第14話 べんきょうかい!『馬鹿と天才は紙一重』

 そうして、四人が我が部屋に集合した。

 さて、辻をこの部屋に入れてよかったのか?というところが気がかりだと思われるが、心配はいらない。勿論、そんなものは既に手は打ってある。

 その手とは、あの男、連である。

 別に僕はどうでもよかったのだが、彼曰く、この女の子との勉強会は彼にとって、かなり価値のあるものであったらしく、「なんだ?金でも払うべきか?」と告げられてしまったので、それを利用し、もし、辻がヒステリックを起こしたときに、共に落ち着かせるようにと頼んだ。

 というわけで、この勉強会は開かれた。

 しかし、皆さん、結構、勉学のレベルが高いようで、しかも、その中でも添付、女神の勉学のレベルは格が違う。梁団扇高校のレベルではそうそうない。

 まぁ、それは別にいいのだ……。


「それにしても、普通に平凡な勉強会はなんだ?」


 そう言ったのは他でもない、僕であった。


「いきなりどうした」

「いや、もう少し、何か起きないものではないか?」

「いや、ただの勉強会だろ?」


 連が全くもってその通りのことを発言した。


「いや、そうなのだが、どうも、小説として画がつまらない」


 そう、ただ、僕たちがこうやって文字をノートに書いているだけでは、正直、書くことがないのだ。こうやって、画がつまらないと困るのはこの勉強をやっている彼らより作者が困るのだ。


「ほら、例えば辻が暴れたりするのが定番じゃない?」

「いや、勉強会は勉強しますよ」


 さすが、腐っても優等生気質か。

 こいつらは一般的に『常人』という人柄はしていない。ひどいように言えば『変態』とでもいえるような人物柄の持ち主である。

 しかし、全員、学校内では『問題児』と言われるような人物ではないのだ。しっかり成績優秀だし。梁団扇高校自体、入るのは結構難しい、如何せん人気校だし、

 だから、僕はこいつらを見て、この言葉により一層信憑性を覚えた。


『馬鹿と天才は紙一重』


 ただ、いくら梁団扇高校で教師から優等生と言われている人物と言えど、ただ、僕の独断で彼らを『天才』と決めつけるのは非常に困りどころではあるのだが。

 そういえば、ネットで見た事があったな、先ほどの言葉の意味。まぁ、特に覚えてなどはいないのだが。


 そんな感じで何事もなく勉強会は進んだ。


 そのかいあってかは不明であるが後日の中間試験で僕はなかなか好成績を収めることになる。


*****


 補足

『馬鹿と天才は紙一重』の意味について、(ピクシブ百科事典より一部抜き出し)

 常識に囚われず常人には理解しずらい奇抜な発想をするという点では、天才も馬鹿も意味は同じだということ。


 と、上記の文が抜き出しである。ここから補足の補足をすると、「天才」は才能も持ち合わせていなければ「天才」とは言えなく、「馬鹿」はそんな才能も取柄も何もない残念な者のことを指すことが多いようだ。

 これは僕の偏見ではあるのではあるが、「京都大学」の学生はこういうような勉学的に「天才」と言われるような者ではあるものの、なかなか、奇抜なことをやっている者がやはり多い印象で、この様に『馬鹿と天才は紙一重』と言われる模範的な者たちと思っていた、正直。

 しかし、よくよく考えてみれば、僕も宗太も少し意味をはき違えているような気もする……。

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