第20話 チキン野郎と謎の鼠
「こらチャモ助!何で喧嘩売った!」
「チャー!」
えっへんじゃない。
流石ひよことはコカトリスだからなとんでも無いな子供のうちから。
「本当にびっくりしましたわ。このひよこちゃんがあんな力を秘めてるなんて」
「コカトリスは確かに厄介ですがあれ程の魔力を秘めてる魔獣ではない筈ですが」
こいつは特別なひよこなのか?
まあ、何にしても目を離したら大変だなこいつは。
「た、助けてくれー!」
市場の方から叫び声がしてきた。
「今度はなんだよ!?」
「市場の方ですわ!」
「行ってみましょう」
やっぱ行くのかよ。内心もうトラブルはやめてほしい。また酔っ払いか気性が荒い冒険者の喧嘩辺りだろ。
だが、どちらも違っていた。
「た、助けてー!」
「ひい!」
「何て悍ましい光景ですか!」
エミとアンは互いに抱き合い怯えている。
「気持ち悪いな何だよアレ!?」
大量の鼠の大群が市場を覆い尽くし手当たり次第に商品を食い漁っているではないか。
「鼠の大軍!?何でこんな街中に!?」
「下水なんか有りませんよこの街には!」
「鼠は無理ですわっ!東海林様!」
「東海林殿!」
「く、苦しい!」
2人は東海林にしがみつく。
「探せっちゅ!奴を!あの裏切り者を探すっちゅ!」
うわ、巨大鼠!!
空から牛くらいの高さの巨大な耳長の鼠の怪物が降って来た。
そね鼠は両手に変な金属の武器を構え耳と尻尾が長く齧歯類らしく長い前歯に中心に何やら宝珠が埋め込まれた飾物を着けている。
「気持ち悪いですわっ!」
「失敬っちゅね!人間風情ちょが我を気持ち悪いとは!我を誰と心得るかっ!ちゅ!」
なんかムカつくなこの鼠。
「つか魔獣が喋ってる!?」
「魔獣呼ばわりとはっ!神である我をますます侮辱するっちゅか!!」
「ちゅーちゅー五月蝿い鼠ですね!」
「鼠じゃないっちゅ!ハムスターっちゅ!」
齧歯類は鼠だわ!
「お前何なんだよっ!」
「我はデーヴァ十二神が子の刻。繁栄を司る十二神獣、クンビーラ・神(シン)・ハムスターっちゅ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます