第3話 チキン野郎 髭面に蹴りかます

声のした方へ恐る恐る向かう東海林。

彼は正直言ってかなりビビっている、大体女の子の悲鳴と言うのは決まってアレだからである。


「何ですか貴方達はっ!?」


森の真ん中でいかにもお金持ちそうな金髪の美人な女の子とそのメイドらしき人がこれまたお決まりな汚い男衆もとい盗賊に絡まれている。しかも馬車はひっくり返っていて馬らしき動物は見当たらない所を見ると逃げたなこりゃ。


「金持ちお嬢とむさい盗賊…お決まりのパターンかよ…」


東海林は茂みからそっと覗く。

こんなの漫画やアニメの話だ。正直実感が湧かない。もしかしたら夢なのかもしれない。


「そうだよ、きっと夢だよなこれは絶対」


東海林はうんうんと頷く。


「きゃーーっ!!」


声が森中に響く。


何ごとかと再び覗くと…そこには、またしてもお決まりのパターンのメイドが捕まりしかも金髪少女は盗賊に捕まり服を引き裂かれ柔肌と歳不相当な黒い下着が露わになる。


「うひゃひゃ!ガキなのにいい身体してるな〜」


髭面の男が少女の顔を舐める。


「嫌ぁぁぁっ!」


「シア様!!」


メイドの人も服を脱がされ地面に押し付けられる。


「身代金の前にたっぷり可愛がってやるぜ!」


汚い男衆もとい盗賊達が少女の手を掴む。


「何やってんだよっ!!」


茂みから飛び出した東海林。


振り向いた髭面にさっき覚えたスキルをぶちかます。


「チキンキークッ!」


東海林の足から巨大な鶏の足のエネルギーが飛び出しそのまま髭面の顔に蹴りかます。


「ぐ、グワァァァァ!!」


髭面は勢いよく吹っ飛び馬車に激突した。

髭面は馬車を貫通し奥の岩にめり込んでいた。


嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?


東海林は信じられないこの状況に声にならない叫び心の中で上げた。

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