第24話 チキン野郎 修行を始める

デーヴァ十二神と言う干支の1匹、子年のクンビーラに敗北した東海林は改めて強くなる事を決めた。


それから1週間後。


「じゃあ、行って来ます!」


冒険者ギルドを出た東海林と肩にのるチャモ助。


「東海林様!」


「東海林殿」


「わりぃエミ、アンさん」


「私達も今来たので大丈夫ですわ」


本当は2時間前から居たエミリア様です。


「でもいいのか?俺のレベル上げに付き合ってもらってさ」


「はい、私も東海林様の力になりたいので。

それに私結構強いですよ!」


エミはロングソードを引き抜く。


「エミリア様は剣技ではマスタークラスですから実力は折り紙付です」


「アンだってこう見えて結構強いわよ」


マジかよ。人は見かけによらないか、いや確か少し前に盗賊に襲われてたよな。


「東海林殿。確かにこれからの事を考えると力をつける事は大切です」


「あの鼠がまた来るんだよな?」


「それだけではありませんわ。クンビーラ様は自国の兵士達をいずれ向かわせると言っていましたし」


「それって…やっぱ…」


そう、戦争だ。


クンビーラは俺を倒した後に今度は自国の兵士達とまた来ると言っていたらしい。

この世界は酉の干支が消えてからずっと戦争をしていたらしく訳100年前にようやく停戦まで漕ぎ着けた。


クンビーラは酉年の神、シンドゥーラとか言う奴が干支の宝珠とか言う神の力を持ち逃げしたって言っていた。それで戦争になっていた。

いやクンビーラだけじゃない、干支は12体つまり11国家がこの国にやがて戦争をふっかけてくるって事だよな。


「もしまた戦争になったら今度こそ破滅を招きますわ」


「戦争の原因が我が国の神・ドゥーラ様にあるなら、その神は何処へ行ったんでしょうか」


「そうよ。神・ドゥーラ様が宝珠を返せば丸く収まるのに」


確かに。しかし、何処へ消えたんだ。


「とにかく東海林殿。まずはレベル上げです」


「だな。クエストへ行こう」


東海林達はクエストを開始すべく街を出る。

目的地はシンドゥーラ国から南の村の魔物討伐だ。


厄介事だがレベル上げには丁度いいと受けたのだ。とにかくレベルアップだ。




雲一つない晴れた空の下、街を後にする東海林達を見つめる眼差し。


「見つけた…レグホン…必ず連れて帰る」


兎の耳付きフードを被った少女はそう言うと消えた。



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