【NTR】大好きな嫁に浮気されて、俺は狂ってしまった……

理亜

第1話 結婚

 大学二年生の頃、俺は童貞を捨てた。

 相手はバイト先の後輩だった。


 あの日の出来事は今でも鮮明に覚えている。


 お酒でベロベロになった後輩とホテルに泊まり、流れでセックスした。

 あれが初めてだったから緊張したよ。


 後輩は初めてじゃなかった。

 凄く慣れていた。

 素晴らしいテクニックに何回も出しちゃったよ。


 おそらく、色んな男と経験を積んでテクニックを磨いたんだろう。


 咲希さきの奴……処女じゃないのか。

 まぁでも納得だ。


 コイツ可愛いし、スタイルもいいし。

 他の男がほっとくはずないよな。


「咲希っ!」

「先輩っ……んっんっ」


 ベッドの上で後輩――咲希さきを貪り、俺の全てを彼女の中に吐き出した。

 最高に気持ちよかったよ。

 これが幸せか。

 

 行為が終わったあと、俺達は全裸で抱き合う。

 咲希のスベスベした肌が心地いい。


 あぁぁ~、本当に幸せだ。


「ねぇ先輩」

「ん? なんだよ?」

「アタシ達、付き合わない?」

「……」


 別に咲希のこと好きじゃなかったけど、セックスの流れで恋人になった。


 恋人になった俺達は毎日デートした。

 オシャレなカフェでお茶したり、居酒屋で普段できないような話題で盛り上がったり、ホテルでエッチしたり。


 最初は好きじゃなかったけど、時間が経過するにつれて咲希のことが大好きになった。

 今は結婚も考えている。

 

「咲希……」

「先輩っ……んっんっ、あっ」


 今日も後輩――咲希とデートして、居酒屋で酒飲んで、最後は俺の家でセックスした。

 いつも彼女が攻めで、俺が受けだ。

 

 咲希のテクニックは本当に素晴らしい。

 すぐに果ててしまう。

 

 咲希のテクニックが凄まじいのは、経験が豊富だから。

 俺は咲希としかセックスしたことないけど、

 彼女は色んな男とエッチしたことがある。

 嫉妬で狂いそうだよ。


 けどそれは過去のことだ。

 大事なのは今だ。

 今の咲希は俺のことを愛してくれてる。

 俺だけを見てくれている。

 だから、彼女の元彼に嫉妬するのはやめよう……。


 4年後、最終的に俺達は結婚した。

 結婚しても俺達は仲良しだ。


 休日はどこかに出かけて、一緒にご飯食べて、たまにベッドの上で愛し合う。

 そんな生活を送っている。


 まぁ最近はセックスしてないけど。

 たぶん、半年以上セックスしてないと思う。

 

 咲希の身体に飽きたわけじゃない。

 仕事が忙しくてセックスする余裕がないだけだ。

 それでも咲希との結婚生活は幸せだ。

 

 この月並みの生活が愛おしくて仕方ない。


 だがある日、この幸せが本物じゃないことに気がついた。

 そう、この幸せな生活は偽物だったのだ。









 ◇◇◇



 

 朝、目が冷めた俺は洗面台で顔を洗い、リビングに移動する。

 リビングには一人の女性がいた。


 腰まで伸びた黒い髪。

 大きな瞳。

 筋の通った鼻。

 薄い唇。

 

 彼女は妻の咲希だ。


 咲希は俺を見て、優しい笑みを浮かべる。


「おはよう、あなた。朝ご飯できてるよ」

「うん、ありがとう」


 ダイニングテーブルに朝ご飯が用意されていた。

 俺は椅子に座り、早速咲希が作ってくれた朝ご飯を食べる。

 

 うん、今日も咲希のご飯は美味しいな。

 

「美味しい?」

「ああ、凄く美味しいよ、咲希」


 俺の言葉に咲希は「えへへ」と嬉しそうに笑う。

 つられて俺も笑った。


 朝ご飯を食べ終えた俺はスーツに着替え、玄関に向かう。

 玄関で靴を履いていると、背後から咲希の声が聞こえてきた。


「あなた、今日は何時ぐらいに帰ってくるの?」

「今日は19時ぐらいかな」

「ふーん、19時か……」


 なんでこんな質問してきたんだろう?

 まぁなんでもいいか。


 革靴を履いた俺は、咲希に「いってきます」と行って家を出た。

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