第9話 チキン野郎 事情を語る

東海林勇気が異世界へ来てはや1週間が過ぎた。

いきなり異世界のトイレに繋がり帰れなくなりそれどころか、この異世界の貴族の婿?容姿にされてしまい、オマケに婚約者は14歳ときた…こりゃ普通にリアルではアウトだ。


「それより問題はこの異世界では俺は無職って事なんだよな…」


元の世界では高校生だが、異世界ではただの無職…ダサい…ダサすぎる。


「東海林様!」


「エミ…」


エミリアことエミが東海林に向かって来る。

もちろんメイドのアンも一緒だ。


「東海林様、何故家にいてくださらないのですか?」


「そうですよ。東海林殿、民宿に泊まらなくてもいいじゃないですか!」


「中学生と一つ屋根の下なんて無理に決まってるだろ。ていうか未成年法って奴で禁止なんだよ!」


「中学生?未成年法??」


「何ですかそれは?」


「え?」


東海林は固まる。


「いやだって14歳ってモロ子供だろ?変な事を起こしたら俺は豚箱行きなんだよ!!」


「豚箱?豚は家畜ですから普通に小屋にいますわ。」


それは豚小屋。


「東海林殿、貴方はさっきから何を言ってるんですか?エミ様はもう14歳。結婚し子を産んでも全く問題無いですよ!」


「いつの時代だよっ!!そんなもんは中世の暗黒時代にはとうに無いわ!」


「東海林様は私と結婚するのが何故嫌なのですか!?私は貴方を愛してるのは誠ですのよ」


「東海林殿、まさかエミ様にご不満?または浮気ですか?」


「私胸は大きいし安産体型とアンに言われてるからお勤めは保証されてますわ」


「中学生とちょめちょめする気は無い!未成年とそんな関係になって元の世界へ戻れるか!」


冗談じゃない。14歳の未成年なんか手を出して元の世界になんか帰れるか。

一生違う意味で後悔しか残らないだろ。


「東海林様は私が嫌いですか!」


「嫌いじゃないよ…でも、後を考えたら色々まずいからしないだけだ!」


「東海林殿ってかなり腰抜けですね」


「そう言う世の中なの令和は!」


「東海林様、先程から何をおっしゃってるんですの?」


「元の世界とかれいわとか?未成年法とか?貴方は一体何処から来た方なんですか?あの異常な力もその出世からですか?」


「はぁ、こうなったら全部話すよ…実は…」


東海林は事の経緯を今更ながら説明した。


「異世界ですか…?」


「東海林殿は別の世界から来た殿方と?」


「そうだよ、馬鹿げた話だが本当だ。あのチキンスーツも元々はスポーツクラブのマスコットキャラの着ぐるみで応援用の物なんだ」


「東海林様は異世界人だからあんな強靭な力をお持ちなのですね!」


「話聞いてた?だから違うんだってば!」


「東海林殿。貴方がいた世界が生きづらくともこの世界はそんな柵はありませんよ。だから、安心してエミ様と〇〇して世継ぎを!」


「ですわ!」


「いや帰るから!俺は元の世界に帰るから!」


どんなに話してもこのお花畑お嬢様にはつうじてんだか、してないんだか。




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