第7話 離婚しよ
【咲希 視点】
大学生の頃、毎日のように旦那とセックスしていた。
いつも旦那から求めてきた。
大好きな旦那に求められて、凄く嬉しかった。
旦那に抱かれている時だけ、アタシは価値のある人間なんだ、と実感できた。
けど結婚してからアタシのこと求めてくれない。
アタシから誘っても「ごめん、今日はそんな気分じゃない」って断ってくるし……。
エロい下着を着て誘惑しても、ダメだった……。
大好きな旦那に断られる度に、不安になった。
大学生の頃は毎日求めてくれたのに、なんで結婚してからアタシのこと求めてくれないの?
アタシの身体、魅力ない……?
もうアタシのこと飽きちゃった……?
女の自信を無くしたアタシは、寂しさを埋めるために他の男とエッチしてしまった。
そう、浮気しちゃったの……。
浮気相手の名前は亮太。
大学二年生らしい。
亮太くんとはマッチングアプリで仲良くなり、気づいたら大人の関係になっていた。
最初は亮太くんのこと好きじゃなかった。
ただ寂しさを埋めるために、毎日亮太くんと会ってセックスしていた。
「咲希ちゃんっ!!」
「亮太くんっ……」
けど、セックスを重ねていくうちに、亮太くんのことが好きになった。
それと同時に旦那のことがどうでもいい存在に変わった。
亮太くんのことが大好きになり、アタシの浮気は徐々にエスカレートしていく。
前まで週一で会っていたけど、今はほぼ毎日彼と会ってエッチしている。
亮太くんに求められる時だけ『自分は価値ある人間なんだ』と実感できる。
もう旦那のことなんかどうでもいい。
亮太くんさえいればいい。
けど亮太くんはアタシのこと好きじゃない。
一度も『好き』と愛を囁いてくれない。
たぶん、亮太くんはアタシのこと都合のいい女としか思ってない。
それでもいい……。
亮太くんの傍にいられるなら、セフレでいい。
◇◇◇
ある日、旦那にレイプされた。
強引にアタシの服を脱がし、身体を貪ってきた。
アタシが「やめてっ」と言ってもやめてくれない。
抵抗しても無力される。
ただされるがままだった。
この人、何やってんの……?
今してることレイプとわかんないよ?
分かってる?
大学生の頃は旦那とのセックスが幸せだった。
けど今は不快でしかない。
身体を触られる度に、涙が溢れてくる。
「咲希っ! 咲希っ! 咲希っ!」
旦那は激しくアタシを求め、最後は中で果てた。
え? 嘘……?
中に出したの……?
中に出さないで、ってお願いしたのに……。
ほんと最低。
旦那とセックスして分かった。
アタシはもうこの人のこと好きじゃないんだ。
昔はこの人の隣にいるだけで幸せだったけど、
今は一緒にいても辛いだけだ。
アタシたちの関係は終わったんだ……。
もういいや。
離婚しよ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます