第13話 チキン野郎と見習い魔女

東海林はエミ達と初めて出会った森へやって来た、ここ東の森は比較的危ない魔物こそ少ないが主がいるらしく出会したら大変らしい。

東海林は何かあってからでは遅い為チキンスーツを着ている。


「やっぱ目立つよな…このマスコットチキン…」


側から見りゃ魔物だもんな。


確か、この先に原っぱがあってポン菓子草が生えてるんだよな?

しかし、このチキンスーツを着ているとスキルを生身でも習得出来るのかいつの間にか言葉やら文字まで翻訳されていて驚いた。

全く解らない文字だったのが日本語になってんだから。

このチキンスーツにはまだ変な機能があるんだろうな。最強になるだけじゃなくてもっとやばいのがきっと。


「きゃあぁぁぁぁ」


何処からか響き渡る悲鳴。


つかまたかよ…絶対に面倒だよな…

と、考えるがやはりほっとける訳もなく悲鳴の聞こえた方へ行ってみる。


「おらガキっ!金目の物をだしな!」


「私、そんな物持っていません!」


「嘘つくんじゃねーよ!そりゃ王都の学校の制服だろ。あそこは金持ちしかいないからな、だからテメェもあんだろ!」


「私は座学で主席で学費免除になってるから学校は関係ありません!」


うわ…また盗賊かよ…今度は子供を狙ってんのかよ。


「来ないで下さい!さもないと!」


少女は杖を取り出す。


「テメェ、魔術師か?」


「いや、学生だから見習いだな」


「見習いを舐めないで下さい!ファイアボール!」


少女は術を放つが…


ぽしゅんと杖から小さな花火が出ただけでそれだけだった。


「だあははは!」


「こいつ落ちこぼれかよ!」


「だせぇ!」


「ああああ…」


少女は真っ赤になった。


アレは確かにカッコ悪いよな…


「お遊びは終わりだな!」


盗賊の1人が少女の腕を掴みかかる。


「ちょ、やめて!」


少女の手から杖が転げ落ちた。


「本当に何もないか、身ぐるみはいで確認するしかないな!」


「ひっ!!」


盗賊達は少女にヤバそうな面で近づく。


「嫌だ、こないで!!」


おいおい…またレイプかよ…たく、面倒事は後でまずいから嫌なのに…仕方ないなたく。


「チキンサンダー」


チキンスーツから放たれた雷の鶏が羽ばたき落雷を連続で放ち盗賊達に降り注ぐ。


ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


盗賊達は一瞬で黒焦げになる。

うわ、雷ってこんな威力あったの、初めて使ったからな。


「な、何だ!?誰だ!」


「子供をレイプするなんて趣味わるくないか?」


「いきなり攻撃した奴が何言って…げっ!お前わっ!!チキン野郎!!」


「ん?あ、あの時の髭面!!」


そうこいつはいつか東海林が蹴り飛ばしてボコした盗賊達だったのだ。


「ひいっ!テメェらずらかるぞ!チキン野郎だ!」


盗賊達はお助けー!と悲鳴を上げて逃げていった。


「何なんだよ…」


ビビりすぎだろ。


「に、鶏の魔物!?」


「あ、そうか…」


東海林は指を鳴らして鶏スーツを解除ししまうと姿を見せた。


「これで大丈夫か?」


「男の人?」


「大丈夫か?」


「は、はい。ありがとうございました。」


「別に何もしてないよ」


「凄い魔法でした!お兄さんは魔術師ですか?」


「いや、ただの冒険者だよ」


そんなキラキラした目で見るなよ。


「助けていただきありがとうございます。私は、王都の学校に通う魔法使い見習いのトモエです」


「東海林勇気だ」


とりあえず簡単な挨拶をした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る