第21話 チキン野郎とデーヴァ十二神

「クンビーラ?」


鼠で神って馬鹿じゃないのか?



「クンビーラって…まさかクンビーラ国の護神獣!?」


「クンビーラ国?」


「いかにも我はクンビーラに祀られし神であるっちゅ!」


「嘘!?だって十二神獣は御伽話だってお父様が!?」


十二神獣…もしかして、干支か!?

十二支って鼠から猪まである年が変わるにつれてその年の祀られる動物の神様だろ確か。


「お前まさか干支か!?」


「貴様干支を知ってるとは異世界人だな」


「マジで十二支か!?子年の神が何でこんな所にいるんだよ!?」


「裏切り者を始末に来たっちゅ!」


裏切り者だあ?十二支の??


「あの、子の神獣様。無礼をお許し下さい、出来れば訳をお話しください」


エミはひざまづく。


「ほぉ、人間にしては出来てるっちゅ!よかろう冥土の土産に話してやるっちゅ!」


おい俺たちを殺す気じゃないよな。


「始まりは今から500年前、我らはこの世界を守護し、そして自国に親権を与える役目であった。その年は酉の刻だった、我が同胞である十二神、神・ドゥーラ・レグホンが選ばれた。」


シンドゥーラって…あ、そうか!十二支の酉年の別の呼び名だ!!たしか中国の干支の読みでシンドゥーラは酉年の鶏の事だ。


「だが奴は神の力を手にした途端…逃亡したっちゅ!」


逃亡したぁ!?


「奴は神の力を持ち逃げし異世界へ消えたんだっちゅ!」


怒り心頭している鼠の神。


「そのせいで500年間年は変わらず…神もずっと不在でこの世界は覇権を巡り300年も争ったんだっちゅ!」


えぇぇぇぇぇぇぇ!?


つまりその酉年の神は異世界での神の力を持ち逃げし、そのせいで年は変わらず、それどころか次に要は選ばれる筈の神や国に親権が回らないからそれで争いがずっと起きていたってのか。


「しかし、1週間前に500年ぶりに奴が戻って来た知らせが来たっちゅ。奴を消し去り十二支の宝珠を取り戻し、我がこの世界の神として再スタートをきるんだっちゅー!」


何かこいつが神様になったら駄目な気がするわ。


「だったらその神を探してさっさと出ていけよ!」


「そうはいかないっちゅ!」


「は?」


「我が国の為に貴様らシンドゥーラ国の民がどれほどか見極めてくれるわ!」


「訳わからないわっ!」


「問答無用っちゅ!鼠呼ばわりした仕返しをしてやるっちゅー!」


だから齧歯類は鼠なんだよ!!


つか、襲ってくんのかよ!!

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