第14話 チキン野郎 綿塗れになる

「東海林さん?もしかしてエミリア侯爵令嬢様の婚約者の!?」


「勝手に言ってるだけだよ!俺とエミはそんな関係じゃないよ。まあ、形だけは婚約者に無理矢理されたけど」


「やっぱり婚約者なんですね!」


「違う!違わないけどとにかく違う!」


エミの奴…言いふらしまくってるんだな。


「東海林さんは何故ここに?」


「クエストでポン菓子草を探しに来た」


「ポン菓子草ならこの先にありますよ。よかったら案内させて下さい!」


それは助かるな。


「頼むよ」


「はい!」


トモエの案内で原っぱを目指す2人。

やがて到着した森の中心の原っぱでやたらと大きいワタが一本だけ生えた草が沢山生えている。


「アレがポン菓子草です!」


「あった!良しこれで依頼達成だな」


東海林はそう言うと走り出しポン菓子草をつむ。


「あ、ちょっと待って下さい!」


東海林がポン菓子草を抜いた時だった。


ポンとワタが弾け爆発すると大量の綿帽子が溢れ出し東海林はワタ塗れになってしまった。


「な、何だこりゃ!?」


「ポン菓子草は手順を間違えて積むと種が破裂して分散しちゃうんですよ!」


な、何だそりゃ!?

確かにポン菓子みたいな薬草だな。だからポン菓子草って言うんだな。


「つか、このワタ取れない!」.


「ポン菓子草の帽子は無数の棘で覆われてるから結構くっついちゃうんです」


ワタ塗れの東海林を助けるトモエ。


数分後


「助かった…」


ようやく綿から解放された


「これじゃ採取は無理だな」


どこが最低ランクのクエストだよ。


「ポン菓子は根が繋がっているから無理に引きちぎると養分が途切れて種を残そうと種が弾けるんだよ」


「そうなのか」


鳳仙花とか言う花と似た様なもんか。


「ポン菓子草は根本を熱した剣で斬ると根本が、焼き塞がるから採取できますよ」


トモエはそう言うとナイフを取り出すと杖から小さな火を出し熱して実践した。


「おお!上手いもんだな」


「こんなの基本だよ」


「良しアレを出して試してみるか」


「アレ?」


「チキンナイフ!」


東海林はそう言うと武器が現れた。

しかし、現れたのは。


「て、鶏の羽じゃん!?何処がナイフだよ」


チキンナイフ

軽くて丈夫で切れ味がいいナイフ。


「ナイフなの?それ?」


「たぶんな。後は火か。チキンファイアー(プチ)」


チキンナイフは熱しられるとそのままポン菓子草を斬る。

確かにポン菓子草は弾けない。


「凄いなこりゃ!」


マジで軽いし切れ味も凄いな、見た目は鶏の羽だけど。

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