

 その行為自体は極めて単純で、身体機能が停止したベルにも出来ることだった。するとどうだろう、魔力の流れを変化させると手足の感覚が蘇り指先が動き始めるではないか。ベルは驚き、更に魔力の流れを変化させる。破損した神経に替わって魔力が身体を動かしているのだ。


 気付けばベルは立っていた。

 医者が見れば悲鳴を上げていたに違いない、そういう状態にもかかわらずだ。


「それが『練気』だ」


 少しだけ満足そうに文彦が頷く。

 彼はベルの足下に手を伸ばし、西日を受けて濃く長く伸びる影にその手を深く沈めた。リノリウムの床に差す影がコールタールのように強い粘り気をもって大きく揺れ、そこに文彦の腕は肘まで深く深く沈むのだ。文彦は何かを探るように腕を動かしていたが、直ぐにそれを探り当てたのか一気に引き抜いた。

 影より現れるのは、もう一人のベル。

 怪我はなく、またその姿についても何も変わらない。鏡のように瓜二つの姿を持つそれは、影や鏡像と違い立体である。その首根を掴むようにして文彦は、それをベルの身体に押し当てた。


 直後。


 ベルの身体に巻きつけられたギプスが全て砕けた。縫った痕跡も全て綺麗に消えている。骨も内臓も神経も、何事もなかったかのように元通りとなっているのだ。いや、それは単純に「再生」という言葉で片付けられるものではない。


「こんな術、知りませんでした」


 心底驚き、己の手足を動かしつつ文彦を見る。


「元は呪詛用の術だし」


 さらりと言う文彦に、硬直するベル。


「感覚を、己のものに出来るか?」

「努力します」


 何気ない問い掛けだったが、ベルは力強く返事した。

 自分に足りないものを自覚しているから、何をすべきかを理解しているから、余計なことは言わない。ベルの決意に気付いたのか、文彦は嬉しそうだ。


「そっか」

「はいっ」

「じゃあ、今度は遠慮なしに最後までやるか」


 沈黙が生じた。

 ベルは笑顔のまま硬直し、そのまま数歩退く。


「あの……さっきの体験だけで十分っす」


 できるだけ穏便に断りを入れようとして。

 絶叫が七回目を過ぎる頃には病院関係者は誰一人として現場に駆けつけようとはしなかった。




◇◇◇




 階段を下ることも、ベル・七枝にとっては立派な訓練だった。

 神経の流れではなく、魔力の流れで身体を動かす。手足を棒のように振り回すことならば容易でも、十指を同時に動かし細かな作業を行うのは極めて難しい。

 身体を巡る魔力の流れをコントロールし、その上で日常生活を送る  それが、村上文彦がベルに課した次の訓練内容だった。

 それは術を組み立てるよりもはるかに複雑で繊細な作業である。誤まればパジャマのボタン一つ外すだけで力を使い果たし、何も出来なくなってしまう。事実、最初の日はパジャマを脱ぐ途中で力尽きた。しかし現在のベルは驚くほど早いペースで魔力操作のコツを掴み始め、十日過ぎる頃には朝食を済ませるまで魔力が続くようになっていた。


 ただ走るだけなら、数キロを全力で駆けても呼吸が乱れない。

 周囲は「劇的な変化だ」と驚くが、ベルにしてみれば「今まで片足で跳ねていたのを、両脚で歩き始めただけ」という感覚である。

 事実彼女の魔力そのものは以前と比べても極端に増大したわけではなく、その出力は平凡なものだ。三課の職員達も調べたが、明確な変化を見出せなかった。だからベルがピアノで「猫踏んじゃった」を演奏した時にも、彼らは文彦が驚嘆した理由に気付かなかったし、ベルの笑顔の意味も深く追究しようとは思わなかった。


(より大きな力にも耐えられるよう、身体を鍛える必要がありますね)


 筋肉が、骨が、内臓が。

 鍛える度に魔力への耐性を強めていくのを自覚する。今のベルにとって重要なのは、より大きな魔力の行使に耐えられる身体の完成なのだ。

 朝食を済ませたら、また走りこみに行こう。

 そう考えながらベルは階段を下りる。頭上に、どこから紛れて来たのか一匹の蝿。ベルは軽く膝を折って身体を沈ませると手刀を上方に繰り出す。目にも止まらぬほどの速度で振り上げた指先より繊維のように細い炎が伸びて、ぶぶぶと不規則な軌道で飛んでいた蝿を両断する。切断面には焦げ目すらなく、しかし動きの止まらぬ翅が縦二つに分かれた蝿の身体を左右に割くと、蝿は青い焔に飲み込まれて灰となった。以前のベルには到底できない芸当であり、ついでに言えば犬上支局の誰にも真似できない事だ。


「……もう少し、炎を絞らないと」


 宙に融けて消える灰を眺めて一言呟き、ダイニングルームに入る。

 視界に飛び込むのは、後頭部に大きなこぶをつくって気絶している文彦と、その母・深雪だ。二人を昏倒させた村上小雪は慣れた手つきで中華鍋を洗っており、朝食が並ぶテーブルには人数分の食器が並んでいる。


「あ、ごめんなさいベルおねえちゃん。煮込みがちょっと足りなくて、もう少し時間がかかるんだけど  いいかな?」

「大丈夫だーいじょうぶです」


 本当に済まなさそうに頭を下げ手を合わせる小雪に社交辞令ではない笑みで返すベル。


「あたし、も少し汗を流すことにするし」

「うん。じゃあ出来たら呼ぶね」


 ぱたぱたとスリッパを鳴らしながらキッチンに戻る小雪。

 ベルは二度三度深呼吸すると、床に倒れたままピクリとも動かない文彦の足を掴むと自室まで引きずり込み。




◇◇◇




「やっぱり、あまり効果なかったみたいです」


 三課事務局、正確に言えばパトリシア・マッケイン博士の机の前でベルは証言した。

 パトリシアの机には、一枚の便箋。少し離れてデジタルビデオ用の記憶媒体がさりげなく置かれている。


「効果とは何でありますカー」

「東京で訓練を受けている友人の話で、エッチすると魔力が上がるって聞いたんです」


 呼吸が一瞬停止した。

 近くで茶を飲んでいたOL風の女性が吹き出して咳き込み、ベルの用事が終わるのを待っていた若手職員が抱えていた書類をばさばさと落とす。


「でも、文彦さんの話だと『効率が悪いし炎術師には意味がない行為だ』って」

「そ」


 なんというべきか言葉を考えて、しかし適当な言葉が全く見付からないパトリシア。


「それはやっぱり、文彦は専門家だから信用して良いのではありませんデスカー」

「あたしもそう思ったんですけど」

「……けど?」

「自分で試してみないと分からないし納得できないことってあるじゃないですか。そういうのって、曖昧にするのすっごい嫌なんで」


 言いようのない沈黙が、その場を支配する。

 ベルはあくまで平然としている。笑顔の裏に言いようのないものを潜ませてはいたが。


「そういうわけで適当な被験者をゲットしたので思いつく限りのことを試してみました」


 あっけらかんと。

 まるで「ちょっと近所のコンビニで弁当買って来ました」とでも言わんばかりの気軽さでベルは宣言し。

 対照的に、三課事務局にはブリザードが吹き荒れた。「適当な被験者」が指す個人名と「思いつく限りのこと」について妄想を働かせた幾人かの職員が手近な椅子に慌てて座り、鼻を押さえる。


「試したんですけど、あんまり効果なくて。やっぱり地道に鍛錬した方が良いと理解できました」


 これが、その時の記録です。

 と、指差したのは机の上の記録媒体。図らずも全員が同じタイミングで息を呑む。

 ベルは一度だけ頭を下げると「ではトレーニングに出かけてきます」と爽やかに言って事務局を去る。パトリシアは若手職員が手を伸ばすより早く記憶媒体を白衣のポケットに放り込み、ひと睨みで男性職員たちを威嚇する。


「これは非公開資料にするデース」


 何人かの職員が「ああ勿体無い」と呟くのだが、パトリシアはそれには耳を傾けず、机に残った便箋を手に取った。四つ折りにされたそれは、派手さのないシンプルなものだった。


(……できれば見ないようにしたいデース)


 とは言うものの自らの役職上見ないわけにはいかないパトリシアは、一度だけ深呼吸して、それから勢いをつけて便箋を開く。

 書かれていたのは、ただの一文。


【サガサナイデクダサイ】


「意外と余裕あるかもしれないデース」


 見慣れた筆跡のそれをシュレッダーに放り込み、ただただパトリシアは溜息を吐いた。













 こうして「影法師」村上文彦は逆レイプという形で様々な初体験を迎え、その日より一週間ほど行方不明となったという。

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