第6話 わたしのからだはボロボロです。
辻と関わるようになってから、僕の高校生活は波瀾万丈なものとなった。
「ただいま、母さん」
「おかえり、宗太、添付ちゃん。あらボロボロね」
「手当して」
辻に出会う度に彼女には殴られ、蹴られ、さすがに、ギャグのご都合が効かないレベルとなってきて、真面目にピンチであった。
これ、何とかしないと死ぬ。
「というわけで、対策法を募集します」
僕は女神と連に『僕が死なないようにする対策』を募集した。
しかし……。
「へぇ……。変態なあなたなら喜んでいるのだと思った」
「俺としてはお前が死んでくれたほうが彼女できる確率が増えるから万歳なんだけど」
こんな調子だった。
「どっちも正気か?」
女神は僕のあの様子を見て、そんなことを思えるとは。
連は普通に考えが馬鹿げている。
どっちもいわゆる、『サイコパス』というやつか。
勿論、二人が冗談で言ってるのだとすれば、それは覆るのであるが、声のトーンからして、そう考えるのは難しい。
しかし、このままでは間違いなく死んでしまう。マジで痛いのだ。
「宗太さーん♪」
悪魔の声が聞こえた。
「すんません、逃げます」
僕は即座に席から立ち、逃げ去ろうとした。
「はい、逃がしませんよー」
なんて見事な鞭捌き!まるで縄のようだ。
僕はそれによって瞬時に拘束されてしまった。
「やめ!離せ!!!」
「そんな乱暴な言い方だと誰も言うこと聞いてくれませんよ?」
「すみません、離してください!」
「無理でーす♪」
その後、起きたことは言葉にするのも恐ろしい。とりあえず、おぞましいことが起きていた。
このようなことが毎日起きているのだ。ほんとにつらい。
「でも、よくそれだけやられて骨とか折れないな」
何故か、クラスメイトに体の耐久性について感心された。あまりうれしくない。
実のところ、女神と連以外は結構僕のことを心配してくれてはいるのだ。
何故かというと、事が行われた後の現場はかなり過激なものが飛び散っているからだ。
赤い。紅い。朱い。
「でも、なんで先生に言わないんだよ」
「だって、まだぴんぴんしてるし、大丈夫でしょ」
とのことで、まだ教師陣にはこの悪行がばれてはいない。
いや、大丈夫じゃねーつの。
どうしよう、身体が壊れる前に退学しようか。
「本当に壊れそうなのね……」
心の読める女神にやっと心配された。
「遅ぇよ」
相変わらず、これの一言である。
「流石にこれはテンプレラブコメのできる域をさすがに超えているなぁ……」
「つまりは……」
「守ろうじゃないか!この女神さまが!」
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