第11話 チキン野郎 チキンパンチを披露する
冒険者ギルド前で東海林VSキザ野郎3人組との決闘が勝手に始められた。
「3対1かよ!それでも貴族かよ!」
「平民に分からせる見せじめさ。弱者は強者に屈服すべし、それが帝王学と言うものだ」
単に目障りだからこの場で消したいだけだろ。何処の世界にも嫌な奴や屑はいるが、異世界も大概だな。
「貴様も速く準備をしろ!痛ぶる時間が始まらないじゃないか!」
「今痛ぶるって言わなかったか?」
「東海林様!マルスなんかボコボコにしてくださーい!」
こら煽るな!
しかし、このままって訳にもいかないよな。
本当は凄い逃げ出したいけど、これじゃ無理だよな。周りにギャラリーもとい野次馬だらけ。
東海林は鞄から丸めたチキンスーツを投げるとチキンスーツは広がり自動的に東海林に装着された。黄色い鶏の被り物をした鶏スーツを身に纏う。
「は?鶏??」
周りが爆笑の渦に包まれた。
「貴様正気か?そんな滑稽な姿で私と戦う気か?あははは!勝負を捨てたかチキン野郎?」
「別に捨ててもいいけど」
「無様な姿に免じて褒美をやろう、貴様が勝てば何でも願いを叶えてやろう伯爵家の権力を使ってな、その代わり負ければ潔く私に斬られエミリアとの婚約を破棄してもらうぞ!」
「ちょっとマルス!」
「いいかチキン野郎?」
「勝手にどうぞ」
「東海林様!?」
「では、初めるぞ!」
マルスが手袋を空へ投げる。
手袋が地面に着地した瞬間決闘は始まった。
「やれ!」
取り巻きの2人が東海林の背後に周り押さえ込んだ。
「な!」
「卑怯ですわ!」
「勝てばいいのさ!死ねやチキン野郎!」
マルスが東海林の腹目掛けてサーベルを突き刺さす。
しかし…
パキンっとサーベルはいい音をして折れてしまった。
「え?」
やっぱり折れたか。
チキンスーツレベル上がってたからな。
チキンスーツ(超)
パワー500/ガード500/魔力1500/俊敏750
スキル
ミスリル硬化
スーツの強度をミスリル合金並にする。
ミスリルとは伝説の合金で異常に硬い物だ。
スーツはその硬度になっているのだ。
「ば、馬鹿な!」
「いい加減に放してくんない?」
東海林はガタイのいい男を前に叩きつけ足にしがみつく小物野郎を蹴り飛ばしガタイのいい男の上に投げた。
「新技、チキンパーンチ!」
「「グワァァァァ!!」」
取り巻きの男は空の彼方へ吹っ飛ばされた。
「え…」
何が起きたか理解出来ないまま呆然と立ち尽くすマルス。
「さてと」
マルスにゆっくりと近づく東海林。
「ひいっ!ま、待ってくれ!!」
東海林はゆっくりと近づいてくる。
「私の負けだ。そなたの願いは何でも叶える!何がいい??そうだ!私が盛大な結婚式をプレゼントしよう!エミリアとのだ!結婚式はタダであげたいだろ?な?」
東海林はにこやかになる。
「いるか、そんなもん!」
「ですよね…」
「チキンパーンチっ!」
「グワァァァァ!!」
マルスは吹っ飛ばされ冒険者ギルドの壁を突き破り酒樽に頭から突っ込んだ。
「あばばば」
樽の中で泡を吹くマルス。
やばい…器物破損しちまった…やっちまった…
恐るべしチキンパンチ。
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