第2話 浮気

咲希さき 視点】 



「じゃあ行ってきます」

「うん、いってらっしゃい、あなた」


 やっと旦那が仕事に向かった。

 今日は19時ぐらいに帰ってくるらしい。

 それまで自由だ。

 

 洗濯物を干していると、急にインターホンが鳴った。

 ん? 誰だろう?


 作業を中断して、玄関に向かう。

 玄関の扉を開けると、好青年が立っていた。


 彼の名前は亮太りょうた

 今は大学2年生らしい。


 亮太くんとはマッチングアプリで仲良くなり、肉体関係にまで発展した。


 旦那はアタシと亮太くんの関係に気づいてない。

 あの人、馬鹿だから永遠にアタシが浮気してること気づかないでしょうね。

 

「亮太くん、おはよう」

「うん、おはよう、咲希ちゃん。旦那さん、もう仕事行った?」

「うん、行ったよ。今日は19時まで帰ってこないんだって」

「へー、そうなんだ」


 私達は見つめ合う。

 どちらともなく顔を近づけ、唇同士が重なった。

 唇に亮太くんの熱を感じる。


 旦那以外の人とキスしちゃった……。

 罪悪感に駆られる。

 その罪悪感をスパイスに亮太くんとのキスを楽しむ。


「んっんっ……ちゅっ、ちゅるっ、ちゅっ」


 最初は唇を重ねるだけだった。

 けどいつの間にか舌を絡め合う大人のキスに変化していた。


「亮太くんっ……」

「咲希ちゃんっ……」

「ちゅっ、ちゅっ、んっんっ……」


 何十秒も恋人のようなキスしていた私達は、そっと唇を離す。

 私と亮太くんの間に透明な糸が引いていた。


「咲希ちゃん、ベッドで続きしよ」

「うん……」


 私たちは手を繋いで寝室に移動する。

 

 亮太くん、今日もかっこいいな。

 イケメンで、高身長で、面白くて、聞き上手。

 ぶっちゃけ、今は旦那より亮太くんの方が好きだ。

 なんてこと思っているうちに、寝室に到着した。


 寝室には大きなベッドが設置されていた。

 いつもあのベッドで旦那と一緒に寝ている。

 

 今から夫婦のベッドで亮太くんとイチャイチャする。

 旦那にバレたら、私の人生終わるね……。


「いつもこのベッドで旦那さんと寝てるの?」

「うん、そうだよ」

「へぇ~、一緒に寝てるんだ。セックスはするの?」

「ううん……もう半年以上シてない」

「半年? それマジで言ってる?」

「うん……」


 旦那とは半年以上シてない。

 最近のあの人は仕事に夢中で、アタシに構ってくれないの。

 それが寂しくて、気づいたら浮気してた。


「亮太くん、キスして……」

「はいはい、分かったよ」


 アタシたちは自然と顔を近づける。

 気づいたらアタシたちの唇は重なっていた。


 熱いキスを続けながらお互いの服を脱がせ合う。

 アタシの下着が露わになった。


 私の下着を見て、亮太くんは「えろ……」と感想を漏らす。

 

 私の下着見て、亮太くん興奮してる。

 ふふ、嬉しい。


「咲希ちゃんっ」

「亮太くんっ……」


 全裸になった私達はベッドの上で愛し合う。

 私が攻めで、亮太くんが受けだ。


 私が攻める度に、亮太くんは女の子みたいな声を漏らす。

 ふふ、亮太くんの反応、可愛い。

 

「咲希ちゃんっ、俺、もう我慢できないよ……」

「エッチしたい?」

「うんっ、今すぐしたいっ……今日も生でいいよね?」

「え? 生がいいの?」

「うん、生がいい……」

「……もうしょうがないなぁ。いいよ、生でヤらせてあげる」

「ははっ、サンキュー、咲希ちゃん」


 亮太くんがアタシのこと抱きしめてくれる。

 全身に亮太くんの熱を感じる。

 亮太くんの熱とアタシの熱が一つになる。

 生で繋がったのだ。

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