第5話 チキン野郎 プロポーズされる!?

「悪いね。馬車はこんなだし、衣類はそれしかなかったから」


すまんチキンスーツよ。安らかに眠れ。

多分壊れてないよな…?


「あの、鶏さん?ですか?」


「鶏の獣人ですか?」


「どちらもハズレ。俺は人間」


「危ない所をありがとうございました。私は、エミリア・マルセルト・ジョゼフィーヌ三世ですわ。長いからエミとお呼び下さいませ鶏様」


「鶏じゃないよ、東海林勇気だ」


「東海林?異国の方ですか?」


「まあね」


異国って言うか異世界だけどなこっちから見ても。


「こちらはアンです。私の護衛権メイドですわ」


「アンジェリカ・ベロニカです。アンとお呼び下さい旦那様」


「は、はあ…ん?旦那様?」


「アン!!」


「あ、あの?話が見えないんですが??」


「東海林様。不躾なお願いですが何とぞ聞いて頂けませんか?」


「お願い?」


「アン黙なさい!会ったばかりの方にあの話は!!」


「ですがエミ様はつゆ知らずの者と婚姻したいと?」


「それは嫌よ!絶対!!」


さっきから何の話をしているんだ??


「なら丁度いい方が現れたんですから白羽の矢を放ちましょう!」


「そ、そうね…アンの言う通りかもしれないわ…顔もタイプだし…」


「?」


「東海林様!」


「はい?」


「私と結婚して下さい!」


「はいっ!?」


何だよこの急展開は!?

下手すぎだろこの内容わよ!!


「エミ様…正しくはフリですよ!」


「あ、言葉が足りませんでした」


は?フリ??


「東海林殿。貴方にはエミリア・マルセルト・ジョゼフィーヌ三世侯爵ご令嬢様の婚約者のフリをお願い致します。」


は?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る