第35話 チキン野郎とチートパジャマ

「な、何ですの!?このもこもこパジャマは!?」


「嬉しいんかいっ!!」


東海林は声を上げた。


エミは突然ティナから兎耳のパジャマを託された。つかチキンスーツとほぼ同じじゃないか!?


「あん?何だそのふざけた姿!?テメェ俺様を馬鹿にしてんのかっ!!」


「アンタが馬鹿なのは知ってるよ…」


「ざけんなっ!根暗兎!!」


サンティラはシャーッと鳴きながら喰いにかかる。


「エミ…お願い…」


「はい!」


エミはうなづくと凄い速さで飛び上がりサンティラの顎に思いっきり蹴りを入れた。


「グハァァァァァァァァっ!?」


サンティラは吹っ飛ばされ地面に顔を埋めた。


「いっ!?」


「す、凄い!!」


おいおい…チキンスーツと同じじゃないか!?


東海林はステータスを見ると


エミリア

職業 バニーガール

レベル15

攻撃力888/防御590/魔力999/俊敏1000


俺より強いし!?


「これは東海林様のスーツと同じ何ですのね!?」


「多分ね…レグは身体着ぐるみにしたから…私は力だけをエミに託した…」


干支の力が現れて一気にレベルが上がったのか!?それにしてもステータスとんでもないな。きっとアンティラの本来のステータスなんだろう。

あのパジャマの性能がそのままステータスに現れたのか!?


「ちっ!ふざけやがって!他の国の神を足蹴にしてタダで済むと思ってんのかっ!こらっ!」


「我が国に喧嘩を売って来たのは貴方ですわっ!サンティラ様、いくら貴方が神でもやっていい事ではないですわ!」


エミは両手に斧を構えた。


「兎双斧(ラビットツインアックス)


白と黒の兎があしらわれた紅い斧だ。


「洒落せぇんだよっ!」


サンティラは分身と2人がかりで毒液を吐き出した。


「俊足!」


エミ消えた。


「空中歩行!」


エミは空を走っている。

アレが兎の干支のスキルか。


「根暗兎のお箱か!」


エミは大ジャンプし白い斧を巨大化させるとサンティラの分身体に投げ飛ばす。

斧はくるくる回りながらサンティラの分身体を真っ二つに切り裂き分身は廃になり消えた。


「ちっ!ふざけやがって!」


サンティラは何やら金色の三又の槍を加えた。


「神器だ!気をつけてエミ!」


神器?


サンティラは光初め巨大な蝙蝠の様な翼を生やし飛び上がる。


「羽根はやした!?」


「サンティラは実際蛇神だから先祖帰りが出来るの…今のアレはコアトル」


コアトルって豊作を司る羽根を生やした蛇神の事だ。奴はそれになれるのか。


コアトルになったサンティラは神器を浮かばせ背に回すと口から毒液を矢に変え雨霰のように放った。


「エミ!神器を!」


「神器?」


「私の神器を使って!」


ティナは金色の剣と鏡の盾を取り出した。


「神器解放!」


エミが光り輝くと兎耳パジャマは変わり光り輝く黒髪に羽衣に巫女装束を纏った姿にエミは変わった。


「に、人間が…神器解放だと!?」


「アレが私の本来の力で姿…エミは今は私、月を司る女神で白兎の化身の神。」


「神器解放、月詠!」





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