第19話 チキン野郎とチャモ助

東海林がスキルで呼び出した魔獣はコカトリスと言う鶏のキマイラ型の魔獣で石にする力も秘めた厄介かつ強い魔獣だ。


しかし、呼ばれたのは…


「ちゃー!」


ひよこの様な奴だった。


「コカトリスの子供ってひよこじゃんこれじゃ」


「ちゃー!!」


「よし、チャモ助。チャモ助にしよう!」


「ちゃー!」


チャモ助が家族に加わった。




コカトリスの子供は東海林にすり寄る。


「あはは、どうした?」


東海林はひよこを抱き上げる。


「ちゃー!」


ひよこは可愛く泣きながらすりすり。


「まあ可愛いからいいか。お前どっから来たんだ?」


ステータス画面を見る。


コカトリス

レベル1


確かにコカトリスらしいな。


「なんかごめんな、間違えた呼んじゃって」


「ちゃーちゃー!」


そんな瞑らな瞳で見ないでよ…返しにくい。


「じゃあ、悪かったな。またな」


東海林はそう言うとひよこを返す魔法陣を作り出すとそこにひよこを置いた。


「ちゃー!」


ひよこは嫌々と魔法陣から抜け出し東海林にすり寄る。


「ちゃ!」


「駄目だって、お前は元居た場所に帰れって」


「ちゃーちゃー!」


嫌々とうるうるしながら東海林にくっついて離れたないひよこ。


「お前、帰りたくないのか?」


ひよこはどうやら東海林をすっかり気に入りそのまま契約する気なのか契約しますか?と言うウインドが現れた。


「まじかよ…ひよこが使い魔ってな」


「ちゃー!」


「まあ可愛いからいいか」


東海林はひよこと契約した。


ひよこは嬉しそうに鳴きながら東海林にすりすりする。


「よしよし、可愛い奴だ。お前の名前は…」


「ちゃー!」


「よしチャモ助。チャモ助にしよう!」


「ちゃー!」


東海林はチャモ助と名付けたコカトリスのひよこを使い魔にした。


チャモ助はちょこちょこ可愛らしく歩いて着いてくる。


「東海林様ー!」


「エミ」


学校が終えたエミが東海林に駆け寄って来た。勿論メイドのアンもだ。


「東海林様酷いですわ。私を置いて行って」


「仕方ないだろ。本当に用があっただけなんどから」


「東海林様、その可愛いひよこちゃんは?」


「俺の使い魔。チャモ助だ!」


チャモ助はお利口に挨拶した。


「これは、コカトリスの幼体ですか?」


「まあね」


「コカトリスは気性が荒い魔獣で人を石化する力もある危険な魔獣ですのに、流石東海林殿ですね」


「大げさだな、チャモ助はまだひよこだぜ」


「ちゃー!」


「やんのかこらっ!」


「そっちこそ!」


と、また酒場で喧嘩だ。


東海林達は冒険者ギルドの前に行くと2人の酔っ払いがいざこざを起こしていた。


「また酔っ払いかよ…」


関わるとロクな事ないわ。


「東海林様!チャモ助ちゃんが!」


「何!?」


いつの間にかチャモ助が酔っ払い達の前に堂々と立っている。



「あん?何だこのひよこ?」


「ちゃーちゃー!」


「あははは、こいつ威嚇してんのか?貫禄ないわ!」


「ちゃー!」


「けっ!お前みたいなひよこ全然怖くないわ!」


ぷくっと頬を膨らますチャモ助。


「何か?やれんならやってみな?」


「ひよこちゃんよ!」


「「あははは」」


酔っ払いに馬鹿にされるチャモ助。


「ちゃー…」


「「ん?」」


チャモ助は息を吸い込み始める。


次の瞬間。


「ちゃーーー!」


チャモ助は口から火を吐き出し酔っ払い達を黒焦げにした。


「「「いっ!?」」」


東海林達は驚きを隠せない。


「「……ひぃ!?」」


酔っ払い達は逃げ出した。

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