穏やかな読書習慣(と見せかけた惚気)
「若者の読書離れ」と言われ続けて、数十年。
読書を習慣にするためにはどうしたらいいか?私はある方法で、寝る前の読書を習慣にすることができた。答えは簡単。
読書好きのかわいい彼女をつくればいい。ただかわいいだけじゃダメだ。宇宙一かわいいお姫様みたいな読書好きの彼女を作れ。
私のお姫様はとても楽しそうに、読んだ本の感想を話してくれる。その姿はキラキラしていて、まばゆくまたたく天使のようだ。
姫の語る姿が好きだと気づいたのは、出会ってしばらく経った頃。「読書が好きなんです」と話してくれたので、ふと図書室で借りて、今読んでいるライトノベルの話をしてみた。そうしたら、すぐに「そのシリーズ、ボクも大好きなんです!」とくいついてきた。その高揚した姿があまりにもかわいくて、もっと本を読んで、姫に報告したくなった。
姫は、純文学、エンタメ、ミステリ、SF、ファンタジー、恋愛、ライトノベルetc……物語なら何でも読む。だから、私がどんな本を読んでも、嬉しそうに私の読了報告を聞いてくれる。
「その本おもしろいですよね」「やっぱり。あなたが好きそうな本だなと思ってました」「ボクも読んでみようかな。参考になります」……姫は本のことしか考えていないらしい。私は姫の熱く話す姿に心を奪われているというのに。それが少し悔しい。けれど、異端なのは私の方だろう。
だから私は毎晩本を読む。私が読めば読むほど、姫も本の話をいっぱいしてくれるから。遠慮がなくなってくるのだろう。
すっかり姫は、読書が私達二人の共通の趣味だと思い込んでいる。ありがたいことに。
正直……私は、好きな人に好かれようと合わせているだけかもしれない。昔は、モテるために頑張るクラスメイトを馬鹿にしていたのに。私も奴らと変わらないのかもしれない。
でも。姫のきらめきに心を揺さぶられる、あの瞬間だけは真実だ。そして、読書体験がそこそこおもしろいのも。私は単純だから、真実だけを愛し貫くことにしている。
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